多くの住宅関連企業(工務店)で、集客がない・・・あるいは最近チラシの反響が少ない・・・など集客面でのお悩みが絶えないのではないでしょうか。

 

こちらは、ある経営者の悩みになります。

 

そもそもうちは契約率が高い。

だから来場があれば売上は上がる。

でもその来場がないんだよな・・・。

昔はチラシを撒けば来ていたが、今はチラシは全く鳴らない・・・。

ホームページをリニューアルしたけど資料請求は増えないし・・・。

展示場のイベントが悪いのかな?

全部問題だとしても何から手を付ければいいのか分からないよ・・・。

 

このように今までの勝ちパターンが徐々に飽きられてしまい、集客数を減らしてきてしまっているといったケースが見られます。

 

今回は、このような「来場が減っている工務店がどのように対応すべきか」についてお伝えしていきます。

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

工務店のあるべき集客計画の立て方とは?

 

まず、あなたの会社では企画設計と実行について適切な流れで策定出来ていますでしょうか。

 

下の図は、工務店における企画の設計から実行までの流れになります。大きく分けると企画の「設計」と「実行」ですが、その中でも、企画設計については大きく4つにフローを分けることが出来ます

 

一つ目が、棟数目標を決めることです。例えば、「来期の販売棟数は50棟」などと目標設定をすることですね。そもそも最終的なゴールである棟数が明確でなければ集客における計画を立てることは出来ません。前期と同じ、ではなく根拠を踏まえた上で売上棟数を明確にすることが社員のモチベーションの観点でも重要です。

 

二つ目が、現状数値の明確化です。数値は各企画の平均来場数や契約率などです。例えば50棟を目標にした場合、実績としての契約率を割戻し、来場数目標を立てることが出来ます。契約率が10%の場合は50棟×10%で500組の年間来場が必要、といった考え方ですね。

 

そして三つ目が目標計画の策定になります。上記を踏まえて来場数が例えば500組必要だとしたら、その為にどのような企画(展示場イベント・見学会・セミナーなど)を何回行うのかなどを計画することになります。

 

そして最後にその企画を実際のイベントカレンダーに落とし込むことになります。

 

この「企画設計」を行うことで初めて戦略的な企画設計と言えます。

 

工務店の企画設計のポイント〜棟数目標から企画計画編〜

でまず企画設計の中でも棟数目標の決定から現状数値の明確化、目標計画の策定について見て参ります。

 

まず下の図をご覧ください。下の図は、ある工務店の企画設計資料の内容になります。

 

 

まず50棟を来期の目標とした場合に、重要なポイントは契約率の実績値を明確にすることです。前期、あるいは三カ年の平均の契約率を仮に10%と設定した場合に、年間の目標来場数は10%を割り戻した500組の来場になります。

 

次に500組をどのように達成するのかを考えます。この工務店では、図の通り、店舗・展示場・見学会・セミナーと様々な企画を行っております。そして注意すべき点はそれぞれの月間、あるいは企画あたりの来場数が違うということです。

 

ですから、企画ごとの来場数値も、昨年、あるいは3ヶ年の数字を平均値として洗い出し、その上で、各企画において、何回実施をすれば、500組になるのかという計算をすることが重要になります。

 

また、この取り組みを行う上での注意点は以下になります。

 

契約率が変わる場合は正確な契約率に沿って設計する

イベントによって契約率が変わる場合があります。例えば総合展示場の契約率が5%、単独展示場の契約率が10%などのケースですね。契約率が異なる場合はその数値に準じて設計を行いましょう。(契約率が半分であれば企画は2倍にするなど)

 

 

来場が落ちている場合は控えめな数値を入れる

総合展示場などを中心に来場数が低下傾向にあるケースが多く見られます。来場が減少している中で数値を入れてしまうと目標達成が困難になることが想定されます。企画における来場数が例年低下傾向である場合は、その低下率も踏まえて設計することが重要です。

 

工務店の企画設計のポイント〜イベントカレンダー編〜

次は設計した企画をもとにカレンダーの作成に入ります。

 

御社では正しいルールのもとイベントカレンダーを管理しているでしょうか。

 

下の図は、ある工務店のイベントカレンダーになります。制作においてはポイントは大きく4つあります。

 

一つ目が、通期分を期が始まる前に作成することです。先ほどの計画をまず期が始まる前に全てカレンダーに落とし込むことが重要です。一部の会社では、その場しのぎ、あるいは企画設計を行わずにに都度見学会や展示場イベントを開催をしていますが、お伝えした流れで契約目標棟数、さらに契約率を割り戻した年間来場目標、さらに目標を達成する企画の開催計画の順で策定しなければ戦略的な来場計画とは言えません。

