今回は、若手の契約率が大幅にアップさせる手法である「グリッピング」について見ていきます。
現在は集客難により、今すぐ客が大幅に減少していると言われています。下の図をご覧ください。下の図は住宅の実現可能期間のアンケートを示したデータです。

家を建てる予定については、1年以内である今すぐ客(顕在客)は3割を切っており、それ以外の7割〜8割はすぐ購入するわけではないまだ先客(潜在客)です。今すぐ客は従来の商品説明型営業を行なっていれば最終自社でなくとも住宅購入の意思決定をします。しかし、まだ先客はそもそも本当に建てられるのかが分からないので、商品説明をしてもその段階ではない為契約には至りません。

そもそも自分たちに家は建てられるのか、さらにはそのようなお金にならないような自分たちのペースで話を聞いてくれる良き相談相手がいるのか、という点で不安を抱えております。ですから今の住宅営業に求められる営業は顕在客営業ではなく潜在客営業なのです。しかしながら、この8割の潜在客の中に顕在客が混ざっているという事実を押さえなければなりません。
下の図をご覧ください。下の図は、「商品を見ているときに店員さんから声掛けがあった方が良いか」とのアパレルにおける質問ですが、ほとんどの方が「ない方が良い」と答えています。

つまり、本質的には自分のペースで商品の購入を考えたいのです。これは、展示場に来場したお客様にも当てはまるでしょう。下の図にあるように、一年以内に検討していても検討期間を短く書くとゴリゴリに営業されてしまうため、検討期間は2年以上先に記載するケースも多く存在します。

これらはボクシングでいう、ガードが上がってる状態ということがで言えるでしょう。つまり、住宅の実現可能期間を、まだ先客として長く記入するリアルな潜在客がいる一方で、隠れ顕在客もいることを押さえなければなりません。

では、この隠れ顕在客のガードを下ろすには、どのようにすれば良いのでしょうか。こちらについては、グリッピングという手法とポジショニングという手法があります。
今回は、このグリッピングという手法について見ていきますので、ポジションリングについては、下の記事でご覧ください。
また、リアル潜在客への攻略アプローチについては下記の記事に掲載しているので併せてご覧ください。
では本日の目次をお示しいたします。
グリッピングとは
まずグリッピングの言葉の由来から説明いたします。よく日常で「グリップする」という表現が使われますが、本来の意味はビジネスで使われる意味とは違います。本来はラケットのグリップやバットのグリップなど、握るという意味で使われますが、ビジネスでは関係性を構築するなどの意味で使われています。

まず前提として、一般的に初来場のお客様は営業マンに対しての警戒心を持った状態で物件に来場します。この段階では、営業マンとの会話も口数が少なかったり、営業マンの質問に対しても当たり障りのない範囲で返答するにとどまり、十分なコミュニケーションが成立しません。したがって、まずはお客様の警戒心を解きほぐし、普通に会話ができるだけの関係を構築することが大切です。言い換えれば、普通に話を聞いていただける関係を作ることですが、あらゆる商談において最初のステップと言えます。
どんな営業活動においても、まずは良好な人間関係を築き、好感を持ってもらわなければ話が始まりません。もしグリッピングができないまま話を進めていくと、一方的な説明で終わってしまうだけではなく、不快感さえ与えてしまいかねません。
このグリッピングを行うためには、五つの手法があります。順に説明していきましょう。
①社会的望ましさ
社会的な望ましさとは、一般的に好感を得やすい特性のことです。社会的者望ましさの最も顕著な例は、容姿などの身体的魅力であり、住宅営業に関しては、スタッフの身なりや立ち振る舞いにあたります。特に住宅営業では、ターゲットとなるお客様の中心である30代女性から好印象を持っていただける身なりがどうかが最も重要です。
例えば、30代女性が最も気になる住宅営業マンの身なりはお分かりでしょうか。一つ目がタバコの臭い、二つ目が爪の清潔さ、三つ目が服装の乱れです。このような特性を踏まえて対策を行っていくことが非常に重要となります。
次に、好かれる性格を調査したデータがあるのですが、誠実であることが最も重要との結果が出ています。社会的望ましさを高めるためには、誠実であるかどうかを考えることも必要なのです。

