今回は、テレビCMからYouTube広告に切り替えることで反響数を1・3倍にした埼玉県のK社について見ていきます。まず、K社について簡単に説明をいたします。K社は埼玉県を中心に展開している注文住宅企業で、総合展示場に数多く出店し、地域密着で展開しているためエリア認知度が高い会社です。

 

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

当初の課題

 

下の図は、K社が抱えていた課題と目標、ギャップを埋めるための対策を記した図です。順に説明します。

 

 

K社は元々テレビCMを活用して総合展示場に来てもらう、といった集客構造を展開していました。しかしながら、テレビCMの費用対効果が年々低下してきており、広告宣伝費の効果を最大化したいと考えていました。その上でK社では、テレビCMをYouTube広告に切り替えることを打開策としました。

 

この背景には、動画市場とWEB広告市場の規模の拡大があります。下の図をご覧ください。こちらは動画広告市場の規模推計です。動画広告の市場は年々増加傾向にあり、2023年には5000億円を超える市場になると予測されています。このような観点から、K社は動画広告を行うことに踏み切ったのです。

 

 

それだけではありません。下の図をご覧ください。こちらはテレビ広告とネット広告の費用を比較したものですが、2019年の時点で既にテレビ広告をネット広告が追い抜く形になっています。動画広告はネット広告のひとつという位置付けになりますので、テレビ広告よりも動画広告が時代に適していると判断し、K社は動画広告を行うことにしたのです。

 

 

K社の取り組み

 

ここからは、K社がどのように動画広告で成果を出したのかを見ていきます。まず下の図をご覧ください。チラシであれ、WEB広告であれ、テレビCMであれ、広告出稿において行うフローは変わらずこの図のようになります。

 

 

 

まず「目的の明確化」が重要です。見学会で言えば「来場数10件を目標にしよう」といった考え方ですね。併せて「ペルソナの明確化」が必要です。チラシで言えば「30代の女性をターゲットにしよう」といった考え方になります。そして「配信設計」が重要になります。

 

配信設計は「どのエリアに出稿するのか」「どのチャンネルに出稿するのか」「どのような内容で出稿するのか」「いつ出稿するのか」といった四つのポイントが非常に重要です。これらを正しく設計した上で、必要に応じて社外に運用を依頼する流れとなります。重要な点は、あくまで設計段階の三つのフローは社内で行うということです。

 

ここからは、この三つのフローをより詳しく見ていきます。

 

目的を明確にする

最初に、一つ目の「目的の明確化」から見ていきましょう。YouTube動画については、特に「どのような目的を設計するか」が非常に重要です。まず反響については、下の図のようにリード反響と誘致反響があります。リード反響は「資料請求」「会員登録」「問い合わせ」などを指し、誘致反響は「来場」や「アポイント」などを指します。

 

 

 

下の図にあるように、リード反響についてはおよそ1件あたり2万円が業界相場です。そして誘致反響については、およそ4万円が業界相場になっています。

 

 

なお、これはオンライン(ネット)広告での指標になりますので、オフラインのチラシなどで言えば、効果が落ちている点も加味して2倍にあたる8万円が業界相場になります。また、この「リード反響」と「誘致反響」のどちらを獲得することが目的なのかによって手法が大きく分かれます。

 

それだけではありません。リード反響と誘致反響は、どちらもあくまで反響を獲得することが目的ですが、テレビCMのように「反響よりも認知を獲得する」というケースがあります。

 

この場合、さらに手法が変わってきます。そして、You Tube広告もまさにこの「認知を目的とする手法」になります。なお、認知広告の相場に関して、効果計測は「反響」ではなく「表示数」になります。端的に言えば「何件反響が来たか」ではなく「何人に見られたか」ですね。相場については、WEB広告の場合は1回3円、テレビCMの場合は1回5円です。

 

 

 

この認知目的の広告は即効性はありませんが、ボディブローのようにじわじわ効いてくる、とても有効な広告手法です。短期的に反響につながらなくても、自社を知った見込み客がいずれタイミングを見て来場してくれます。

 

次の図は、ダブルジョパディの法則と言われている、認知度と購入頻度における相関を表したものです。ご覧の通り、「エリア内での認知度が高ければ高いほど契約につながる」学説として証明されており、認知度があれば売り上げが上がるということはお分かりいただけると思います。

 

 

 

以上を踏まえて、K社ではYou Tube動画について「認知を目的として」「1回3円」を目指すという形で目的の明確化を行いました。

 

ペルソナの明確化

続いては「ペルソナの明確化」です。下の図は、ファッション誌における男性誌と女性誌の色合いをまとめたものです。当然ながら、男性誌は男性向けの、女性誌は女性向けの色合いになっていますが、このようにターゲットとなる層(ペルソナ)が違うことにより、チラシやテレビCMの見せ方が大きく変わっていきます。

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