多くの住宅関連企業(工務店)で自社ホームページ戦略を強化していることと思います。しかしながら、ホームページの反響は多い会社と少ない会社と二極化しているように思います。というのも、ホームページは商品力が色濃く反響に反映されますのでどれだけホームページを強化しても反響を増やせない住宅関連企業(工務店)が出てくるからです。

 

こちらはある経営者の悩みです。

 

最近お客様から「ホームページを見てきました」と言われることが多いな。

ホームページは24時間働く営業マンって言うし、当然大事なんだろうな。

ホームページのデザイン自体はお客さんからの評判がいい。

ただ、3年に1回はリニューアルしているのに反響は月3件前後・・・

よその会社だと月30件なんて話も聞くんだが・・・。

実際うちのホームページの何が悪いのか分からないんだよな。。。

 

ホームページの反響が増えない要因は様々考えられますが、単なるホームページの見せ方だけでなく、自社の商品力がない、自社商品の魅力を伝えきれていない、といった観点は非常に重要です。

 

本日はこのようなお悩みについてどのように対処すべきかをお伝えいたします。

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

住宅業界の集客構造におけるホームページの位置付け

 

まず住宅業界の集客全体について触れてみたいと思います。集客構造には大きく「媒体」「販売ルート」「企画」が存在します。媒体は販売ルートにどのような手法で来場・アポにつなげるか、を指します。販売ルートは展示場や見学会・店舗など見込み客と対面接点を持つ場所を指します。また、企画は販売ルートに呼び込む為にどのような企画を行うかを指します。

 

 

企画に示している物件案内は展示場であれ見学会であれその物件を紹介するという意味合いになります。物件案内以外にも相談会やセミナー、ワークショップなど様々な企画が行われています。近年ではこの企画自体がオンライン化されつつあります。

 

今回のテーマになるホームページはまさにこの媒体における⑤に位置づけられます。

 

また、下の図をご覧ください。下の図は今までの住宅業界の集客構造と、現在の住宅業界の集客構造を比較したものになります。

 

 

今までは住宅業界において、チラシから店舗に来場する、あるいはテレビCMから店舗に来場する、とそれぞれの集客構造が分離していました。しかし、インターネットが台頭することによって、この構造が大きく変わります。

 

図に示している通り、ホームページが集客構造の真ん中に位置し、ハブのような役割を担う構造になったんですね。例えばチラシで来店する場合も、ホームページをまず確認して来店する、といった構造になっています。ですからチラシで魅力的な訴求をしても、ホームページで魅力的な訴求が出来ていなければ来店しない、といったケースが大いに考えられます。

 

いわば、見込み客はチラシなどの媒体で住宅会社を一次面接をした上でホームページの品質を踏まえて二次面接をしていると捉えることが出来ます。この観点でホームページは他の集客媒体よりも重要な位置付けであるということを捉えてください。

 

マジックナンバーとは?

 

住宅会社のホームページは他の業界と比較して非常にユニークな特性があります。どのような特性かお分かりでしょうか。この観点において別業界の事例をお伝えいたします。下記の3つの数字をご覧ください。

 

 

「10日以内に7人フォロー」「30人にフォロー」「2000通のメッセージ」と様々な指標がああります。実はこれ、いわゆる「定着」に関する数字になります。

 

 

例えばFacebookは、統計的に計測をすると「10日以内に7人いいね」をするとそのユーザーは定着すると言われています。そしてTwitterに関しては「30人にフォロー」すれば定着すると言われています。同様にスラップ(コミュニケーションアプリ)は「2000通のメッセージを送ることによって定着する」と言われています。

 

下の図で説明すると、いわゆる特定のユーザーが「あるアクションを一定回数以上行うと一気に定着や反響」が増えていくということです。これをマジックナンバーと言います。

 

 

住宅業界におけるマジックナンバーは?

