多くの建築会社において業務効率の改善化は非常に重要な課題であろう。中でも住宅業界でこれらに対応できる人材の不足は重要な課題の一つである。 今回は、住宅会社向けにデジタルツールを提供するリフィード株式会社の右田豪一氏に同社のサービス内容や取り組みについて伺った。自社の業務改善に課題を感じている会社は、ぜひこの記事を参考にいただきたい。
ーまず御社の特徴を教えてください。
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弊社は、住宅リフォーム業界でサービス展開をしており、今年で31年目になります。設立当初はWEB政策やカタログ制作などを行っていましたが、時代の流れで2015年からITサービスを開始し、今は住宅会社向けに「仕様決めシミュレーターイエプロ」とリフォームの積算などに使用する「リフォームシミュレーターイエプロ」の二つのサービスを展開しています。
弊社の強みは自社にエンジニアがいる点です。自社で開発をしているので個々の対応力がある点と、住宅業界経験者が在籍する企画部が様々な住宅会社のサポートをしているとの点において優位性を持っています。現在では両システムを、中小から大手企業の住宅会社300社以上が採用してくれています。
ーありがとうございます。右田さんの考える業務の課題は何でしょうか。
業界の課題は大きく二つあると考えており、一つ目が住宅業界の経営課題を拡大策で解決するとの考えが蔓延している点です。この業界には営業出身の経営者が多く、売り上げやエリアの拡大で業績を解決するとの考えが主流になっているように思います。しかし、住宅業界自体は市場が縮小しているため、この拡大路線による解決策は非常に難しくなってきます。その結果、集客コストを中心とした販促費が多くかかるようになり、業績改善の足かせになっているケースが多いのではないかと考えています。
また、もう一つは、人材不足が挙げられます。経営においては、売上を上げる・エリアを増やすなどのトップラインを上げる考え方だけでなく、生産性の向上や業務改善といった利益率の改善も重要であります。しかし、それらを改善できる人材が業界に少ないことが課題であると考えています。このような業務改善については、目的や目標から設定した業務フローを構築した上で、検証・改善行っていくことが重要ですが、それらを対応できる人材がいない点は非常に優先順位が高い問題ではないでしょうか。
ーなるほど。このような業界課題において、御社はどのようなアプローチをしているのでしょうか。
弊社では、先ほど述べた「イエプロ」というサービスを通じて、業界課題を解決すべく活動をしています。一つ目の住宅仕様決めのイエプロであれば、まず、より多くの利益と粗利を残すとの観点で社内工数の削減を目指しています。このイエプロを活用すれば、各社の標準仕様などをシステムに入れるため、打ち合わせがクラウドで完結し、標準仕様からの追加変更・差額見積もり・決定資材のプレゼンシート・仕様書などが自動で作成でき、業務工数の削減に繋がります。
また、これらの副次効果としては、打ち合わせ履歴が残るために、打ち合わせ後のトラブルを回避できるとのメリットもあります。また、これらのシステムは顧客がスマホでダウンロードすれば、自身で活用することができるため、情報の共有や伝達スピードがお客様とのやり取りの中で上がっていき、打ち合わせ回数の削減などにも繋がっていきます。
さらに、リフォームの積算シミュレーターのイエプロにおいては、給湯器交換などリペアについて3分ほどで見積もりが作成され、価格提示のスピードも上がります。ですから、リフォームを展開しているとの案内から発生した今すぐ客への早期な見積もり提出により、従来はリフォーム会社に取られていた顧客の受注と契約率も一気に獲得することができます。これらは、今後、OBを中心としたストックマーケットが拡大していく見込みにつき、多くの住宅会社に喜ばれています。
ー素晴らしい取り組みですね、実際にどのような成果があるのでしょうか。
例えば、ある会社では、一現場あたりの社内工数がイエプロを活用することによって4時間も削減したとの事例があります。また、打ち合わせ回数も4回から3回に減少したとの事例があり、これらを年間の受注棟数に合わせると、大幅な工数削減と粗利の改善につながります。さらに、提案自体の効率が高まるため、受注までの訪問回数が半減する営業面でのメリットもあり、非常に成果の出やすいサービスとなっています。
今後、住宅業界が縮小していく中で、このような業務改善はさらに重要性を増していきます。この弊社のサービスを通じて、業界の課題を改善していけたらと考えています。
ー素晴らしい取り組みですね。本日はありがとうございました。
株式会社リフィード
リフィードは、住宅事業者様向けの販売促進や業務効率化を様々なコンテンツでお手伝いする会社で、 「変化を楽しむ」ことを常に大切にしている。近年力を入れているのがウェブシステムの開発・販売・運用、自社で一気通貫で行っている。