 

そして二つ目、地域イベントの日程を事前に確認することです。多くの地域では、地域特有のイベントがあります。ですから、役所のホームページなどでイベントなどを確認しながら企画が被らないかどうかを事前に盛り込むことが重要になります。中でも10月は運動会を中心に様々なイベントが全国で開催されているので、特に注意しましょう。

 

三つ目に他社のイベントや追い込み日を把握することです。他社とイベント企画が被ってしまうと、来場数の水準を満たしにくくなります。ですから、定期的に他社のイベントや売り込みを把握しながら、イベントカレンダーに盛り込むことが重要になります。

 

4つ目に失敗時のリスクヘッジを想定することが重要です。どうしてもイベント企画は水物ですので、思った来場が見込めなかったということはよくあります。ですから、そのようなた場合の対応策を事前に盛り込んでおくことが重要になります。

 

下記は実際に集客力の高い工務店で使用しているイベントカレンダーのフォーマットになります。ご要望の方はダウンロードしてお使いください。

 

 

工務店の企画設計のポイント〜企画実行編〜

そして最後に企画の実行です。設計と実行を比率で言えば2:8と言えるほど実行フェーズは目標達成において重要です。設計から実行に移る上で多くの企業が失敗する要因が3つあります。順番に見てまいりましょう。

 

計画が長く中だるみしてしまう

期初のタイミングで建てた計画において、年間計画としてそのまま実行するケースがありますが、大きな間違いです。計画の実行には必ず納期が必要になります。納期を1年で遂行してしまうと期間としては長すぎであり、途中で集中力が切れ達成が困難になります。6ヶ月も期間としては長く中だるみのリスクがあります。では1ヶ月はどうでしょう。1ヶ月という期間は住宅販売における反響から契約までのリードタイムを想定すると短すぎます。

 

目標達成における期間として好ましいのは3ヶ月でしょう。3ヶ月という期間で目標を達成する為にはどうすればいいか、という観点で実行することでより達成率が高まります。クオーターという言葉で一つの区切りとして扱いやすく、程よい緊張感で活動を行うことが出来ます。

 

この考え方は言うなれば従来が1年計画✕1ではなく3ヶ月✕4という4回の目標設定をしているという考え方であり、実行に向けてのリズムを作りやすいスパンと言えます。

 

策に溺れる

立派に作り上げた設計もいざ実行フェーズに移れば目的を見逃しがちです。例えば目標棟数を達成する為の手段として行っている見学会であるにも関わらず、その見学会事態が目的になってしまうということはないでしょうか。これがまさに手段の目的化です。手段の目的化が恒常化すると視野が狭くなり、適切な判断が困難になり業務効率が悪化します。

 

このような事態に陥らない為に、常に最終的な目的を念頭に日々の業務を行うことが重要です。今行っている業務は「何の為にやっているのか」を問うことが重要です。特に集客部門はインスタグラムの運用やHPのブログ更新など細かい作業が発生する傾向にあります。そういった際に常にその目的を意識し、手段の目的化にならないように気をつけることが目標達成に向けて重要です。

 

 

目標が分断される

次に目標が分断されるリスクです。一部の会社では数値目標を営業と集客で違う目標設定を追いかけるケースがあります。例えば営業部は50棟の受注、集客部は500組の来場というケースです。このような場合、それぞれの活動が別のものとなってしまい、連携が出来なくなるケースがあるので注意が必要です。

 

また、営業は「集客が悪い」集客は「営業が悪い」と未達成の要因を外に向けてしまう形になることも多く、連携が難しくなります。集客が棟数を追うことは難しいですが、その上で上記の問題を加味してある程度連携を密にとる上での目標の管理が必要になってきます。

 

以上3つが目標実行における注意点です。繰り返しになりますが設計が2とすれば実行は8の比重を占めるほど重要なフェーズです。正しい実行スキームを構築することで目標達成の確度を上げていきましょう。

 

本日のまとめ

 

改めて、本日のまとめをお示しいたします。

checkbox工務店の集客結果は企画設計の段階で決まっている

checkbox企画設計には棟数目標・現状数値の明確化・企画計画・カレンダーの作成がある

checkboxそれぞれポイントを押さえた上で設計を行うことが重要である

checkbox企画の実行についてもテクニックを駆使することで数値を大幅改善することが可能である

 

以上来場を増やす取り組みについて説明をいたしました。

 

細かいテクニカルなノウハウではなくて、どちらかというとマネジメントに近い領域ではありますが、このような体制を構築することが非常に重要なりますので、是非この内容とツールを活用しながら来場数を増やしましょう。

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