近年、住宅業界のマーケティングにおいてSNSの重要性が高まっております。中でも、Instagramを活用したマーケティングにおいては、住宅業界との相性の良さを踏まえて、重点的に体制づくりを行っている住宅会社は多いのではないでしょうか。
一方で、ユーザーとしても馴染みのないSNSを住宅業界のマーケティング施策として使いこなすレベルには至っていない住宅関連企業(工務店)が多いのも事実です。
こちらは、ある経営者のお悩みです。
最近はSNSが重要らしいな。
中でもInstagramが重要らしい。
競合のInstagramをフォローしているけど最近インスタライブってのを行っている。
これはどういう効果があるんだ?
分からないけど取り敢えずやってみるか。
待てよ、そもそもどうやればいいんだ・・・?
インスタライブやフォトコンテストがいいという話を聞くものの、どのように対応したらいいのか分からない・・・という方も多いのではないでしょうか。
今回は、そのような悩みに対応する為に、どのようにSNSと関わっていくべきなのかについて触れていきたいと思います。
では本日の目次をお示しいたします。
目次
集客構造におけるSNSの位置付け
まず住宅業界の集客全体について触れてみたいと思います。集客構造には大きく「媒体」「販売ルート」「企画」が存在します。媒体は販売ルートにどのような手法で来場・アポにつなげるか、を指します。販売ルートは展示場や見学会・店舗など見込み客と対面接点を持つ場所を指します。また、企画は販売ルートに呼び込む為にどのような企画を行うかを指します。
企画に示している物件案内は展示場であれ見学会であれその物件を紹介するという意味合いになります。物件案内以外にも相談会やセミナー、ワークショップなど様々な企画が行われています。近年ではこの企画自体がオンライン化されつつあります。
今回のテーマになるSNSはまさにこの媒体における⑦に位置づけられます。
Instagramは住宅業界と相性はいいのか?
では、住宅ビジネスと相性が良いSNSは何でしょうか。
下の図をご覧ください。
下の図はお伝えした5大SNSを特徴に応じて分類したものになります。
まず、横軸ですが、「リアルな人間関係に基づく関係性(ソーシャルグラフ)」「興味関心に基づく関係性(インタレストグラフ)」で分かれています。
順に説明いたします。
このソーシャルグラフと呼ばれるものは、実際のリアルの友人と同じような繋がりを形成することを指します。そしてインタレストグラフは、同じ興味関心に基づく関係性に沿った繋がりを形成することを指します。
ですから、FacebookやLINEは比較的リアルの人間関係、交友関係と近い繋がりを形成しますが、YouTube、Instagram・Twitterにおいては、興味関心に沿った繋がりを形成する違いがあります。
もう一つの軸を見ていきましょう。縦軸にフロー型とストック型と分かれております。
フローは、情報の拡散力が高い一方で、一度配信すると情報としてはすぐに消滅してしまう特性を指します。ストック型は情報の拡散力が弱いものの情報自体が残り続ける特性を指します。
比較的Twitterは、投稿自体が掛け捨てになりますのでフロー型の考え方に近いですね。一方で、InstagramやYouTubeは過去に投稿された記事なども容易に確認が出来ますのでストック型と言えます。
そして下の図をご覧ください。こちらは、住宅業界の集客営業活動における各SNS媒体の位置づけを示したものになります。
結論から言うと、Instagram・Twitter・YouTubeは、見込み客を発掘する集客の役割を担うことが出来ます。一方で、ラインは集客した見込み客と関係性を維持する位置づけになります。同様に、Facebookも営業活動を行った見込み客と、連絡手段のような位置づけを持つ点が特徴的です。
ですから、単純に集客を増やす考え方に特化するのであれば、Instagram・Twitter・YouTubeが有効であり、LINE・Facebookはあくまで営業ツールの位置づけで捉えることが重要だと言えます。
ここまでをまとめますと、住宅業界と相性の良いSNS媒体はInstagramとYouTubeになります。
Twitterは拡散性が強いものの、企画のインパクトが求められます。さらに、対象が10代20代であることから、即効性がある集客施策とは言い難いです。Facebookは、お伝えしたように営業ツールの位置づけになりますので、Facebookから集客する、という考え方は難易度が高いものになります。LINEも同様を新規獲得ではなく、獲得後のメールマーケティングの代替の位置づけになりますので、あくまで営業ツールの位置づけになります。
Instagramは写真コンテンツが主体であるまたは、ターゲットが30代であることからも住宅業界、中でも特に注文住宅と相性が良いと言えます。
YouTubeは、同様に情報発信の場として活用をすることが出来ます。一方で、良質な情報コンテンツが必要になる為、運用難易度は高いと言えます。
