本章では、「ノウフルについて」でお伝えした「シンマーケティング」において、販路・商品(ブランディング)における考え方を論じる。

では本日の目次を示そう。
はじめに
まずはじめに下の図をご覧いただきたい。現状、住宅業界は倒産件数が増えており、直近では過去最多を更新しているような状況である。

こうした背景には、分譲住宅や注文住宅を中心としたサービス供給の過多が慢性的に続いている点が挙げられる。このような状況下で住宅会社が持続的に成長していくためには、集客の強化が不可欠となる。当然ながら、人材採用や組織戦略も非常に重要ではあるが、来場・問い合わせがなければ事業の維持は困難である。
その上で、集客には三つのポイントが存在する。まずは販促といわれるWEB広告やSNS・自社のホームページなどの強化である。ただし、一般的にマーケティングはここの販促領域のみを指すケースが多いが、それは大きな間違いだ。本来マーケティングは、それだけではなく、商品戦略(ブランディング)・販路戦略も大事になる。これら三つを総称したものが、いわゆる「シンマーケティング」と位置づけられる。

これらを図解で説明してみよう。販促は、自社を認知してもらって来場や問い合わせへとつなげる入口の役割を担う。オフラインとは、チラシなどを指し、PR・プレスリリース・ホームページ・SNSなど、顧客とのタッチポイントをしっかりと最大化していくことである。

一方、販路はモデルハウス見学や完成見学会、相談会など、さまざまな来場を促す出口戦略となる。さらに商品(ブランディング)においては、自社の強みや選ばれる理由を明確化し、それらをしっかりと市場に発信していくことを指す。
この集客バンバン道場では、特に商品(ブランディング)という領域に焦点を当てて説明を進める。
フックの重要性
まず「ギア議論」について、簡単に説明する。ギアとは、腕時計などに用いられる歯車のようなものであり、一つでも止まると全体が機能しなくなる特性を持つ。これは住宅業界のイベントにおいても同様である。住宅イベントにおけるギアは、下の図に示す「フック」「チャネル」「コスト」「クリエイティブ」の4つである。

これらのいずれか一つでも機能しなくなると、来場につながらないケースが多い。そのうえで、今回は「フック」について詳しく解説する。まず、下の図をご覧いただきたい。

これは、25組の新規顧客が来場したチラシであるが、どの点が集客のポイントとなったのだろうか。単に原稿の内容が良かったというわけではなく、フックが機能したことが要因である。下の図は、新築住宅の着工棟数と平屋の割合の推移を示したものである。

着工棟数は減少している一方で、平屋の割合は15.3%と、約6軒に1軒が平屋となるなど高い人気を示している。また、下の図は国勢調査のデータであり、世帯人員別に見た一般世帯数の推移を示したものである。日本では、全世帯の80%以上が3人以下で構成されている。

つまり、従来の主力市場であった4人世帯は大きく減少している。下の図のように、賃貸と比較をしている一人暮らし層・子供を産まないという意思決定をした夫婦層・30坪以上は大きすぎる子供一人層・子供が巣立った二次取得者層などが、新たな主力市場となっているのである。

つまり、先ほどのチラシでは「2人暮らしの平屋の家」がフックとなっており、それが現在の市場ニーズにマッチしているのである。近年は「ゼロLDKの平屋」などが注目を集めていることからも分かるように、若い世代を中心にコンパクトな平屋住宅の人気が高まっている。

その背景には、Z世代の多くがミニマリスト的な志向を持ち、そもそも収納を必要とするほど物を持たない傾向があることが挙げられる。

また、社会的にもIOT革命により、ビデオカメラや電卓といったツールがスマートフォンに集約されていることを踏まえると、そもそも二階建て住宅の容量自体がオーバースペックな状態にあると言える。

しかし、コンパクトな平屋住宅の需要が高まっているにもかかわらず、依然として二階建てを主軸に展開するプレイヤーは多く、市場はレッドオーシャンの状態にある。一方で、「コンパクト×平屋」という領域はブルーオーシャンであり、フックとして打ち出すことで有効な集客が期待できる。

フックの具体例
これは「コンパクト」や「平屋」に限った話ではない。例えば、下の図に示すように、国内のペット関連市場はコロナ禍以降、拡大傾向にある。

それを踏まえると、一般的な二階建ての完成見学会においても、「ドッグランができる見学会」といった打ち出しを行うことで、来場者数の増加が期待できる。

また、平屋ではないものの、二階を子ども部屋として使用し、独立後は物置として活用する「平屋風二世帯住宅」なども、集客が好調である。

このように、集客施策においては、どのようなフックを設定するかが非常に重要となる。下の図は、フックの一例を示したものである。

このように、さまざまなフックを設定することで、集客を増やすことが可能となる。具体的には、「ペット共生」や「ゴルフシミュレーター」などが挙げられる。
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