
今回は秋口に二日間にわたって開催された、第5回ビルダーフォーラム見学会の様子を紹介しよう。今回案内役を務めたのは徳島県板野郡に本社を構える株式会社はなおか。注文住宅・建売・リフォーム・外構・土地分譲など幅広く展開し、2023年度には年間180棟を引き渡した県内トップクラスの住宅会社である。見学では「CRAS」「hale」「i-works」など多彩なモデルハウスを体験。高気密・高断熱やデザイン性に加え、ライフステージに応じた暮らし提案をスタッフの皆様から丁寧にご説明いただいた。
視察先概要
| 会社情報 | 株式会社はなおか |
| 社員数 | 146名 |
| 住所 | 〒771-0204 徳島県板野郡北島町鯛浜字西ノ須162-9 |
セトラ高松住宅展示場&モデルハウス見学
セトラ高松住宅展示場にて、はなおかの2棟のモデルハウスを体感。「kanon‐楓音‐」は和の落ち着きと北欧の心地よさを併せ持つ空間、「kram」は子育て世代に寄り添った平屋設計。性能・デザイン・動線の三位一体が感じられる施設として、他社からも非常に多くの学びがある見学となった。

六条町新事務所&モデルハウス見学
六条町の新事務所は、打合せ・会議・ショールーム機能を兼ね備えた最新拠点。徒歩圏内に建築中のモデルハウス3棟は、若手設計士が自らの手でプランニングからインテリア・庭づくりまで取り組むプロジェクト。完成後は、施工力や提案力を総合的に示す貴重な実例として期待が高まる。

北島事務所&モデルハウス見学
北島町事務所に加え、モデルハウス3棟を体感。豪華な非日常、等身大のスローライフ、普遍的な木の家という異なる方向性を並列に体感できる構成はユニークで、営業提案や設計発想の幅を広げる学びにつながった。工務やICにとっても実践的な刺激となる見学になった。

はなおか様の事業紹介
施工品質や現場力のこだわりに加え、花岡会長からは理念を軸にした人材育成、天羽社長からは「人間力」と「現場品質」を軸にした信頼獲得の戦略についてお話しいただいた。さらにSDGsや香川拠点展開など攻めと守りを両立する経営戦略が示され、参加者に多くの学びを与える内容となった。

ノウフル編集長より
今回の見学を通して改めて感じたのは、はなおかが単なる住宅会社ではなく、「人と地域の暮らしをつくる」企業であるということだ。どの拠点にも共通していたのは、性能・デザイン・動線を分けて考えず、暮らしの全体を設計するという思想。そこには、住まいを“商品”ではなく“人の営み”として捉える視点があった。
若手設計士の挑戦や、理念を軸にした人材育成、地域への貢献活動など、企業全体が「成長」と「継承」を両立させながら前進している姿も印象的だった。理念が現場で息づき、社員一人ひとりがその体現者である点こそ、はなおかの強みだといえる。
徳島という地域に根差しながらも、その家づくりの思想は全国の住宅業界に通じる普遍性を持っている。理念と現場力の融合を肌で感じられた今回の視察は、私たちにとっても多くの学びと刺激をもたらしてくれた。
引用