今回は、SNS活用による低コスト認知拡大で集客力を底上げした福岡県A社の事例について見ていきたい。A社の概要は上記の通りとなっている。

では本日の目次を見ていこう。
当初の課題
A社の事例を紹介する前に、まず言葉の定義を共有したい。広告集客には、「認知」と「獲得」という二つの概念がある。認知広告や認知媒体とは、自社を知ってもらうことを目的としたものを指す。一方、獲得広告や獲得媒体は反響、つまり資料請求や来場予約などの獲得を目的としたものである。

一般的には獲得を目的としたマーケティングが多いが、今回の事例は認知をゴールに設定した取り組みとなっている。認知をゴールに置く際には「助成想起」と「純粋想起」という考え方が重要になる。
助成想起とは、会社のロゴなどを見た時に「あの住宅会社を知っている」と思い出してもらう状態である。一方で純粋想起とは、「そろそろ家が欲しい」と考えたタイミングで、自社を自然に思い浮かべてもらう状態を指す。
この純粋想起は、「トップオブマインド」「ファーストコールカンパニー」と表現され、認知活動の最上位のゴールとされる。

認知を狙った集客は、媒体ごとに整理すると下の図のように分類できる。

短期的には看板やテレビCMが認知効果を担い、チラシは反響に直結しやすい媒体となる。短期で見るとチラシの方が集客効果は高いが、長期で見ると看板やテレビCMは「ボディブロー」のようにじわじわと認知を効かせ、反響増加につながる。
このように、時間差で反響を生み出す点が認知広告の特徴である。ここで押さえるべきは、「認知は獲得ありき」ということである。

獲得が最適化されていない状況では、まず獲得を優先する必要がある。その上で、獲得広告を出し切った段階になれば、認知に振り切ることが重要となる。
A社の取り組み
一方で、認知には費用対効果が見えづらく、検証しにくいというデメリットがある。

それでもA社は、全体予算の10%をブランド認知費用として明確に割り当て、ROIを求めない媒体に振り切る方針を徹底した。つまり、予算の10%は「捨てる覚悟」でテレビCMやラジオCMに投資し、1年後の効果に期待したのである。
しかし、テレビCMなどは、A社に限らず中小ビルダーにとってはコスト負担が大きく、実施が難しいものである。

そこでA社は「どう認知を広げるか」を再検討し、その結果、SNSで勝負するという意思決定に至った。SNSは費用を抑えつつ認知を最大化できるツールである。
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