下の図をご覧ください。これはある飲食店の図になりますが、どちらが社会的に望ましいでしょうか。

当然ながら、右側の整然とされた飲食店になるのですが、社会的には望ましさは、営業個人に限った話ではなくて会社のスタンスも含まれます。ですから、展示場でスリッパが揃っていない、埃が落ちているなどといったケースも、社会的望ましさとして気遣いましょう。単に営業だけではなく、組織としての望ましさが適切かどうかを確認するのです。
また下の図は、色彩心理学から見る営業時におすすめのネクタイの色です。

黄色は「話しましょう」と相手と仲良くなりたいとき、青色は「安心してお任せください」とクレーム対応時に効果的です。また、白色は時に冷たい印象になりますが、「誠実です」と伝えることができ、桃色は「面倒見ます」と、相手を優しい気持ちにさせる効果があります。ここで伝えたいメッセージはネクタイを替えましょうというわけではなく、ネクタイ一つとっても、お客様にどう見られているかどうかを意識することが重要であるということです。
②自己開示
自己開示はその名の通り、営業マンがどのような人か、お客様に知ってもらうことを表します。人間関係が親密になっていく過程においては、パーソナルな情報交換が重要な役割を果たすのです。とはいえ、先に自分の話を始めてもお客様は違和感を感じるだけですので、営業マン自身の情報をまとめた自己紹介カードを活用すると効果的です。

自己紹介カードについては、共通点や興味を持ちやすいなど、ポジショニングに繋がるネタを入れましょう。

③返報性
多くの人は、何かをしてもらうと、その解消をしなければいけないとの心理が働きます。これを好意の返報性といいます。好意の返報性について研究した薬学者は、顧客に何らかの行為を提供することで、顧客との関係性が深まっている結果を発表しています。これを住宅営業に応用することで、非常に効果的な内容に繋げることができるでしょう。例えば、ドアを開けてあげる・スリッパを用意する・お子様へプレゼントを渡すなどが挙げられます。
④態度の類似性
態度の類似性は、意見や態度、過去の経験が一致すると、お互いに好感を持つというものです。先ほどの自己紹介カードや世間話の中から、お客様との共通点を見つけることでその効果が発揮されます。また話す速度や言葉遣い、話す姿勢などを相手に合わせることも、態度の類似性を生かした手法と言えます。例えば、地元ネタや共通の趣味、お客様と同じドリンクを頼むなど、お客様の来場アンケートから類似性を探し出しましょう。
⑤単純接触の法則
心理学者ザイアンスの実験によると、印象が好印象が中立の場合、接触回数接触頻度が増すほど好感度が上がるという結果が出ています。第一印象が悪くないのが前提ですが、お客様と何度も接触することで、好感度を高めることができるのです。印象が良ければ、当日の訪問やお礼状を送るなどということが有効でしょう。これらを踏まえると、営業の流れは下の図のようになります。

グリッピングとして、まず人として認められることを第一段階とし、クリアすれば、プロとして認められるという段階でポジショニングに入ります。そして、コーチングとして課題を聞き出した後に、購入の選定基準を与えるフレーミングに移り、最後に生活をイメージさせるイメージングを行う流れとなります。この、コーチング・フレーミング・イメージングについては、下の図にあるように、問題構造学に沿った考え方になります。

まず、お客様が求める理想の暮らしを具現化するというイメージングと、理想の暮らしに向けての課題に向き合うコーチングを行い、課題解決に向けた事項を伝えるというフレーミングを行う流れです。なお、このイメージング・コーチング・フレーミングについても、グリッピングとポジショニングができていなければ進めることができませんので、前述したステップを踏みながら進めていくことが重要になります。
なお、これらの記事は下記にて詳しく説明してるので併せてご覧ください。
本日のまとめ
改めて、本日のまとめをお示しいたします。
住宅営業では、グリッピングにて隠れ顕在客のガードを下ろすことが重要である。
グリッピングには、自己開示や態度の類似性など、コミュニケーションの図り方を工夫することが重要である。
営業は、グリッピングから最終のイメージングまで、正しい流れで行う。
以上本日は、若手の契約率が大幅にアップする顧客の心をつかむグルッピングについて見てきました。
今後、このような取り組みを行うことが非常に重要ですので、しっかりと対策を行っていきましょう。


