多くの住宅関連企業(工務店)でWEB広告の強化をされていることと思います。一方でなかなか短期的な数字効果が見えない、あるいはそもそも反響が増えないなどもお悩みをお持ちではないでしょうか。
こちらはある経営者の悩みです。
最近、WEB広告が大事だってそこらじゅうで言われているな・・・。
実際にインターネット系広告と普通の広告の比率が逆転したらしいし・・・。
確かにFacebookやInstagramをやっていても住宅会社の広告が凄い増えたもんな・・・。
でもチラシは分かるけどWEB広告はよく分からないな・・・。
業者さんと話をしても横文字ばかりでチンプンカンプンだしレポートを見せられても暗号ばかり並んでるし・・・。
手綱を握らないといけないのは分かるけど難しいよな。。。
このように、WEB広告によって反響が増えないという点においては、どのような施策を行えばいいのでしょうか。
ここでは認知度を獲得するという視点で、WEB広告の施策について触れてみたいと思います。
では本日の目次をお示しいたします。
目次
住宅業界の集客構造におけるWEB広告の位置付け
まず住宅業界の集客全体について触れてみたいと思います。集客構造には大きく「媒体』「販売ルート」「企画」が存在します。媒体は販売ルートにどのような手法で来場・アポにつなげるか、を指します。販売ルートは展示場や見学会・店舗など見込み客と対面接点を持つ場所を指します。また、企画は販売ルートに呼び込む為にどのような企画を行うかを指します。
企画に示している物件案内は展示場であれ見学会であれその物件を紹介するという意味合いになります。物件案内以外にも相談会やセミナー、ワークショップなど様々な企画が行われています。近年ではこの企画自体がオンライン化されつつあります。今回のテーマになるWEB広告はまさにこの媒体における③に位置づけられます。その中でも、WEB広告はホームページに見込み客を呼ぶ為の施策と捉えてください。
そして、WEB広告に関しては、下の図のような流れで広告設計から運用を行うことが重要とされています。
こちらについては、別の記事に詳しいので、併せてご覧ください。
WEB広告における反響の定義
まず内容に入る前に、住宅業界の集客について触れてみたいと思います。
そもそも、WEB広告の反響はどのようなものがあるでしょうか。まず、WEB広告における反響は、下図のようなパターンがあります。
まず、資料請求や会員登録・問い合わせなど、来場にやアポに繋がっていない熱の低い反響をリード反響といいます。そして来場やアポイントに繋がっている反響を誘致反響といいます。まず、WEB広告の戦略においては、どちらを狙うかを明確にする必要があります。
下の図に示している通り、リード反響については1反響あたり2万円が相場と言われています。そしてイベント予約などの誘致反響については、1反響あたり4万円が相場と言われています。なお、チラシと比較しても比較的安く運用が出来る点がWEB広告のポイントです。
そしてこの2つの反響とは別にもう一つ指標があります。それは認知度です。そもそも、集客においては反響を獲得すればそれでいいか、といえばそうではありません。ここからはこの認知度という指標について深堀りしていきたいと思います。
認知度施策における正しい考え方
下の図をご覧ください。下の図は、チラシや看板、テレビCMなどの見込み客へのアプローチを図にしたものです。
当然ながら反響を獲得するという考え方は直接的な集客の目的ではありますが、長期的な視点で見れば、看板やチラシ、テレビCMなどによって、自社を知ってもらうという副次的な狙いが、最終的に反響として積み上がっていくことを押さえる必要があります。
ですから、単に集客は反響を獲得するものだ、という捉え方に終始するのではなく、認知度を獲得するという点も押さえることが重要なのです。
そして最初に示した通り、認知度はテレビCMであれば何回放映されたか、チラシは何人の手元に届いたかなどの言わば「到達数」が重要な指標になります。
WEB広告の場合は「表示回数」という指標で判断され、だいたい1回表示あたり3円が相場と言われています。チラシは、だいたい5円が相場と言われていますのでWEB広告の方が効果的と言えるでしょう。
では、認知強化については、本当に効果があるのでしょうか。まず下の図をご覧ください。
こちらの図は、ブランディングを行う際に目指す2つの指標になります。一つ目が、ブランド再認と言い、自社ブランドを見込み客が見た際に「あの会社知ってる」と思ってもらえる数を言います。そしてそろそろ家が欲しいなと思ったタイミングで、自社のブランドを思い出してもらうことをブランド再生と言います。
認知度という観点においては、このブランド再認とブランド再生を獲得することが重要になります。