 

ですから住宅業界のホームページも、「マジックナンバーは何なのか」ということを明確にすることによって反響を倍増させるということが可能になります。では、住宅会社のホームページのマジックナンバーは一体何でしょうか。

 

結論から申しますと、リピート率です。さらに言うと、リピート率50%を実現することによって反響を倍増させることが出来ます。

 

下記の図をご覧ください。ある住宅関連企業(工務店)で調査をした数字ですが、見ると、青い左側の青い部分が「ホームページの全てのユーザー」になります。下のオレンジ部分が反響したユーザーですね。

 

 

右側を見ると、「反響した方の半分以上はリピーター」ということが分かります。つまり、サイトユーザー全体では「リピートユーザーが17%」だったんですが、反響者で分類すると「50%超がリピーター」となったんですね。

 

 

なぜリピート率が重要なのか?

 

ではなぜリピート率が上がると反響が増えるのでしょうか。まずこちらをご覧ください。こちらは「各業界のユーザーが重要視している視点」をまとめたものです。左側は単価が低い業界である「小売」「アパレル」「保険」などですね。

 

 

単価が低い業界は意思決定は比較的即決になります。一方で自動車住宅など単価が高い業界に関しては比較的慎重な方が多くなります。それぞれホームページで見れば単価が低い業界は「サイトに来てくれれば反響する」ので、比較的PV(ページを見られた数)を重視する傾向にあります。一方で、自動車業界や住宅業界は単価が上がる分即決は出来ません。

 

ですから、「リピート率」という指標を追うことになります。というのも、単価が大きい分ホームページに来て頂き、すぐ反響するというわけではなく、定期的にリピートする中で「どこかで反響する」という考え方になります。

 

そのイメージをまとめた図が下記になります。

 

 

Aさんが7月3日に折り込みで住宅会社の広告を見ました。少し熱が上がる訳ですね。そして7月10日にハウスメーカーの支援を見ました。そのときに熱が検討ラインを越え、ホームページにアクセスしてみようと考えます。その後、友人の自宅で新築な魅力を感じ、そのタイミングでも興味がある会社のホームページ見てみようかなとなります。さらに友人の自宅が完工してお祝い駆けつけるこのときも熱が上がり、「少しホームページを見てみようかな」となります。

 

このように「定期的にホームページを何度か訪問することによって、反響してみようかな」という気持ちが積み上がっていくのです。ですから比較的ホームページに関しては「もう1回見てみようかな」と思ってもらえる魅力的なホームページにすることが重要になります。

 

ではリピート率を上げるにはどうしたら良いのでしょうか。

 

リピート率を上げる為に必要な5つの施策

 

リピートを上げる施策は5つのポイントがあります。

 

まずホームページの中で、「①会社が魅力的な会社かどうか」、「②商品は魅力的か人が魅力的か」、「③人は魅力的か?」「④オファーやイベントが魅力的か」「⑤反響しやすいか」を訴求する必要があります。このプロセスの中で言わばホームページは1次面接から5次面接まで面接を受けていると考えましょう。

 

 

もちろん面接を1回でやりきるのではなく、お伝えしたように何度もアクセスする中で行います。1回目のアクセス時は2次面接まで、2回目は3次面接まで、3回目は4次面接ということですね。ですから住宅業界においてホームページの反響を増やすには、リピート率を高めることが非常に重要になります。

 

自社のUSPからホームページを強化する

 

では、会社や商品の魅力を強化するにはどうすれば良いでしょうか。そもそもホームページとは、下記の通り住宅業界において、集客における戦略になります。ですから営業戦略、あるいは商品戦略との連携が非常に重要になります。

 

 

下の図をご覧ください。下の図は、いわゆる自社の競争優位性(差別化要素)を軸に、販売戦略と商品戦略を設定するといった考え方です。ホームページはこの販売戦略に位置づけられますので、当然ながら自社の競争優位性(差別化要素)をしっかりと押さえた内容にすることが重要です。

 

 

ではUSPとはそもそも何でしょうか。USPとは「自社の得意分野の中で、顧客ニーズを満たし、かつ、競合が参入できない領域」を指します。

 

 

語源を端的に表現すると、下記のように「自社が強みとする競争優位性(差別化要素)」そのものを指します。

 

 

USPがずれていると、「そもそも自社の差別化要素に関心を持ってくれない」「あるいは自社の差別化要素が競合に勝てない」いった結果になってしまいます。こうなってしまうと、そもそもホームページの強化を行っても反響を増やすことは出来ません。

