今回は、ポータルサイトからの来場率を6倍にまで増加させた大阪府のR社の事例をご紹介します。

 

R社は、大阪市を中心に建売住宅を販売している会社です。別法人で販売会社を擁しており、2社体制で近年、棟数を大幅に拡大しています。

 

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

当初の課題

 

R社は、元々「新規契約数を増加させたい」と考えており、その上で集客の量と質に着目していました。どのようにすれば契約数が増えるかについて集客データを踏まえて社内の取り組みなどを分析しました。その結果、大きな伸びしろがあったのが「ポータルサイトの反響」でした。

 

 

ポータルサイトの反響は年間数百件に上りましたが、来場にはほとんどつながっていませんでした。また、前提が相見積もりであることから、案件の質が低く、ポータルサイト反響は一般反響に比べ契約率が低い傾向にありました。このような背景から「ポータルサイト反響の来場スキームを構築する」ことに解決策を見いだしました。

 

ここで押さえておくべきことが「反響の定義」です。一般的に反響には2種類あります。一つ目が「リード反響」と呼ばれるもので、資料請求や会員登録、問い合わせを指します。二つ目が「誘致反響」と呼ばれるもので、来場やアポイントを指します。今回の反響は、リード反響、中でも資料請求を対象として考えていきます。

 

 

この前提を押さえた上で、R社の取り組みについて見ていきましょう。

 

R社の取り組み

 

そもそもリード反響に関しては大きく二つあることを押さえてください。一つ目が「ホットリード」と呼ばれる比較的熱が高いリードです。反響からおよそ1ヶ月以内のリードを指します。二つ目が「コールドリード」と呼ばれる熱感が低いリードです。一般的には反響1ヶ月以降のリードを指します。

 

 

非常に重要なポイントとして、このホットリードとコールドリードは、それぞれで対応する担当と内容が違います。次の図をご覧ください。ホットリードについては、比較的熱が高いため、「営業部」が「電話を中心」に「タイミングを見て」行うということが重要です。

 

中でも、ホットリードは専任の担当者を付けることが重要です。多くの住宅会社で、ポータル反響に関して「営業の持ち回り」といったケースが見られますが、それだとアポイントノウハウが蓄積されませんし、営業活動が多忙で必ず対応の抜け・漏れが生じます。ホットリードは必ず専任で対応するようにしましょう。

 

一方、コールドリードについては、「企画部」が「メールを中心」に「頻度を意識して」行うことが重要です。コールドリードは一度引き上げに失敗した案件なので、一件一件対応すると非常に効率が悪いと言えます。ですから、メルマガやステップメールなどを活用して効率的にフォローをしていくといった割り切り方が重要です。

 

こちらの考え方を図にすると下のようになります。ホットリードとして1ヶ月間は「専任の営業担当が電話でアポイント活動」を行います(図で言うCランク)。そして、アポイントにつながれば、営業案件に格上げされます(図で言うA・Bランク)。そして、誘致につながらなかった場合は、コールドリードとして企画担当がDMやメール、メルマガを送るように対応します(図で言うDランク)。

 

 

Dランクは状況に応じて、マーケティングオートメーションを活用することも有用です。マーケティングオートメーションは、端的に言えば先ほどのDランクの活動履歴を見てCランクに振り戻す活動を指します。

 

 

上図のようにDランクに対して活動を点数化します。そして、ある一定ラインを超えるとCランクとして営業部に案件を振り戻す体制を構築するのです。このように、マーケティングオートメーションを活用しながら、ホットリードとコールドリードの全体設計を行うことが非常に重要です。

 

ここからは、ホットリードとコールドリードの具体的な対応策について見ていきます。まず、ホットリードについて見てみましょう。ホットリードについては、電話を中心としながらもメール、最近ではSMSを活用してアプローチする傾向が多いと思われます。その中でも必ず電話を行うようにしましょう。

 

下図はホットリードに対する対応方法と来場率を表にしたものですが、圧倒的に電話がアポイントにつなげやすい傾向にあります。

 

 

では、どのように電話を中心にアポイントにつなげるのでしょうか。ここからは三つの考え方に沿って見ていきます。まず一つ目が発信方法です。次の図は「電話数」と「接触数」をグラフにしたものです。統計的には、5回電話すると見込み客にはつながるので、5回を目処にアプローチをすることが大事です。

 

 

 

併せて、電話だけではなくメールやSMSも活用しながらアプローチを行うことが重要です。電話がつながらなかった場合は、電話で伝えたかった内容をメールやSMSで伝えるといったアプローチも有効です。電話を中心にさまざまな手法を抱き合わせで活用するようにしましょう。

 

 

二つ目が発信内容です。どのような内容を発信するのかについては、「自己開示」「メリット訴求」「選択肢の拡大」の三つがポイントとしてあります。順に説明します。

 

まず、自己開示です。対面だけでなくメールや電話においても、相手の素性が分からなければ人は警戒します。自己紹介などのコンテンツを用意することで警戒心を解除することが重要です。次の図のように、自己紹介をYouTubeにアップしてSMSやメールで知らせ、自己開示を行いましょう。

 

 

これは単純接触の法則という考えに則っています。単純接触の法則とは、対面回数が増えれば好感を持ちやすくなるという法則で、それを動画で併用しているといった考え方です。

 

次に、メリット訴求です。アポであれ来場であれ、「どのようなメリットがあるのか」を訴求することが重要です。相手が「アクションを起こしたい!」と思うような訴求を行いましょう。

 

最後に、選択肢の拡大です。アポや来場においては、実際に来場してもらうだけでなく、オンラインでの実施などの選択肢も必要です。

 

また、顧客によっては時間が取れないケースも多いため、オンラインで20分ほど時間をいただくなどの選択肢を工夫することも重要です。具体的には、下の図のようなアプローチが望ましいでしょう。店舗来場に向けたメリットを訴求する、あるいはオンラインや短時間などの選択肢を増やすといった取り組みですね。このような取り組みによって来場につなげやすくすることが重要です。

 

 

発信内容については以上です。続いてのポイントは「発信頻度・タイミング」です。ホットリードは熱感が高いため、比較的、即時対応が望ましいとされています。先ほど述べたように、コールドリードの場合は質より量が求められますが、ホットリードの場合は即時対応、つまり質の良い対応が求められます。

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