今住宅業界で何が起こっているのか?

 

現在、住宅業界は未曾有の不景気の真っ只中にいる。下の図は、野村総研が発表した住宅着工数の予測だが、ご覧いただくとお分かりの通り、2024年を起点に大幅に着工数が減っていく。24年については、もともと86万戸で予測していた戸数が、82万戸まで落ち込む見込みである。グラフを見ると、明らかに24年〜25年の間で「不景気の扉を開けた」かのように、そこから雪崩式に着工数が落ちていっている。これは、もはや不景気ではなく、恐慌がこれから始まるという表現が正しいかもしれない。

 

 

なぜ御社の集客が減り続けているのか?

 

このように人口減少を背景とした恐慌となれば、集客をいかに増やすのか、が重要な論点となる。そのような中でコロナ以降、集客の勝ち組と負け組が明確に分かれている。この勝ち組と負け組の違いは何であろうか。それマーケティング戦略できないからならない

 

 

まず、マーケティング戦略とは、下の4つPからなる「4P戦略」によって構成される。

 

 

一つプロダクト(Product)あり商品戦略そのものある顧客ニーズ課題応じどのよう商品サービス提供する差別化要因検討することある次にプライスあるプライス(Price)競合価格提供できる価値などから判断して最適価格決めることある

 

また、プレイス(Place)と言われるルート戦略は、いわば顧客を呼び込む場所を指し、モデルハウスやオーナー見学会や、物件における現地待ち合わせなどを指す。そして最後のプロモーション(Promotion)戦略は広告などのプロモーション施策をどのように行うかを検討する領域である。これらを図に表すと下のようになる。

 

 

 

プロモーションは、Web広告からホームページに誘導する、あるいはチラシ・テレビ・CM、最近流行りのSNSなども指す。そして、プレイスは前述したように、単展に出店するのか総展に出店するのかなどを指す。商品・価格は、デザインや気密性・断熱性などの自社商品の優位性(以降USP)となる。

 

マーケティング戦略の落とし穴

 

このような中で、マーケティング戦略ができていない企業は、下記二つの問題をはらんでいるケースが多い。

 

プロモーションしか見ていない

プロモーション前述したようWeb広告ホームページSNSチラシテレビCMなど顧客認知する飛び道具ようものだこれら重視した取り組み行っいる企業多いあるよう成果インパクトして最も低いものある

 

 

4Pの観点で言えば、下の図にあるように、商品戦略や価格戦略、プレイ戦略が重要であり、プロモーションは戦術でしかない。つまり、このような中でプロモーションばかり強化しても、成果は出ないのである。

 

 

多くのマーケッターと言われる方々は、このプロモーションしか見ていないケースが多い。マーケッターを自称している方が周りにいれば、「自社の商品において市場ニーズは何か」「競合の強みは何か」「価格戦略はどのように展開すべきか」「立地戦略はどう考えるべきか」などを聞いてみると良い。

 

これらに対して適切な回答が返ってくれば、立派なマーケッターであるが、あくまでプロモーション領域に留まっているのであれば、それはプロモーターでしかない。

 

 

また、下の図にあるように、ドラッカーは「マーケティングは販売を不要にすることである」と説いている。販売をプロモーションと意訳するならば、いかにマーケティング戦略において、プロモーションの価値が低く、商品戦略や価格戦略が重要であるかがお分かりいただけるのではないないだろうか。

 

 

また、一般的には、プロモーションで成果を出す限界は、商品力の1.1〜1.3掛けしかないと言えば分かりやすいのではないだろうか。プロモーションで成果が出ているのは、土台に商品力があるからこそなのである。

 

 

このような中で、なぜプロモーションに特化した取り組みが多いのかといえば、このプロモーション領域こそがビジネス化しやすい領域であり、図にある通り多くのプレイヤーが存在するからである。

 

 

しかし、彼らのようなプロモーター企業は、自社の領域でしか最適な提案をしない。例えばWEB制作会社は、「そこのエリアはチラシが良いのでチラシの比率上げよう」とは言わないし、SNSの運用会社は「インスタグラムよりも営業力を強化すべき」とは言わない。結果的にプロモーション過多となり、成果が出ないということになるのである。

 

 

商品戦略軽視している

次に、商品戦略について見ていこう。下の図は、多くの企業が陥っている商品戦略を軽視した考え方である。

 

 

プロダクトアウト型については、「いいものを作れば売れる」という考え方であるが、市場のニーズを抑えずに良いものが作れるとの考えは幻想であり捨てるべきである。次に、プロダクト放置型については、「今まで売れてきたから市況が回復すればまた売れる」という考え方だが、例えば30年前に流行った無添加住宅、20年前に流行った子育てママの家、10年前に流行った建築家の家などは、今も同じようなボリュームのマーケットがあるかと問えばそうではない。市場のニーズは大きく変遷するため、常に商品を見直さないといけないのである。

 

