今回は、テレビCMからYouTube広告に切り替えることで反響数を1・3倍にした埼玉県のK社について見ていきます。まず、K社について簡単に説明をいたします。K社は埼玉県を中心に展開している注文住宅企業で、総合展示場に数多く出店し、地域密着で展開しているためエリア認知度が高い会社です。
では本日の目次をお示しいたします。
当初の課題
下図はC社が抱えていた課題と目標、ギャップを埋める為の対策を記した図になります。順に説明致します。多くの住宅会社と同様にコロナによって年々集客効率が悪化しているものの、人員が足りず新たな集客構造を構築出来ずにいました。そして集客効率が悪化している手前、コストをかけることができないという悪循環です。
また、熱感の低い反響が減っていることもあり「質の高い来場を増やす」ことが至上命題でした。単なる反響増加ではなく、質が高い反響となればブランディングを踏まえた施策が必要になります。このような状況下でC社はYou Tubeアカウントで認知度を高めながら反響を増やす施策を行うことにしました。
結論から言えばC社の取り組みは想定以上の成果を出す結果となりました。下図を御覧ください。チャンネル登録者数は1年間で1万人増加、視聴回数は60万回増加、年間サイト訪問者は4万人、さらに年間反響数は1,100件増加するという圧倒的成果の実現です。
取り組みを説明する前にYouTubeの影響力について説明してまいります。下の図をご覧ください。様々なSNSと比較してもYouTubeはLINE国内利用者が7000万人となり、LINEに次いでユーザーが多いメディアとなっており、いわゆる国民全員が使うメディアに成長していると言えます。
また、You Tubeは年代別に見ても20代〜40代の80%以上が閲覧しているということもあり、住宅会社のターゲット利用率が極めて高いと言えます。ツイッターやInstagramなどは年齢や性別に大きな偏りが見られますが、You Tubeの場合は比較的年齢や性別に偏りなく、万遍なく認知を獲得することが出来ます。
C社の取り組み
ではC社はどのような取り組みによって成果を出したのでしょうか。まず押さえるべきポイントは「どのように自社のチャンネルに流入させるか」になります。結論から言えば、大きく二つあります。一つ目がYouTube上での検索です。例えば自社名などで検索をし、チャンネルに来てもらうパターンです。そしてもう一つが各ユーザーへの”おすすめ枠”や”関連動画枠”に自社の動画を表示されることです。
中でもおすすめ枠や関連動画枠からの流入は全体の80%から90%になりますので、ほとんどの流入シェアを占めるということになります。ではどのようにすればターゲットユーザーのおすすめ枠や関連動画枠に掲載されるのでしょうか。結論から言えばYou Tubeではおよそ200以上のルールに則り表示するかどうかを判断しています。
しかしながら、200以上ものルールに沿って施策を講じる必要はなく、その中でも重要度の上位三つを押さえれば成果を出すことが可能です。ですからその中で今回は判断基準になる上位三つについて説明してまいります。一つ目が関連性、二つ目にエンゲージメント、三つ目が品質になります。順番に説明してまいります。
①関連性を高める
まず一つ目が「関連性が高いかどうか」です。下の図をご覧ください。動画情報についてYou Tube側は「タイトル」「タブ」あるいは「動画の説明文」「動画の内容」を厳しく審査しています。この動画情報とユーザー側の「再生履歴」「検索履歴」「登録チャンネルの傾向」などがマッチするとそのユーザーのおすすめ枠や関連動画枠に表示されるという構造なのです。
ですから住宅を検討しているターゲットの「再生履歴」「検索履歴」「登録チャンネルの傾向」に沿って「タイトル」「タブ」あるいは「動画の説明文」「動画の内容」を掲載することが重要になります。下図を御覧ください。こちらは自社のターゲットの価値観や嗜好性などをまとめたワークシートなります。
それだけでなく、ターゲットを具体化する為に名前や年齢、家族構成などを決めることでターゲットをより具体化します。C社はこのような取り組みを行うことでターゲットの「再生履歴」「検索履歴」「登録チャンネルの傾向」などを明確化し、動画情報を最適化することで再生数を増加させることに成功しました。
②エンゲージメントを高める
二つ目はエンゲージメント上げることです。エンゲージメントは端的に言えば動画を評価する要素を意味します。YouTubeでは大きく5つの視点で動画を評価していると言われています。一つは動画の再生数や視聴時間です。再生数や視聴時間が多ければその分動画の価値があると判断するのです。
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