北海道を中心に注文住宅・分譲住宅を設計・施工・販売し、1,000 棟以上の住宅を供給するロゴスホールディングス。ウッドショックなどの価格高騰にも関わらず生産性の高い 施工による適正商品がより多くの消費者に選ばれている。今回は同社の代表である、池田雄一氏(代表取締役社長)に商品開発の取り組みや販売における考え方、経営 のモットーなどについてお聞きした。(聞き手:ノウフル編集長狩野)

 

ー御社の特徴について教えてください。

 

弊社は北海道・東北エリアを中心に年間約 1,000 棟の戸建て住宅を供給しております。「無理なく買える適正価格」をモットーとし、 仕組み化された住宅を販売している点が特徴的です。

 


 

ー池田社長は、長らく住宅業界で活動されてきていますが、業界への課題認識などはありますか?

 

 

 

2つあります。一つは日本は森林資源が多い国に関わらず、北海道を中心に国産材が規制や人手、地形による問題で有効活用されていないことです。ウッドショックで表面化しましたが、日本の住宅はほとんどが輸入材で作られています。日本経済にとって地産地消の考え方は重要ですし、元来国産材は非常に性能が良いのです。

 

そういう意味でも今後地域の木材を使っていくことが重要だと考えています。もう一つは生産性が低いことですね。日本の住宅業界は他の業界と比較しても非常に生産性が低いです。業界の生産性を上げなければ給与水準も上がらず、斜陽産業化に拍車がかかることを懸念しています。このような中で海外のリソースを活用すること、国内での作り方を工夫することが大事です。

 

 

ー海外のリソースを利用するとは具体的にどのようなことでしょう?

 

 

 

 

住宅施工の一部工程をアジア中心に移管することです。この取り組みは 10 年前にフィリ ピンで始めました。今では現地で 100 人ほどが業務を行っています。実際に弊社では図面 や申請書を海外スタッフが作っています。この体制により設計士一人で年間20 棟しかみれなかったですが一人で 40 棟まで見れるようになりました。今後はさらに海外の 技術者を増やすことを見据えています。

 

ーありがとうございます。国内での作り方を工夫する点についても教えてください。

 

ドイツ視察に行った時知ったのですが、ヨーロッパの家づくりは非常に生産性が高いんで すね。その原点はモジュール住宅という発想にあります。モジュールとは組み立てユニット という意味ですが、まさに住宅を工場で箱を作って現場に運ぶといった発想で作っていま す。弊社でも北海道に工場を保有しており、広大で快適な環境で作ることで高い施工品質を 維持しています。

 

また、この体制は熟練工が不要であるという特徴があるので職人不足の今の時代に適しています。「漁師が魚を売る」ことを6次産業と言われていますが、まさに弊社ではこの製販一貫体制で住宅の6次産業化を目指しています。

 

 

 

今では大工一人あたりで年間8棟を抱えていますが、今後一人あたりの管理棟数において2倍である15〜6棟水準を目指しています。この考え方をもとに多くの方に手が届く家を売り、弊社のミッションである「家づくりで幸せな家庭を世の中に増やす」を実現していきたいですね。

 

ーありがとうございます。

ー主力のロゴスホームを若手の経営幹部に事業承継をしましたね。事業承継におけるポイントはあるのでしょうか?

 

 

 

マネジメントにおいて常に権限委譲にこだわっています。仕事の線引を明確にしてどんどん任せていきます。そうすることで事業承継もスムーズに進めることが出来ます。もともとサラリーマン時代は権限委譲とは逆のトップダウン型の規律型組織に属していました。しかし、当時から「一方で現場が一番分かっている」という考えを持っていました。

 

そのため自身で経営を行ってからは現場の意見を大事にすることにこだわりました。弊社では比較的意見がいいやすい社風ではないかと思っています。これはグループインしてくれた事業会社も同じです。事業会社には元々トップダウン型の規律型組織もありますが規律型の良い点を残しながらバランスを取ったマネジメントを行っています。

 

ー最後に今後の事業展望についてお伺いさせてください。

 

販売棟数日本一を目指しています。まずは2030年にグループ全体で5,000棟を目指します。
達成することも重要ですが、このようなスローガンを掲げることで多くの方が賛同してくださり、他社で支店長や役員をやっていた方なども入社してくれます。

 

 

やはり会社が伸びている、高い目標を目指しているという点が人を引き付けるんだと思います。良いビジョンがないと良い人材が入ってこないので採用においてもビジョンはとても重要だと考えます。

 

 

 

ー達成に向けてどのような戦略をお考えですか?

 

 

日本一達成に向けてはIPOが重要だと考えています。今多くの企業が後継者育成に苦しんでおられます。
そのような企業に対し、社長に経営をしてもらいながら後継者を一緒に作るということをしています。
前提として企業の最大の資産は株式です。

その株式を現金化するなどのサポートを行いながら経営者のセカンドキャリア形成や事業承継のお手伝いをしています。

 

 

ービジョン達成が業界の活性化にも繋がるのですね。本日はありがとうございました。

 

ロゴスホールディングス
会社情報
北海道を中心に注文住宅・分譲住宅を設計・施工・販売し、1,000 棟以上の住宅を供給するロゴスホールディングス。ウッドショックなどの価格高騰にも関わらず生産性の高い 施工による適正商品がより多くの消費者に選ばれている。

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