和光ホームズは、大阪市を中心に、注文住宅や新築一戸建てなどを 手掛ける家づくりのプロフェッショナルである。 約40年にわたり実績を積み重ね、都市部・狭小地に特化した家づくりを最新の技術と共に確立してきた。 今回は同社の代表である、廣瀬純一郎氏(代表取締役)に 取り組みや販売における考え方、 経営のモットーなどについてお聞きした。(聞き手:ノウフル編集長狩野)
ーまず、御社の概要を教えてください。
弊社は、大阪市内とその周辺で、分譲事業・建設事業・注文事業・リフォーム事業を展開しております。戸建てについては、棟数が年間260棟ほどで、そのうち50棟が建売です。売り上げは、全体で100億円、そのうち分譲事業が80億円になります。
ー分譲事業がメインということですが、やはり仕入れの領域が重要なのでしょうか。
弊社では、仕入れは営業力であるとのモットーを掲げ、少数精鋭で進めています。仕入れはまさに営業と同じで、人間関係が重要です。ですから、交渉相手に対しても不快に感じさせないようなコミュニケーションを図ることにこだわっています。
一般的には、不動産屋に何度も頻繁に訪問するケースがありますが、我々はそのようなことはしません。頻繁に訪問しも不快に思われるだけなので、それよりも、対応のスピードやゼロ回答(買わないとの回答)を極力しないことにこだわっています。査定額についても根拠をしっかり伝えることが大切であり、凡事徹底を心がけています。
ー仕入れについては人間関係が重要なのですね。その他にも、重要な視点はありますか。
やはりエリアを絞るべきだと考えています。エリアを広げると仕入れにおける判断が難しくなりますが、同じエリアは、比較的、経験則によって判断がしやすい傾向にあります。ですから、一つのエリアを決定し、集中してシェアを取っていくことが重要であると考えました。その上で数珠つなぎで対応し、エリアを広げていく流れをとっています。
ーありがとうございます。御社では、いわゆる「土地仕入れ力」といった強みだけでなく、建築においても優位性を発揮しておられますが、どのような工夫をされていますか。
弊社には、土地だけではなく、狭小住宅の提案力といった、ソフト面に沿ったUSPがあります。現状、商圏内では場所が良ければ売れる状態が続いていますが、今後はそうはいかないと予測しています。今後は多くのエリアで、土地ではなく建築力で勝負していかなければならないでしょう。その上で、お客様満足度の観点からUSPを強化することは当然大事ですが、これらは社員満足度にも影響を与えています。会社が建物にこだわれば、必然的にお客様に対する提案の自信が高まり、社員満足度の向上にもつながります。
また、ブランディングについても重要視しています。分譲物件はポータルサイトで集客しますが、注文住宅についてもブランディングを意識したホームページから集客し、両側面で営業力を強化してきました。パワービルダーと勝負する上では、これらの二面性が重要であり、住宅会社や中小ビルダーにしかできない優位性であると考えます。
ー素晴らしい取り組みですね。注文と分譲で二つの側面を持っていると、マネジメントが難しいかと思います。その観点について詳しい取り組みを聞かせてください。
同じ市内であっても、建物のテイストや価格が全く違う状況にあるため、個別戦略はエリアの責任者に任せています。月2回ほど、他社事例も踏まえた共有会をしながら、エリアごとのシナジーも醸成しています。市内の住宅地は同じエリアで購入する傾向にあるため、このようなエリア制をとりました。
社内では評価制度にもこだわりを持っており、例えば、ルートによって評価を変えています。反響には、SUUMOなどの会社反響と飛び込みなどの自力反響がありますが、自力反響の歩合を上げるなど、公平な評価を行っています。また、チームプレーを重視しているため、個人の表彰だけでなく、チーム表彰も3ヶ月ごとに行っています。チームごとの懇親旅行なども推奨し、チームの団結力を高めています。
ー素晴らしい取り組みですね。最後に、今後の事業展望についてもお聞かせください。
今後は、エリアにおける総合不動産事業を目指します。具体的には、中古再販によるアパート建築や投資系マンションなどの販売建築・仲介事業などになります。それぞれ営業手法が違っているため、総合的な営業力を上げた上で、事業間の顧客紹介やブランド価値などのシナジーを生んでいきたいですね。
前期は売り上げが100億円を超えましたので、今後は尼崎・豊中・東大阪・吹田などへもエリアを展開し、売り上げ150億円を目指していきたいと考えています。
ー本日はありがとうございました。
和光ホームズ株式会社
和光ホームズは、大阪市を中心に、注文住宅や新築一戸建てなどを手掛ける家づくりのプロフェッショナルである。約40年にわたり実績を積み重ね、都市部・狭小地に特化した家づくりを最新の技術と共に確立してきた。