例えば下の図をご覧ください。住宅の見込み客は常に住宅を検討しているわけではありません。下の図で言えば、折込を見たとき、あるいはCMを見たとき、または新築の魅力を感じたときなどに検討の熱が上がり、検討を始めるようになります。
この観点で言えば、いかに検討熱が高まったときに自社を思い出してもらえるか(ブランド再生)、が非常に重要になります。以上を踏まえると認知度を高めることがいかに重要な施策かお分かりでしょう。
また、下の図をご覧ください。こちらはダブルジョパティの法則と言われるものですが、端的に言えば「購入頻度とブランド認知度は相関する」ことを示しています。
以上を踏まえると集客において単に反響を取るだけではなく、認知度(知名度)を獲得するということが重要だとお分かりでしょう。
ですから、自社のブランドを下の図のように様々な媒体で発信することで長期的には自社の認知度を上げ、反響を獲得するという考え方が重要になります。
WEB広告と認知度施策は相性が良い2つの理由
その認知度強化についてですが、二つの観点でWEB広告と相性が良いと言われています。順に説明をしています。
一つ目が、WEB広告は、誰に広告を配信するかということが明確に決めることが出来る点です。例えば、従来の広告、例えばテレビCMやラジオCMは特定のターゲットに広告を配信するということが出来ませんでした。もちろんチャンネル、広告枠といった観点である程度ターゲットを絞ることは出来ますが、非常に粗い粒度で止まってしまいます。
一方で、WEB広告は誰に出向するかということが明確に決めることが出来ます。下の図は、WEB広告をどのようなターゲットに配信するかを一覧にした図になります。
例えば類似性という観点で言うと、自社のホームページに来ている人と特徴が似ている人のみに配信することが出来ます。自社の関わりで言えば、サイトに訪問してもらった人のみに配信する、あるいは自社が保有している顧客に配信するなどの絞り込みが出来ます。
また、属性については、年齢や性別、居住地、年収、子供の有無などの観点で絞り込みが可能になります。関心事項もアウトドア・スポーツ・住宅購入などの絞り込みが出来ますので、そのような観点からも認知度施策を行うよりは非常に効率の良い配信が可能になります。
こちらについては下記にて詳しく解説しているので併せてご覧ください。
二つ目が、まだ先客との相性が良いということです。下の図は、WEB広告を配信する施策をまとめたものです。
検索広告と媒体広告がありますが、中でも媒体広告と認知度施策の相性が非常に良いと言われています。というのも、下図のように検索広告は今すぐ客を対象としている一方で、媒体広告はまだ先客に配信するので、比較的認知効果を獲得しやすいからです。
実際に媒体媒体は下図に記載している通り、テレビCMで言えば、フジテレビ・TBS・日テレなどのキー局において、どこに広告を配信するかという考え方と非常に似ております。
なお、こちらについては下記の記事で詳しく解説しているので併せてご覧ください。
WEB広告での認知度強化施策成功事例
ここからは実際のWEB広告を活用した認知施策の成功事例をお伝えします。
ある住宅関連企業(工務店)で下図にあるように、「自社のブランドを前面に打ち出したバナー広告」を配信するといった施策を行いました。設定としては、商圏内のユーザーにつき、だいたい下の図のような広告を8回配信するといった設定です。
実施結果は下図になります。
最初の6ヶ月はアクセスが10倍と大幅に増加しましたが、あくまで反響ではなく認知を狙う広告ですので広告自体は自社のブランドをアピールした内容です。当然ながら反響は発生しません。
しかし、半年が経ったタイミングでエリア内の認知度が浸透し、最終的に社名検索での反響が大幅に増加しました。まず長期的な視野で認知を獲得し、半年以上経過したタイミングで反響につなげる流れが認知度強化施策においての勝ちパターンだと言えます。
下の設計シートにも記載している通り、目的を認知度とした際、施策とバナー広告の相性が良く、反響ではなくブランディングの観点で企業ブランドのみを訴求することで長期的な自然検索につなげるといった事前設計が必要になります。
なお、シートの活用方法はこちらの記事で詳しく解説しているので併せてご覧ください。
本日のまとめ
改めて、本日のまとめをお示しいたします。
WEB広告における反響にはリード反響と誘致反響がある
それぞれで反響にかけるコストが違う
同時に認知度という指標でも計測することが重要である
WEB広告と認知度施策は2つの理由で相性が良い
成功事例を踏まえて施策を行うことで圧倒的成果を創出することが出来る
以上、本日は、WEB広告を活用した認知度向上施策について触れて、行きました。タイトルに示したとおり、多くの住宅関連企業(工務店)がこのような長期的な視点で広告運用を行っていないので、この取り組みは穴場的な施策になります。是非この観点で積極的に取組みを行いましょう。