本号より、次世代リーダーのためのマネジメント羅針盤として、「住宅リーダー8(エイト)スキル講座」をコラム形式で始めていく。
このコラムでは、これからの住宅リーダーが、部下をマネジメントしていく上で必要となる8つのスキルについて、そのノウハウを共有していく。
では本日の目次を示そう。
リーダーに必要な叱る力
まず、この「リーダー」に当てはまるのは、マネジメント領域を管轄しているメンバーだけでなく、経営者や部長、あるいは今後部下を持ち業務を行っていく担当者なども対象となる。この8つのリーダースキルとは、叱る・質問する・聞く・伝える・報告を受ける・褒める・会議する・指示を出す、の8つである。
今回からは「叱る」というテーマにおいて、リーダースキルの考え方を示していこう。そもそも、リーダーに叱る力が求められる理由は何だろうか。まず、叱る目的は、スタッフ自身に間違った言動を「間違っている」と認識させ、自省を促し、言動を改めてもらうことである。

上司の言葉をきっかけに、スタッフ自身が自分の問題点に気づき、自主的に改善へ取り組むように仕向けなければならない。その点を実感できてこそ、叱る効果があったと言える。そのため、叱る中で「期待の言葉」を入れることが大変重要となる。間違っても、スタッフが謝罪することを目的に責め立てたり、落ち込ませるような叱り方をしてはいけない。叱りとは、愛情であると心得るべきである。
叱ると怒るの違い
まず、叱ると怒るの違いを押さえよう。叱ると怒るは異なる。怒るとは、メンバーの成長を考えず、感情的になって問題点を指摘することである。「気に入らないから」「自分にとって不都合だから」という理由で問題点を指摘するのは誤りである。一方で、叱るとはスタッフの成長を考えた上で問題点を指摘し、言動の改善を促すことである。例えば下の図にあるように、理性的に叱ることは模範的な叱り方であり、注意に近い。

「愛情深く叱る」というのは、よく考えて使うべきである。無関心な態度は最悪であり、4つ目の「怒る」は、単に感情的になっているだけである。いかなる時でも感情を表に出してはいけない、ということではなく、時には感情を前面に出して愛情深く叱ることも重要である。ただし、感情を表に出した叱り方はスタッフの心を傷つけるため、注意をして使う必要がある。
誰でも叱ることは嫌なものである。叱る側も叱られる側も同様で、良い気分がしない。しかし、スタッフが間違った方向に進んでいる際に指摘しないのは、真の愛情とは言えない。

常により高いレベルに成長してほしいと思いがあるからこそ、上司はスタッフを叱る必要があるということを、肝に銘じておかなければならない。
引用