今回は、前回に引き続き紹介受注の増やし方のノウハウについて、見ていきたい。前回までは、「誰に紹介をもらうのか」「どのように紹介をもらうのか」について触れてきた。

 

 

今回は、「どこで紹介をもらうのか」という観点について触れてみたい。

 

では本日の目次を示そう。

 

 

紹介を生む見学会の再設計

 

下の図をご覧いただきたい。この図はどこで紹介をもらうのかという場所を示したものである。こちらについて順番に見ていこう。

 

 

まず一つ目が、見学会である。見学会は、従来は新規の集客を目的とする場所だったが、紹介を増やす機会としても活用できる。例えば、紹介を得るためにオーナーに対応してもらう場合も、実際に見学会を通じて知人を招いてもらう施策は有効である。

 

またそれだけではなく、完成見学会に業者を招き、そこから紹介を得ることも可能である。業者や協力業者の中には、美装屋以外は完成物件を見ていないというケースが多い。そこで、例えば完成見学会を平日午後の予約制で業者向けに開催をする。それだけでも、実際に完成物件を見たい業者が来場し、そこから紹介が生まれる。

 

 

さらに、自分たちの仕事に誇りを持つことができ、それが結果的に紹介につながる場合もある。実際に、秋田県の住宅会社では招待した250社の業者のうち20~25組が来場し、紹介が10件ほど発生した。このように、オーナーや業者向けの見学会を紹介促進の目的で活用し、紹介につなげる取り組みは、非常に有益なのである。

 

二つ目は、オーナーズクラブである。オーナーズクラブは、オーナー専用のサイトやプラットフォームを作るという考え方である。一般的にウェブサイト型・アプリ型・LINE型というものがあるが、ウェブサイト型やアプリ型はログインされなくなるという問題が付きまとうため、LINE型で構築するのが好ましい。

 

 

LINEにおいては、今や60代のほとんども利用していることから、非常に有益な施策である。

 

 

まず、下の図のようなオーナーズクラブのアカウントを開設したことをDMで案内し、登録を促進する。

 

 

メンテナンスなどのやり取りもこのアカウントで行うことを告知すれば、必要性を感じたオーナーは高い割合で登録してくれる。このように囲い込みを行った上で、お友達紹介キャンペーンのバナーをオーナーが転送することなどで、紹介を増やすことができる。

 

 

また、下の図にあるようにリフォームなどのキャンペーンをオーナー向けに配信する取り組みを行うことで、リフォームの紹介受注も増やすことができる。

 

 

メンテナンスの日程調整なども、はがきや電話のようなアナログなやり方ではなく、グーグルカレンダーと連動させた予約可能日程をLINEで送ることにより、自動で日程調整が可能となる。

 

 

LINEのリッチメニュー機能を利用すると、下の図のように、「お友達の紹介制度」や「住まいのメンテナンス情報」などを掲載・発信することで、比較的アクティブに使ってもらいやすくなる。

 

 

そして下の図のように、どのような案内をどのタイミングで行うかというところと、クリック率などを計測して分析することによって、より効果的な運用が可能となる。

 

 

 

アンバサダー育成で紹介を自走化

 

三つ目は、ファンミーティングと業者会である。まずファンミーティングについて説明する。オーナーズクラブを活用しているのに紹介が増えない場合には、ファンミーティングの実施が有効である。

 

 

もともと、人間の属性は「デジタル村」と「アナログ村」に大きく分かれると考えるとわかりやすい。比較的高齢の方々はアナログ村に属し、若い方はデジタル村に属している。その中で、LINEなどを活用したオーナーとのコミュニケーションはデジタル村の人には有効だが、アナログ村の人にはあまり向かない。アナログ村の人には、ファンミーティングなどリアルな場でのコミュニケーションがポイントである。

 

実際に、下の図のように午前中に紹介キャンペーンなどの取り組みを説明し、二部ではランチ会を開催するという形でアプローチすると、「アンバサダー」という属性の人たちを増やすことができる。

 

 

アンバサダーとは、非常にロイヤリティの高いオーナーを指す。彼らが協力してくれれば、クロージング客への対応や、入居宅にて生の声を伝えてもらうことが可能になる。

 

 

また、子育て世代などの場合は、商品開発のサポートにも協力してくれる。アンバサダーが増えれば、紹介だけでなく、営業代行や、口コミ、商品開発など、マーケティングのさまざまな側面で役立てることができる。このような取り組みは、業者に対しても有効である。業者会を協力業者から紹介を得る場として活用し、紹介を増やしていく。

 

 

下の図は、業者会を行った後、懇親会などで営業が積極的に紹介依頼を行うことで、業者からの紹介を増やすことに成功した例である。このように、業者会においてもオーナーのファンミーティングと同様に、リアルな場で紹介をもらうという接点が有効である。

 

 

四つ目は、個人のSNSアカウントである。例えばアンバサダーにインスタグラムのアカウントを作ってもらい、そこで自社サービスを案内してもらうのである。ボランティアではなく、紹介1件ごとに紹介キャンペーンを適用し、10万円、数十万円といった金銭的報酬を提供する仕組みにすることで、アンバサダーとしての活動を促進できる。

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