checkbox編集を終えて

 

現在ノウフルの9月号に向けた執筆をしているが、主要な住宅企業11社の受注金額速報値(対前年同月比)が発表された。結果、マイナス企業数がプラス企業数を上回った。子育て世帯の住宅取得を支援するこどもみらい住宅支援事業の訴求に力を入れるものの、受注環境好転までには至っていない。

 

実際にノウフル経由で経営のご相談を毎月20社以上頂き、状況などをお伺いしているが、ほとんどの建築会社が昨年の10月あたりから集客が激減し、回復していない。このような状況下で各建築会社がどのような戦略を設定すべきなのか。今回、編集の結びとして残された紙面で適切な戦略構築にお役立ちできる考察を提唱し、本号の締めくくりとしたい。

 

なお、私は述べ15年ほど建築業界に携わり、コンサルタントとして100社以上のご支援、3000人以上の建築経営者と対峙をしてきた経験と見解があるものの、考察に関してはあくまで個人の意見であることは事前にご了承いただきたい。

 

checkbox生活様式の変化から見る住宅トレンド

それでは、今回は生活様式の変化から見る住宅トレンドについて触れてみたい。まずは一つ目に、ウィズコロナである。ウィズコロナによって大きく変化したことは、テレワークである。在宅と出勤のハイブリッドなライフスタイルがこれから求められていく。

その上で住宅においても、住空間内で仕事ができる環境が求められるよようになると言える。実際にテレワークの実施率は厚生労働省調べで、全国平均で約3割という水準まで上がっている。このような状況を踏まえると、防音性の高い可動式の間仕切りの設置、または簡易に仕事場が確保できる可変性の高い住宅商品などが今後より一層求められていくだろう。

 

二つ目に、多拠点生活、マルチハビテーションである多拠点生活とは、地方に住みながら、都心の職場に小さな中古車・中古マンションを購入するなど、湯に拠点巨樹を指し、このニーズは拡大すると言われている。実際に2030年にマルチ張りてションの市場規模は37.5兆円になると言われている。

 

その上で、大きく三つ。住宅トレンドが高まっていくであろう一つが、多拠点生活者向けの住宅別荘販売。そして二つ目に、空き家などシェア受シェア用住宅のリフォームリノベーション。そして三つ目に、オーナー宅のシェアサポートなどである。
このような多拠点生活を主軸に置いた住宅販売ということも今後視野に入れながら活動をすべきである。

 

最後がワーケーションである。ワーケーションとは、ホテルで仕事をしながら休暇を取るといった仕事と休暇を両立する価値観を指す。このような訳町においても、2021年度で700億、2023年度では1000億、市場自体が大きく拡大している。

 

このような変化において、若年層の所有から利用へといった思考に加え、コロナ禍とも相まって、住まいと働く場所は、ライフステージに応じて自由に変えていこうという発想が広がっていくものと思われる。そうすると、住宅を取得して一生かけて住宅ローンを返済するといったこれまでの所有優先の発想はあまり賢い考えとはいえない可能性もある。

 

ライフステージに四つ、結果、ライフステージに応じて次いうような住まいを実現するに当たっても、一旦取得した物件が早く確実にできれば高く売れる物件、そして高高い価値を維持できる物件を取得したいというニーズが増えていく可能性がある。自分が実現したい次の住まいの資金源になるよう、物件の市場価値を重視する意向が今後高まる可能性がある。

checkbox最後に

このように、今後、棟数が減少していく中で、生活様式の変化から住宅トレンドを押さえることが重要である。また、外部環境における深刻度も大きく変わる。今後の市場を見れば「現状維持は後退」であり、何もしなければ競争の中で淘汰されてしまう。

 

このような状況下において「茹でガエル」にならない為には常に危機感を持ち、ヒト・モノ・カネに次ぐ「情報」についてアンテナを張ることが重要であり、一人でも多くの建築従事者の方々にとってノウフルが貴重な情報源になればそれ以上のことはない。

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