checkbox編集を終えて

 

現在ノウフルの7月号に向けた執筆をしているが、主要な住宅企業11社の受注金額速報値(対前年同月比)が発表された。結果、マイナス企業数がプラス企業数を上回った。子育て世帯の住宅取得を支援する、こどもみらい住宅支援事業の訴求に力を入れるものの、受注環境の好転までには至っていない。

 

実際にノウフル経由で経営のご相談を毎月20社以上いただき、状況などをお伺いしているが、ほとんどの建築会社が昨年の10月あたりから集客が激減し、回復していない。このような状況下で各建築会社がどのような戦略を設定すべきなのか。今回、編集の結びとして残された紙面で適切な戦略構築にお役立ちできる考察を提唱し、本号の締めくくりとしたい。

 

なお、私は延べ15年ほど建築業界に携わり、コンサルタントとして100社以上を支援し、3000人以上の経営者と対峙をしてきた経験と見解があるものの、考察に関してはあくまで個人の意見であることは事前にご了承いただきたい。

 

checkbox長期優良住宅について

 

今回は、住宅業界注目テーマを考察すると題して、長期優良住宅について見ていきたい。長期優良住宅とは、下の図にある通り、九つの視点で優良かどうかを判定する制度である。

 

 

九つの内容とは、可変性・居住環境・維持管理容易性・省エネルギー対策・劣化対策・高齢者等対策・耐震性・住戸面積・維持保全計画である。

 

可変性については、天井が高く、間取りの変更が容易であることが条件になっており、居住環境については、街並みに調和しているかどうかが判断基準になる。維持管理容易性については、給排水管の点検・交換が容易であるかという観点が重要である。

 

また、耐震性については、建築基準法レベル1・25倍を前提としている。住戸面積については、戸建てで72㎡以上が必要となり、維持保全計画については、100年程度の使用を前提としている。これらの視点で基準をクリアすれば、さまざまな優遇措置が受けられるのだ。

 

 

次の図は、長期優良住宅の優遇措置になる。住宅ローン減税などの住宅取得促進策に係る所要の措置は、所得税・相続税・贈与税・個人住民税が対象になる。住宅ローン減税について、控除率や控除期間などを見直すとともに、環境性能に応じた借入限度額の上乗せ措置などを講じた上で、適用期間を4年間延長する。控除率については一律0・7%である。

 

この長期優良住宅については、2021年において、新築が12万1502戸で、前年対比120%の伸びであった。その中でも、一戸建てについては11万8289戸であり、前年対比の118%であった。

 

 

このように、戸建ての比率は高い一方で、認定物件自体が全住宅の14%と低い水準になっている。また、エリアによるばらつきも激しい。

 

下の図は、認定戸数のランキングであるが、愛知県が16万2021戸と一位になっており、全体の12%にあたる。その後は、東京都・神奈川県・埼玉県が続く。関東が多く、関東以外で4万戸以上あるのは、静岡・兵庫・大阪・福岡のみであり、今後は更なる認定戸数の増加が必要であると考えられている。

 

 

checkbox最後に

 

以上、今回は「住宅業界注目テーマ 長期優良住宅について考察する」というテーマで見てきた。

 

長期優良住宅はさまざまな優遇を受けられるメリットがあり、エリアによる戸数の差が激しいものの、今後の認定戸数はさらに伸びていく見込みである。このような状況下で「茹でガエル」にならないためには、常に活用できる新しい情報にアンテナを張ることが重要であり、一人でも多くの建築従事者の方々にとってノウフルが貴重な情報源になればそれ以上のことはない。

 

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