今回から集客バンバン集客塾では、販路戦略について見ていくこととする。弊社では、ご存知の通り「シン・マーケティング」という商品戦略・販路戦略・販促戦略という三つの戦略の重要性をお伝えしてきている。
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その中で、今回はこの「販路戦略」に焦点を当てて解説していく。
では本日の目次を示そう。
プッシュ型とプル型マーケティング
まず、前提として、住宅業界の販路における戦略は様々な観点で議論されているが、ここでは特に「プッシュ型マーケ」と「プル型マーケ」というマーケティングの観点について見ていきたい。プッシュ型マーケは、資料請求や会員登録などでリード(名簿)情報を集め、それらに電話やメールなどで積極的にアプローチし、販路へと促す手法である。

一方、プル型マーケは、ウェブ広告や自社ホームページによる来場予約などで、顧客が自発的に販路に来てもらうことを促す手法である。これらを自社の集客と他社の集客という観点で分類すると、下の図のようになる。プッシュ型においては、ホームページの資料請求やSUUMOネット、タウンライフなどから名簿を獲得し、これらを引き上げ前提のリードとして、電話やメールを用いて来場につなげていくのである。

リード獲得後にプッシュ型施策を行う上では、電話アプローチをする企業と、メールだけで済ませようとする企業があるが、実際どちらが適切なのだろうか。結論から言えば、電話アプローチをしなければ、費用対効果は全く合わないと言える。下の図を見てほしい。

まず、電話アプローチの場合、月間のリード数が20件から30件だと仮定する。リードの相場は1件あたり1万円程度という前提でシミュレーションをしてみよう。
電話によるアポ率、つまり来場転換率は平均で10%から20%である。月間リード単価1万円という前提から考えると、来場数が2件から3件だとすれば、一来場コストは約10万円となる。業界の来場コスト平均が8万円というところを鑑みれば、電話をして積極的に呼び込むことは、来場コストとして十分に有効な施策となっている。
では、メールの場合はどうだろうか。同じくリード相場が1件1万円で、20件から30件のリードがあったとする。この場合の来場転換率は、メールでは1%から2%と非常に低い。そもそもメールは開封率ですら20%を切っているため、来場転換率が低くなるのは当然である。このような状況では、月間来場数は0.2件から0.3件となり、一来場コストは100万円を超えてくる。となると、来場コストが全く採算に合わないため、プッシュ型施策においては電話でのアプローチが必須なのである。
住宅業界別プッシュ型施策の相性
では、そもそもこのプッシュ型の施策はどの住宅業界でも有効なのだろうか。結論から言えば、分譲住宅業界に関しては相性が良く、注文住宅業界に関しては相性が悪いと言える。分譲業界と注文業界で比較してみると、分譲業界におけるリードの目的は、顧客が「物件を実際に見たい」というところが根本にある。そのため、資料請求後に営業から電話がかかってきた場合、「物件を見に行きたい」という気持ちが高いため、電話に出てくれ、アポにつながりやすい。

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