多くの住宅関連企業（工務店）で、SEOの強化を行っているのではないでしょうか。一方で、SEOは領域が専門的であり、業者に任せると全く成果が出なかったということも多くあると思います。
今回はそのような中でも、特にリンクといわれる施策を中心にSEOで成果を上げるポイントをお伝えいたします。
では本日の目次をお示しいたします。
住宅業界の集客構造におけるSEOの位置付け
まず、住宅業界の集客構造の中で、SEOがどのように位置づけられるかを触れてみたいと思います。下の図をご覧ください。
まず住宅業界の集客全体について触れてみたいと思います。集客構造には大きく「媒体」「販売ルート」「企画」が存在します。媒体は販売ルートにどのような手法で来場・アポにつなげるか、を指します。販売ルートは展示場や見学会・店舗など見込み客と対面接点を持つ場所を指します。また、企画は販売ルートに呼び込む為にどのような企画を行うかを指します。
企画に示している物件案内は展示場であれ見学会であれその物件を紹介するという意味合いになります。物件案内以外にも相談会やセミナー、ワークショップなど様々な企画が行われています。近年ではこの企画自体がオンライン化されつつあります。
今回のテーマになるSEOはまさにこの媒体における④に位置づけられます。また、独立した媒体ではなく、ホームページに見込み客を流入させる施策の一つと捉えてください。
SEOとは何か？
ではSEOとは何かについて触れます。なお、ここでは簡単にしか触れませんので詳細を知りたい方は、下の記事をご覧ください。
SEOとは検索エンジン最適化の略語になります。端的に言えば、検索エンジン上で順位を上げホームページへの流入を増やす施策を指します。
また、下の図のようにマップに店舗情報を上位表示させるMEOと、一般的なSEOがあります。今回はこの一般的なSEOについて触れてみたいと思います。
なお、MEOに関する考え方については下記の記事を参照ください。
具体的な施策に触れる前に、まずGoogleのビジネスモデルについて把握することが重要です。下の図にありますように、Googleの収益の9割は広告収入です。当然ながらユーザーに検索をしてもらい、検索結果に表示される広告をクリックしてもらわなければ収益を確保出来ません。
例えば下の図のように、大阪新築一戸建てで検索したのに全く関連性のないサイトが表示される、あるいは同じような検索で信頼性がないサイトが表示されると、ユーザーが離れてしまい、収益がなくなってしまいます。
ですからGoogleは、まず下の所のようにキーワードに対して、そのサイトは関連度が高いかどうか、そのサイトは信頼出来るかどうかを非常に重視しております。
ホームページの信頼度を上げるには？
ここからはどのようにしてこの信頼度を高めるのかについて触れてみたいと思います。では、どのようにして信頼度をサイトの信頼度を高めることが出来るのでしょうか。
まず一つのエピソードを紹介させてください。
Google創業者のラリーペイジ氏が図書館でタイトルの重要性について発見をしたお話をいたしましたが、彼はもう一つ発見をしていました。論文には必ず他の論文の引用が見られるということです。書籍などもそうですが、参考文献があとがきに記載をされているところを見たことがないでしょうか。
彼の発見は論文に引用されている文献はその論文と同程度に信頼性が高いということです。当時、検索エンジンはたくさんありましたが、信頼性を判断するメカニズムが弱かった為、この考え方を活用すれば、理想的な検索エンジンが出来上がると気づいたのです。この理論を活用し、Googleは当時数多あった検索エンジンのシェアを一気に奪って急成長を遂げました。
この考えをホームページに当てはまると下の図のようになります。
論文A・B・Cがあったとします。それぞれの論文が、引用している文献Dに信頼性がなければその論文自体も評価されませんのでその文献Dの信頼性は高いと言えるでしょう。同じくサイトA・B・CがサイトDの情報を引用していれば（引用＝リンク）、そのサイトの信頼度は高くなります。
ですから、下の図のように、もしあなたのサイトが信頼性の高いYahooや内閣府サイトに引用（リンク）されていると、あなたのホームページは信用度が高いと判断されるのです。
このような考え方を踏まえて、全国の役所では下の図のように、リンク掲載枠を用意しています。Googleからすれば、信頼性のある役所サイトがリンクしているサイトは信頼し、表示順位を引き上げます。
しかし、このリンクという発想自体が、近年非常に問題視されています。SEO会社の不正がここ十年続いているからです。この十年はgoogleとSEO会社のいたちごっこの歴史とも言えます。
一時期SEO会社が「リンクを貼れば順位が上がるのであれば、相互にリンクを張って順位を上げよう」といった取り組みを行いました。しかし、Googleからすれば、本当に価値があるサイトが上位に表示されなくなることから禁止いたしました。
そうすると、SEO会社は「中身のないサイトを量産し、そのサイトにリンクを貼って上位表示させよう」ともくろみました。Googleはその取り組みに「価値のないサイトやリンクは全てペナルティにする」と大型の地殻変動を起こしました。この地殻変動で多くのサイトが村八分となりました。
そして近年では、コンテンツの善し悪しがリンクを頼らなくても判断出来るようになってきたので、リンクよりもサイトの記事などのコンテンツを重視すると公式に宣言しています。ですから、リンクは重要と言われているものの現在はあくまで補助的な位置付けであり、リンクよりもホームページの中身が最重要視されています。
以上結論から言えば、リンクという取り組みが重要かどうかについては、非常にグレーゾーンです。重要かといえば重要ですし、重要でないといえば重要ではありません。ですが、原点に立ち返れば良質なサイトを作り結果的にリンクを獲得する（他サイトで紹介されるなど）といった考え方が重要でしょう。
本日のまとめ
改めて、本日のまとめをお示しいたします。
SEOとは検索エンジン上で順位を上げホームページへの流入を増やす施策を指す
SEOで上位表示させるには検索ワードとの関連度とサイトの信頼度が重要である
サイトの信頼度を高めるには他のサイトにリンクを貼ってもらうことが重要である
貼ってもらったサイトの信頼度が高いほど信頼が高まる
最近はリンクの効果が弱まってきている為、コンテンツを最重要視しつつリンクを狙うことが重要である
以上、本日はSEOの中でもリンクについての考え方をお伝えいたしました。今や有効性が曖昧なリンク対策ですが、原理原則で考えるとより良いホームページにして、引用される姿勢が非常に重要です。