パッケージ依存型については、「あのFCが成功している」「あの事例が成功している」と飛びついたところで、他社の事例は他社の市場があるため、その商圏のニーズから逆算して上手くいっているだけであり、自社の商圏に合うかは別である点を忘れてはいけない。

 

もし現在、自社の棟数が増えているのであれば、間違いなく商品設計や価格設計を踏まえた4P戦略が正しく機能しており、棟数が減っているのであれば4P戦略が機能していない。プロモーションに限定した営業強化も集客強化も、単なるドーピングでしかないのである。以上の内容を踏まえると、下の図のようになる。

 

 

本来、集客改善に必要なマーケティングは、このような4P戦略が重要になってくるが、多くの会社はマーケティングを狭義のマーケティングとして捉え、プロモーションだけ押さえている。

 

しかしながら、広義のマーケティングを行わなければ、集客改善は困難なのである。我々はこのような広義のマーケティングを「シン・マーケティング」という言葉で定義し、流布活動と共に改善に向けた取り組みを行っている。まさしく多くの住宅会社で求められるのは、このシン・マーケティング戦略の策定に他ならない。

 

 

ケーススタディ

 

少し概念的でわかりづらい点もあったので、ケーススタディとして見てみよう。下の図は兵庫県のA社の事例である。

 

 

A社では年間50棟販売しており、商品は高気密・高断熱で展開している。また、完成見学会を定期的に行って集客をしており、プロモーションは主にSNS広告からの来場である。このような状況下で、A社にはどのように問題があるのだろうか。下の図に沿って解説していく。

 

 

まず一つ目は、市場ニーズを見ていないことにある。下図は弊社でA社の商圏内で住宅検討層にアンケートをとったデータ結果であるが、データを見るとこの商圏では一番ニーズが高い住宅要素には「耐震性が高い住宅」との結果が出ている。

 

 

これらを踏まえた際に、他社が高気密・高断熱でやっているから自社も強化するとの考え方では、市場のニーズと合わず、マーケティングはうまくいかないケースが多い。

 

二つ目は、ベネフィット訴求ができていない点である。ベネフィットは顧客にとっての効果、効能を指す。高気密・高断熱は単なる特徴であり、ベネフィットではない。

 

 

ベネフィットは「顧客を主語にする」ことで表現できる。例えば、高気密・高断熱は「住宅を主語にした表現」であり、これは特徴でしかない。この場合、顧客を主語にすれば高気密・高断熱は「(顧客が)快適な生活を過ごせる」「(顧客が)健康になる」「(顧客が)電気代が安くなる」などのベネフィットとなる。これらベネフィットを訴求しなければ顧客に自社の強みは届かない。単に高気密・高断熱のみを打ち出しているだけではマーケティングとしては型落ちと言えるだろう。

 

また、三つ目は、集客決定要因が訴求できていないことだ。例えば、これらをUSPと表現した際、集客の決め手になる要素と契約の決め手になる要素に分けられる。

 

 

高気密・高断熱といったUSPにおいては単体での集客が難しく、「集客決定要因」にはなりにくい。アフターフォローや地域密着も同等である。これらは逆に営業時に訴求すると刺さるため「契約決定要因」と表現する。

 

この場合、デザインや低価格など、集客につながる別のUSPを集客決定要因として設定しながら、来場した際に、高気密・高断熱など契約決定要因を訴求をすることが重要なのである。

 

次に、価格戦略である。シン・マーケティングにおいて、商品戦略同様、価格戦略は非常に重要な要素であるが、多くの企業が他社の価格戦略における、初値の設定や値引きの調整などを踏まえた取り組みを行っていない。

 

A社においても、「競合がどのような価格を顧客に訴求しているのか」「初値はどれぐらいなのか」「着地金額となる終値はどれぐらいなのか」「値引きをどの程度行っているのか」などを明確にした上で、価格戦略の設定を行わなければならないのである。

 

 

最後は、ルート戦略である。ルートはモデルハウスや完成見学会、ショールームなど顧客と対面する場所を指すが、A社では高気密・高断熱を訴求しているにも関わらず、完成見学会で集客している。これでは適切にUSPを訴求できない。

 

 

高気密・高断熱というUSPであれば、宿泊体験会など、機密性・断熱性を体感できるルート設計を行うべきであり、単に完成見学会で高気密・高断熱を打ち出しているだけでは、適切な集客はできないのだ。

 

集客顧問の取り組み

 

以上、A社の取り組みをケーススタディで見てきたがここからは、弊社が集客顧問というサービスにてどのような取り組みを行うかを論じていきたい。

 

サービス内容を端的に説明すれば前述した「シン・マーケティングを再構築」に他ならない。まず下の図にあるように、本取り組みでは、まずUSPを明確にする、あるい尖らせることに重点を置く。そのために、下の図にあるような、自社分析・競合分析・顧客分析をまず行う。

 

 

また、自社分析においては、主要メンバーで自社の強みの洗い出しを行い、合わせてオーナーに座談会やインタビューを行いながら、なぜ自社で契約したのかなどインタビュー内容を分析していく。

 

 

