今回は、圧倒的ファン化ホームページにより反響数を月間30倍にした兵庫県K社の事例を見ていきます。まずK社の概要を簡単に紹介します。兵庫県を中心に注文住宅を販売する企業で、近年は建売住宅の販売も強化しています。
では本日の目次をお示しいたします。
当初の課題
下図はK社が抱えていた課題と目標、ギャップを埋めるための対策を記した図です。順に説明します。
K社では、元々ホームページの反響が少ないといった課題点がありました。ホームページも何度かリニューアルしているのですが、経営者の好みのデザインにこだわりすぎて、反響が取れるホームページにはなっていませんでした。そこで、K社では、反響獲得型のホームページへの刷新を試みることにしました。
K社の取り組み
K社の取り組みを見ていく前に、反響を獲得するホームページとはどのようなものなのかについて簡単に見ていきます。次の図は弊社で調査したデータですが、結論から言えば「ホームページにリピート(再度アクセス)する率を上げれば上げるほど反響率が高まる」という調査結果が出ました。
なぜそのような調査結果が出るのでしょうか。次の図をご覧ください。この図は各業界における押さえるべき指標を表したものです。小売りやアパレル、つまりアマゾンやZOZOTOWNなどは、購買活動が即決になるため、PV(ページビュー)数、つまりページを見られた数が重要になります。
一方で、単価の高い自動車や住宅は慎重なユーザーが増えるため、1回で即決することはありません。「何度もホームページに来てもらいファン化することで反響につなげる」という考え方が重要です。では、どのようにして「リピート率」を上げていくのでしょうか。下の図をご覧ください。
住宅会社のホームページを見てもらう上では「①会社が魅力的か」「②商品が魅力的か」「③人が魅力的か」「④オファー(郵送資料)やイベントは魅力的か」「⑤反響しやすいか」という五つの観点で魅力度を上げることが重要です。
まさに五つの観点においてユーザーから「5回の面接」を受けていると考えると分かりやすいでしょう。ここからは、K社がこの五つの観点についてどのように改善活動を行い、成果を創出したかについて見ていきます。
①会社が魅力的か
まず一つ目の「会社が魅力的か」について見ていきます。この観点についてはUSPという考え方が重要です。USPとは「自社の得意分野の中で顧客のニーズを満たし、かつ競合が参入できない領域」を指します。そもそもUSPがずれてしまっていると、顧客が自社の差別化要素に関心を持ってくれない、あるいは競合が自社の差別化要素より勝っている状態になり、反響につなげることはできません。
優秀企業のUSPの事例です。エサキホームの「5LDKの間取り」やセルコホームの「カナダ輸入住宅」、パパママハウスの「家事・子育て・収納」などのようにUSPを尖らせることが、ホームページの反響強化の第一歩になります。
では、K社はどのようにUSPを尖らせ、ホームページで訴求したのでしょうか。K社のUSPについて市場分析を行った結果、「地震に強いローコスト住宅」であることが明確になりました。ですから、ホームページでも「年収300万円台からの夢づくり。強い×安いの安心住宅」といった形でわかりやすくUSPを全面に訴求しました。
加えて、その根拠となる要素も丁寧に説明をしています。例えば、低価格へのこだわりにおいては「なぜ低価格なのか」という観点で、「モデルハウスを作らない」「海外企業との連携」「生産工学によるコストダウン体制」という三つの根拠をしっかり説明することによって、USPをより際立たせています。このようにUSPを明確にし、ホームページで打ち出すことにより、他社に負けない反響数を確保することができます。
②商品が魅力的か
次に、二つ目の「商品が魅力的か」について見ていきます。この観点では「商品の定義」を押さえることが重要です。一般的に住宅会社においては、商品ページが商品をPRするコンテンツだと考えられがちですが、ユーザーは商品ページではなく施工事例ページで商品の良さを判断します。
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