アサヒアレックスグループは、住宅建築から不動産開発、リノベーション、賃貸管理まで、 幅広い事業に取り組んでおり、地域社会に貢献する総合不動産企業を目指している。 今回は同社の代表である、石倉茂雄氏(代表取締役会長)に、 取り組みや販売における考え方、経営のモットーなどについてお聞きした。(聞き手:ノウフル編集長狩野)
―まず御社の概要を教えてください。
弊社は、新潟・仙台・福岡・首都圏を商圏として、注文住宅事業を展開しています。棟数は年間で150棟ほどで、その他には、リフォーム事業・不動産売買事業などを展開し、グループ全体の売り上げは45億円になります。また、信用格付けにおいては、AAをいただき、健全な経営体質の評価を受けています。
事業では、マルチブランド戦略を採用し、一気通貫でさまざまなブランドを展開してきました。そのため、年収層が高い顧客から低い顧客までと幅広く、性能やデザインについてもさまざまな商品をラインナップしています。また、企業形態としてはホールディングス体制をとっており、ホールディングスが「人・物・金」を提供し、事業会社をサポートする体制で展開しています。
―信用格付けがAAとは、素晴らしい評価ですね。御社の事業面での特徴についても教えてください。
事業面の特徴として、一つ目にCS戦略があります。家作りは建てて終わりではありませんので、会社ぐるみでファンを作ることを徹底してきました。取り組みは20年以上行っているのですが、例えば、現場立ち会いの制度化・その上での引き渡し式・上棟時に柱に思い出のサインを書く・点検を制度化するなど、さまざまな取り組みをしてきました。
顧客満足は永遠のテーマであり、継続が重要であると考えています。これらに注力した結果、高い顧客満足を維持することができ、今では多くの紹介もいただいております。また、紹介をいただく上では、満足度を上げるだけではなく、オーナー様のフォローに対しても配慮しています。
オーナー様の中には、大変積極的に紹介をくださる方もいらっしゃるので、その指標を紹介係数という形で分類して、数値が高い方へは、より手厚いフォローを行う工夫をするといった取り組みを始めております。このような取り組みは今後も維持し、さらに紹介の比率を上げていきたいと考えています。
―素晴らしい取り組みですね。他にもございますか。
二つ目は海外戦略です。過去に海外へ視察に訪れたことがあり、東南アジア、特にタイでは水回りが非常に大きな課題であることを知りました。このような中で、日本の施工をタイでも展開できないかと考え、水回りを主体としたリフォーム事業をタイで展開しています。
当然ながら、日本の施工レベルとタイの施工レベルは全く違いますので、現地の方には日本に研修に来てもらい、日本のCSの現場管理のあり方を勉強してもらっています。開始当初は、スタッフが現場でタバコを吸ったり、平気でサボったりと劣悪な環境もありましたが、徹底した教育により、今では高い品質の施工が実現できるようになりました。
当然、これらの施策は最初からスムーズに進んだわけではありません。当初は、バンコク勤務の責任者を配置したのですが、入社して1年経たないうちに席が空いてしまうなどの紆余曲折がありました。しかし、さまざまな改善を図りながら継続することで、今は事業としての形が出来上がっています。
同時に、不動産売買も単体で展開し、マンションや本部コンドミニアムの売買などを行っております。海外はマーケティングにおいても日本との違いがあります。タイでは経済格差が激しいため、ネットワークを構築する課題が前提にあり、中でも、富裕層が集まるネットワークを構築することが重要になります。そのために、まず大企業とのネットワークを構築し、顧客を広げていく形での戦略を行っています。
―文化の壁を越えることは、非常に難易度が高いのですね。それでは、今後の事業展望についてお聞かせください。
今後の展望としては、4本の柱を強化していきます。四つはそれぞれ、新築事業、リフォーム事業、非住宅事業、土地・空き家利用事業で、いわゆる、建物に関わる一気通貫のビジネスを行うことを徹底して考えています。
また、その上で社員が第一であるとの考えも大切にしています。今後は、住宅業界において施工力が一番の差別化要素になると予測し、社員の大工化を目指しています。現在は14名の社員が在籍していますが、3年後には25名以上に増やす見込みです。
これらを強みとして4本の柱を強化していくことが理想ですが、最終的には複数事業を展開する中で、それぞれの事業を10億から20億エン規模の売上に向上させ、3年後にはトータルで100億円の規模に到達させることを目指していきたいです。あわせて、自己資本比率をホールディングスで60%強、グループで50%に高めます。そして内部では、リーダーの育成を行うことに力を注ぎ、事業会社の社長を増やしていくことを想定しています。
―素晴らしい展望ですね。本日はありがとうございました。
アサヒアレックス
アサヒアレックスグループは、住宅建築から不動産開発、リノベーション、賃貸管理まで、 幅広い事業に取り組んでおり、地域社会に貢献する総合不動産企業を目指している。