今回は、LINEを活用した紹介活動で紹介獲得数が前年対比2倍になった埼玉県F社の事例についてご紹介します。

 

F社は、埼玉県で注文住宅事業を営んでいる企業です。業界でも早い時期から定額フル装備の自由設計を展開し、若年一次取得者層を獲得して開拓してきました。

 

ローコストビルダーの激戦区、埼玉県を本拠地として、関東1都6県にエリアを広げており、棟数も1000棟近く販売しており、非常に勢いのある企業です。

 

 

ここからは、F社がどのようにしてLINEを活用した紹介活動で紹介獲得数を前年対比2倍にしたのかをご説明します。

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

当初の課題

 

下の図は、F社が抱えていた課題と目標、ギャップを埋めるための対策を記した図です。順に説明します。

 

 

元々F社は、二つの課題を抱えていました。一つ目は、日々行っている紹介活動自体がアナログであり、効率化されていない点です。紹介キャンペーンや紹介カードなどを顧客向けに行っていましたが、あくまでアナログなアプローチに留まっており、20代・30代を中心としたデジタル世代には効果性の低い取り組みでした。

 

二つ目に、そもそも顧客が友人とリアルでの接点を持てないという点がありました。コロナ禍によって顧客が友人とリアルで接点を持つ頻度が減少し、結果として紹介活動につながらないといった状況でした。

 

このような背景から、F社は二つの方向性を打ち出しました。一つ目は、紹介活動をデジタル化により効率化させることです。現状のアナログ施策と合わせてデジタル施策を紹介活動に取り込むことで、紹介比率を高めることを目指しました。

 

また、デジタル領域を強化する副次効果として、紹介からの契約数を増加させるという方向性も打ち出しました。その上で「LINEを活用した紹介活動」に解決策を見いだしました。

 

ここで改めて、紹介活動が求められる理由をお伝えします。

 

 

一つ目が集客効率です。紹介活動には来場コストというものが発生しませんので、非常に集客効率が良くなります。二つ目に営業効率です。信頼・信用性がある程度担保されているという観点で契約歩留まりが上がります。実際に、一般的な住宅業界の契約率は10%と言われていますが、紹介からの契約の場合は、3倍の30%と言われています。

 

三つ目に、業務生産性です。信頼獲得などのセールスステップが短縮されますので、業務生産性が非常に高くなります。四つ目に顧客満足です。紹介先が満足すると、OBである紹介元も満足するという観点において、顧客満足とダイレクトに直結する取り組みと言えます。

 

五つ目に、社員満足です。当然ながら前述したOBの満足によって社員の満足も高まりますので、紹介活動は社員満足も高めることができる活動と言えます。六つ目に利益率です。利益率に関しては、値引き合戦になりづらいという観点において非常に良い効果をもたらします。

 

また、下の図をご覧ください。「信頼できる情報源」について消費者にアンケートを採ったデータです。

 

 

ご覧いただくと、信頼できる情報源は「知人からの推奨」が圧倒的であることがお分かりかと思います。まさに紹介活動の価値を表していると言えるでしょう。また、次点で「インターネット上の消費者の意見」とありますが、共通して言えるのは、あくまで「第三者からの評価」が信頼に値するということでしょう。

 

ここからは、F社の実際の取り組みについて見ていきます。

 

F社の取り組み

 

まず、下の図をご覧ください。こちらは、F社が構築した「LINEを活用した紹介獲得体制」です。まず、店舗であれ自宅であれ、OB顧客がQRコードを読み込むと、LINEに招待状が自動で送られます。

 

次に、OB顧客のスマートフォンに表示される「招待状を送る」をクリックすると、友だち選択画面になります。ここから友人を選んで送信すると、特定の友人にクオカード3000円キャンペーン付きの来店予約ボタンが表示されます。そこから友人の来店につながればクオカード3000円をプレゼントするという流れになります。

 

 

次に、友人のスマホ画面を見てみましょう。OBからLINEに「招待状」が届きます。招待状には「来店すれば3000円のクオカードプレゼント」と表示され、それを見た友人が来店予約をすると来店につながるという流れになっています。当然、反響のレベルに合わせてクオカードの金額を上げれば反響が増えていくという考え方になります。

 

 

加えて、F社ではキャンペーンの分類もしました。下の図のように、単に紹介来店の場合はクオカード3000円、面談同席の場合は1万円、そして、成約した場合は10万円(友人は30万円オプション)と双方にメリットがある体制にしました。

 

 

また、LINEを活用した取り組みの副次効果として「データの取得」があります。誰がいつどのように紹介につながったかがデータ化されますので、さまざまな分析を行うことができます。

 

一つ目が、満足度と紹介の相関です。満足度が高ければ紹介が増えるといった相関データを図にして分析することができます。

 

二つ目が、紹介経由からの売り上げです。紹介から契約につながったOBがどれくらい売り上げや利益に貢献したか、というデータが可視化されます。

 

三つ目が、ファンランキングです。紹介をした数などを計測することで、自社のファン度を可視化することが可能です。

 

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