多くの住宅業界では集客部門が、若手メンバーで構成されているなどのケースは多いのではないでしょうか。発想が顧客と近いというメリットがある反面、若さゆえに組織が自立しないという負の側面がある事も事実です。

 

こちらは、ある経営者のお悩みです。

 

うちはなんとか資料請求も多いし来場もそれなりにある。

でもなかなか改善されないんだよね。

気になった点はこちらから提案を出したりして改善されるけど、現場の社員から改善の声とかが上がらないんだよな。

社員一人ひとりが主体的に考えて対策を行ってくれる体制が理想なんだけど。

どうしたらいいもんだか・・・。

 

このように、部署自体が体制として整備されていない為、社員一人一人が主体的に考えるという体制づくりを構築することに苦慮されているケースは多いのではないでしょうか。

 

今回はこのようなケースを踏まえて、集客部隊における自走する組織の作り方について触れたいと思います。

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

正しい問題解決の流れとは?

 

まず集客部隊における自走する組織の作り方に重要な要素は「問題を解決するスキル」と言えます。来場が増えない理由は何か、そしてどのように対応すれば良いのかを明確にする思考プロセスを習慣づけることと言い換えることが出来るでしょう。

 

下の図をご覧ください。こちらはトヨタが実践している「なぜを5回問う」という考え方です。例えば「売上が上がらない」という問題に対して、なぜを5回問うことで最終的に行うべき対策が見えるという考え方ですね。トヨタでは末端の工場員までこの考え方が浸透している為、生産性が世界レベルで高いという強みに繋がっています。

 

 

このような考え方は「問題解決」という手法で多くの書籍で解説がなされています。それほど私達を取り巻くビジネス社会において答えがなく、自分自身で解決しなければならない問題が多く存在しているということを示していると言えます。ここではこのトヨタも実践している「問題解決」の考え方について触れたいと思います。

 

 

下の図をご覧ください。こちらは一般的な問題解決のフローを図解したものになります。

 

 

まず、目標と現状の数値状況を洗い出し、ギャップを明確にします。そしてギャップを生んでいる原因を洗い出します。その中で根本的な原因である真因を明確にし、それぞれに対して対策を講じます

 

対策についても全てを一気に行うことは困難ですので優先順位付けが必要になります。そして担当者と期日を明確にした上でアクションプランを計画し、定期的にMTGなどで進捗を確認する、といった流れが重要になります。

 

こちらはある住宅会社で実際に集客の問題を洗い出した図になります。課題は多岐にわたりますが、その中で真因となる要素を3つに厳選し、それぞれに対して対策を明確にします。そしてアクションプランとして担当者と期日を明確にするといった流れになります。

 

 

正しく問題解決を行う上での注意事項

 

以上が問題を解決する上での正しい流れになりますが、いくつかの注意点があります。以下の注意点を押さえた上で思考プロセスを身に着けましょう。

 

原因から対策に飛ばない

多くのケースで原因の洗い出し、真因の明確化を避けて対策をとりあえず行う流れが見られます。対策ありきではなく、ギャップからの原因抽出を明確に行った上で対策を行うことが重要です

 

真因はズラさない

真因はイシュー、センターピンとも呼ばれるが、問題解決において最も重要です。真因をずらさず対策を行うことで正しく問題解決を進めることが可能になります

 

優先順位は成果インパクトと期間で判断する

対策が増えすぎると効果に時間がかかってしまう為、対策については優先順位を設定する必要がありますが、優先順位は成果インパクト(どれくらい成果が出るか)と期間(どれくらい期間がかかるか)を踏まえて設定しましょう。なお、コストがかかる対策についてはコストも選定基準に入れることもあります。

 

アクションプランは行動レベルまで細分化する

対策はそのままではアクションまで落とし込むことが難しいケースが多いですがその場合は「いつ・誰が何をやるのか?」のレベルまで細分化することが重要です。

 

なお、こちらの会社が実践している問題解決を習慣化するシートを下記に準備いたしましたのでご要望の方は下記よりダウンロードください。

 

 

組織実行力を高める「正しい緊張感」とは?

 

以上が改善に向けた思考プロセスになります。

 

組織の実行力を高める為に必要な要素はもう一つあります。それは「正しい緊張感の醸成」です。

 

下記をご覧ください。こちらは有名なナポレオンボナパルトの格言になります。

 

 

人の人間を動かす二つのてこは利益と恐怖であるということですね。ですから、正しい報酬と正しい緊張により、信賞必罰体制を構築するということが組織の実行力を高める上で重要になります。今回については、正しい緊張感という点について触れて参ります。

 

 

なお、「正しい報酬」に関する考え方は下記の記事にまとめていますので併せてご覧ください。

 

 

まず、どのようにして、正しい緊張感を醸成するのでしょうか。

 

下の図をご覧ください。こちらは、ある調査会社のアンケートデータです。「あなたは結婚式を挙げましたか」というアンケートですが、なんと何もしていないと回答した方の離婚率が8割を超える結果となりました。一方で結婚式と披露宴共に開催したカップルの離婚率が1割と圧倒的に低いことが分かります。これらを踏まえるといかに結婚式や披露宴が重要かが伺えます。

 

 

では何故結婚式や披露宴によって離婚率は減るのでしょうか。ここからは心理学で言う「一貫性の原理」の効果性が導き出せるでしょう。一貫性の原則とは「一度決めたことをやり通そうとする心理」を指します

 

 

ビジネスシーンでも同じ現象が起こっています。

 

一部の会社では経営発表会を行っているかと思いますが、この本質的な効果は何でしょうか。

 

 

実は経営発表会も一貫性の原則を踏まえ、正しい緊張感を社内に醸成しているケースになります。社外向けに期の数値実績を発表し、来期の目標を宣言することによって、一貫性の原理を醸成しているのです。

 

この一貫性の原理の効果は下図のように、社外へと範囲が広がれば効果は増していきますが、もちろん社内でも十分効果を発揮します。

 

 

例えば今回のテーマで言えば、集客部門が経営幹部、あるいは全社に目標数字や達成状況などの実績宣言・報告することで正しい緊張感を醸成することが出来るでしょう。

 

こちらはある会社の事例になります。この会社では毎月メールや日報で「集客面での当月の目標数」と、「現状数値」「今後に向けた対策」を全社、あるいは役員に報告する体制を作っています。数字に関する内容を宣言することによる一貫性の原理により高い実行力を発揮するでしょう。

 

 

また、別の事例では下図のように、各媒体ごとの数値状況を社内に張り出し、競争原理を醸成しながら一貫性の原理により正しい緊張感を醸成しています

 

 

本日のまとめ

 

改めて、本日のまとめをお示しいたします。

checkbox集客部隊における自走する組織の作り方には問題解決力を付け、組織実行力を上げることが重要である

checkbox問題解決のスキルを身につけることで自己解決する組織に変わることが出来る

checkbox組織実行力を上げるには正しい緊張感を醸成することが重要である

checkbox正しい緊張感は宣言体制を構築することで醸成することが出来る

 

以上、組織の観点で集客力を上げるというテーマに触れて参りました。

 

「改善に向けた思考プロセスを習慣化すること」、「そして改善に向けた正しい緊張感を醸成すること」が非常に重要になります。このような取り組みをすることによって組織力を上げることで集客目標を達成していきましょう。

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