 

 

優秀企業のUSPを見てみると、下記のように「自社の得意分野の中で顧客ニーズを満たし、競合が参入できない領域」をうまく作りあげています。

 

 

ではどのようにUSPを構築するのでしょうか。下の図をご覧ください。下の図は、顧客・競合・自社の観点である商圏の分析をしたし、ある会社の事例になります。縦軸はデザイン・構造・気密など各社の強みを洗い出しています。横軸は顧客の感度とそれぞれの会社の強みを表しています。顧客の感度とは、「それぞれの要素において顧客がどの程度関心があるか」を示したものになります。

 

 

元々この会社は気密を強みとして展開していました。しかしながら、分析の結果顧客は機密にそこまで関心がないといったことが判明しました。併せて構造に関しては関心があり、さらには競合他社が構造についてはそこまで強くないということが判明しました。結果、この会社は自社のUSPを気密から構造に切り替えるということを行いました。

 

少し簡単に説明しましたが、本来は下にあるようなツールを使いながら細かくUSPを作り上げていくことが重要になります。自社の強みを明確にした上でホームページを作ることが反響を増やす上で非常に重要です。

 

 

なお、USPを明確にする為のツールは下記よりダウンロードが出来ますので必要に応じて活用ください。

 

 

自社の商品からホームページを強化する

 

以上がUSPを押さえてホームページを強化する流れになります。しかしそれだけではありません。下記図の通り、本来USPを元に販売戦略と商品戦略を構築することが重要なのですが、同様に商品戦略を元に販売戦略を構築することも重要です。ホームページは販売戦略に位置づけられますので商品をどのようにホームページで訴求するか、が重要になります。

 

 

ではそもそも商品戦略の構成要素は何でしょうか。下の図をご覧ください。商品は大きく「パッケージ」、「ブランド」「付随機能」といった要素に分かれます。パッケージは「商品を構成する実体」を指し、ブランドは「商品の付加価値を上げる要素」を指します。付随機能は、「商品価値を補強する要素」と捉えてください。

 

 

パッケージについては、商品自体のネーミング・ロゴ、あるいはストーリー・商品仕様・商品ラインナップなどを指します。そもそもこのパッケージの訴求力が弱ければ、ホームページの反響を増やすことは非常に困難です。

 

 

また、ブランドに関してはこちらのように、好感度を意識したブランド設計を行った上で、様々な媒体に一貫性を持って顧客接点を構築するという考え方が重要です。例えば、営業ツールの内容とホームページの内容に一貫性がなければブランド効果は上がりません。

 

下の図はブランドステートメントというブランドを体現する内容をまとめたツールを元に一貫性を保持しながら顧客接点を強化するといった考え方になります。

 

 

なお、ブランディングについては下記の記事で詳しく触れていますので併せて御覧ください。

 

 

付随機能は「○○賞を受賞」「社歴○年」「地域密着」など商品に付随する機能(長所)のまとて訴求するといった考え方です。付随機能について少し補足をいたします。

 

 

例えば下の図は付随機能を作る流れを示した図になります。このように社内で自社の長所を自由に洗い出します。そしてそれぞれの要素を共通項でグルーピングし、それを文章としてまとめ上げます。そうすることで、ホームページの訴求力を高める付随機能というものが明確に伝わるようになるのです。

 

 

なお、付随機能をまとめるツールについては下記よりダウンロードが可能ですので併せてご活用ください。

 

 

このように単にホームページの強化をするだけでなく、パッケージ・ブランド・付随機能を意識して設計することでホームページの反響を増やすことが可能です。

 

本日のまとめ

 

改めて、本日のまとめをお示しいたします。

checkbox住宅業界のホームページはリピート率を高めることが重要である

checkboxその上で会社や商品の魅力を高めることが重要である

checkbox会社や商品の魅力を高める為には自社のUSPを明確にすることが重要である

checkbox併せて商品力を高め、ホームページに反映させることが重要である

 

以上、今回はホームページの反響を増やす上で、「商品戦略」という観点で見て参りました。この点を押さえた上で、成果の出るホームページを作りあげましょう。

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