競合分析については、実際の店舗に覆面営業員が顧客として接客を受け強みを明確化する。顧客分析については、商圏内の市場調査を行い、どのようなニーズがあるかを明確にしていく。

 

 

そして、これらを土台に、USPをブランドステートメントというツールに落とし込み、強みを明確にしながら尖らせていくのだ。

 

 

そして、最終的にこれらをプロモーションの領域に落とし込んでいくのだが、領域は下の図のように、ホームページや営業ツール・情報誌・看板・TVCM・Web広告・SNS・メルマガなど様々である。

 

 

 

ここまで設計した上でプロモーション全般に落とし込みをすることで、一貫性を持った「シン・マーケティング戦略」が出来上がるのである。

 

これらについては、1年間と時間をかけて丁寧に行っている。USPの整理とブランドステートメントの作成までを3ヶ月で行い、集客領域、営業利益を共に3ヶ月ずつ改善していく流れだ。そして、最終的に数字の上がり幅を見ながら成果測定をしていく形で進めていく。

 

 

なお、最終的な数字の改善については、下の図にあるように、様々な経営データを取りながら、集客面・営業面での数字の伸び方や課題点の分析を行っている。弊社では、このような形で、集客改善を行なっている。

 

 

なぜノウフルなのか?

 

弊社は存じ上げないが、近い取り組みを行なっているコンサル会社もあるかもしれない。しかしながら、下の図にあるように、様々な住宅サービス会社がある中で、シン・マーケティング戦略の領域を網羅している企業は少ないのではないか。下記は外部コンサル、サポート企業をカテゴリ分類したものである。

 

 

例えば、FC本部型については、FC本部のスーパーバイザーであるため、商品戦略が自社商品のみになっている。スピンアウト型は、成功住宅会社一部門のスピンアウトであるため、親会社の商品から逆算したマーケティング戦略しか構築できない。事例・視察型については、他社の事例の横流しがメインであるため、マーケティング戦略も成功事例に沿った内容でしかできない。

 

また、販促型については、ウェブ制作会社などを指すが、そもそもプロモーション領域の会社であるため、シン・マーケティング領域については全く見ない。代行型は、そもそも業務を代行するだけの会社であるため、シン・マーケティング全体を見るはずもなく、さらには自社の資産にはならない。以上のように一般的なマーケティングにそもそも触れていない、あるいは触れてはいるものの、シン・マーケティング全体にアプローチしている企業は少ない。このような中で、ノウフルの集客顧問は、4Pの観点でシン・マーケティング戦略を立案する点が他社との違いである。

 

CMOの育成

 

また、このプロジェクトには、裏ゴールが設定されている。下の図は、経営者の年代別に聞いた後継者の選定状況である。

 

 

図のように、多くの経営者には後継者が決まっていない。または決まっていても、どのような要素に期待しリーダーを選定すべきがが定まっていないケースが多い。このような中で我々は、次世代のリーダーにはCMOが重要だと考えている。

 

 

CMOとは、先ほどのマーケティングの4P戦略、つまりシン・マーケティング戦略を扱うリーダーを指すが、下の図にあるように、日本とアメリカを比較すると、日本にはCMOが1%以下との状況になっているのだ。これらは、日本の中小企業の経営者が、CMOを兼業していることで生じる問題である。そのため、今後の次世代の後継者には、CMOの要素が重要だと言えるだろう。

 

 

しかしながら、昨今の集客の責任者はプロモーションの管理に留まり、営業責任者においても商品戦略・価格戦略が弱いケースが多い。このような状況下においてシン・マーケティングの戦略構築を次世代リーダーとして構築することが本プロジェクトの裏ゴールである。

 

 

このような取り組みによって、ケースとしては営業責任者より、プロモーションに知見があるInstagramの女性担当社が次世代のリーダーになることも十分にあり得るのである。どちらにせよ従来の住宅業界は、営業力があれば経営者になれたが、次の時代は圧倒的な集客難時代が来るため、営業力ではなく集客力すなわちシン・マーケティング戦略の立案力が必要と言えるだろう。

 

最後に

 

以上、集客顧問®についてご紹介したが、前半で解説した業界市況に関しては、いささかマクロ要素が強く、ピンとこない方も多いかもしれない。

 

茹でガエルの法則という言葉をご存じだろうか。「カエルは、いきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出すが、常温の水に入れて徐々に水温を上げていくと逃げ出すタイミングを失い、最後には死んでしまう…」

 

 

分譲住宅は別だが、注文住宅事業は受注生産型であり、在庫を抱えない。つまり、人件費を中心として固定費を下げていけば、企業として食いつなぐことができる。現に、コロナ禍に販売棟数を大幅に下げたものの、人件費を中心に固定費を下げたことで生きながらえた企業は多いのではないか。

 

しかし、そのような応急処置を続けるだけであれば、いつか茹でガエルのように生き残るタイミングを失ってしまうであろう。今こそ抜本的にシン・マーケティング戦略の観点で事業を見直し、集客を復活させることで、今後に向けた生き残りを目指していただきたい。

 

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