下の図を見ると、このYouTubeとInstagramは爆発的に利用者を伸ばしていることが挙げられますので、その点からも、YouTube、Instagramを、住宅会社が強化することが最も効率的ではないでしょうか。
Instagramの考え方
では、Instagramに特化して、考察をしたいと思います。
住宅会社におけるInstagramの役割は一体何でしょうか。
下の図をご覧ください。
下の図はInstagramを活用してどのように反響に繋げるかをまとめた図になります。
注意すべきが、Instagramから反響に繋げることは出来ない点です。
図に示している通り、Instagramはあくまで自社のホームページなどに繋げる役割でしかありません。Instagram上で反響する構造を作ることは出来ませんので、この点を抑えることが重要になります。
下の図を見ると、反響の動線が分かると思います。
一つ目は投稿の下部にmorephotoからユーザ名で誘導することで、ユーザーページから自社のホームページに流し込み、流れを作っている事例です。
二つ目はイベントの案内などのページをいう中、自社のホームページと繋げて反響に繋げている事例です。(ただし、リンクを掲載する場合は1万人以上のアカウントが必要になります。)
三つ目は、プロフィール上でストーリーを固定、そして反響に繋げることになります。
このような施策を行うことで、比較的Instagramから反響を繋げる流れを取りやすくなります。
Instagramの効果を最大化する3つの施策
ここからはInstagramの効果を最大化する3つの施策について触れてみたいと思います。
SNSとは、ソーシャルネットワークサービスを意味します。直訳すれば社会の繋がりを演出するサービスですね。ですから、ユーザー同士が社会的な繋がりを持ち、その中で、情報の発信、共有拡散をする点が特徴です。
SNSの中で、自社の投稿を発信共有拡散してもらうことによって、自社の知名度が上がり、売り上げに繋がることが出来るといった考え方になります。
ですから、「いかに自社の投稿が発信・共有・拡散されるか」という視点が非常に重要になります。
では、Instagramにおいて、どのように自社の投稿が拡散されるのでしょうか。
結論から申しますと、大きく3つあります。
一つ目が「レコメンド」でInstagram自体に拡散をしてもらうことを指し、二つ目が「検索」でユーザーの検索する画面にて自社のアカウントや投稿を表示させることを指し、三つ目が「人海戦術」で自社の努力によって、人海戦術で拡散を狙う考え方になります。
それでは一つ一つ見ていきましょう。
まず、レコメンドですが、レコメンドを直訳すると「推薦する」という意味になります。
ですから、あるユーザーに対して、あなたに合った投稿ですよと投稿記事をInstagramが紹介してくれることを指します。
こちらについては下記の記事を参照ください。
そして二つ目、検索ユーザーに、検索をしてもらい、見つけてもらう方法になります。
こちらについては下記の記事をご覧ください。
三つ目が人海戦術で、全く知らないユーザーに対して「フォローしてくれませんか」と住宅会社が人海戦術でお願いをして回ることを指します。
こちらについては下記の記事を参照ください。
以上「自社の投稿やコンテンツを自社の投稿やコンテンツを共有・拡散する」には、「レコメンド」と「検索」と「人海戦術」がありますが、当然ながら、レコメンドでの拡散が最も威力が大きく、おすすめの施策になります。
インスタライブとフォトコンテストの目的とは?
レコメンドにおける代表的な施策はインスタライブやフォトコンテストになります。
インスタライブフォトコンテストを行うことによって、ユーザーのエンゲージメントを上げる。そのことによって、レコメンドの質や量を高める考え方ですね。
ですから、注意しなければならないのは、インスタライブやフォトコンテストをやることによって、そのままご案内したモデルルームやフォトコンテストでご案内したモデルルームの来場が増えるわけではない点です。
下の図の通り、インスタライブやフォトコンテストをやることによって、反響が増えるわけではなく、いいねコメント保存が増えることで、エンゲージが強化され、そのことによって、インプレッション表示回数が増加し、認知度が強化するされるという考え方になります。
本日のまとめ
改めて、本日のまとめをお示しいたします。
Instagramは住宅業界と相性が良い
Instagramからの反響を増やすには3つの施策がある
レコメンドについてはインスタライブやフォトコンテストが有益な施策である
ただし、それぞれの施策によって来場数が増える訳ではない点は注意しなければならない
以上、インスタライブフォトコンテストの捉え方について触れていきました。インスタライブやフォトコンテストもっと言えば、Instagram、SNS自体が直接的な反響に繋げる施策ではありませんので、この点を注意しながら活用をしていきましょう。