兵庫県を中心に注文住宅を設計・施工・販売し、1,000 棟以上の住宅を供給するヤマト住建。性能の高い商品がより多くの消費者に選ばれている。今回は同社の代表である、中川泰氏(代表取締役社長)に商品開発の取り組みや販売における考え方、経営のモットーなどについてお聞きした。(聞き手:ノウフル編集長狩野)

 

 

ーまず、自社のサービス内容を教えてください。

 

弊社は元々兵庫県の神戸市から創業して今年で36年になります。エリアは関西圏を初めとして関東エリア、中国地方、それと東海地方、それで現時点で37店舗の出店をしております。棟数でいうと昨年が1060棟の引き渡しをさせていただいており、注文住宅が98%の会社です。

 

 

 

ー中川社長は、長らく住宅業界で活動されてきていますが、業界への課題認識などはありますか?

 

 

 

住宅寿命が短いことですね。住宅寿命が欧米は60年以上と言われている中で日本は30年前後と言われています。結果的にお客様にとっても健康に良くなかったりエネルギー効率が悪かったりというデメリットをもたらしている点を危惧しています。

 

健康問題やエネルギー効率問題の根源になっているのは住宅の断熱と気密性能です。外の暑さや寒さをそのまま家に入れてしまえばヒートショックなどの健康問題や電気代などのエネルギー効率問題につながるのは至極当然です。

 

外の暑さや寒さに最も影響するのは窓ですが、欧米では6割以上が樹脂サッシですが、日本ではまだ2割しか樹脂サッシ
を使っていないなどの伸びしろがあります。

 

 

 

ーこのような状況は大気汚染などの社会問題と関わってきますね。

 

そうですね。最近で言えば黄砂が問題になりました。そもそも健康問題で言えば食べ物にお金を使うことがあっても
残念ながら空気にお金を使う人はまだ多くありません。

 

人間が口の中にいれる量で言えば8割が空気であり、水や食料は微々たるものです。空気環境に対応できていないという点も問題視しており、変えていきたいと考えています。

 

ー具体的にヤマト住建としてどのような取り組みをしておられるのでしょうか。

 

 

断熱と気密を上げるために様々な取り組みを行っています。外張り断熱を商品化し、ハウス・オブ・ザ・イヤーで13年連続賞を受賞(大賞2回)、2021年度の省エネ大賞で経済産業大臣賞を受賞しました。今後ZEHを当たり前化し、HEAT20のG2〜3の住宅を標準化すべきと思っています。

 

今後は断熱だけでなく気密を上げるということを強化していきたいと思います。実際に大工さんにC値0.1を目指して頂いており、取得した際には会社をあげて表彰を行っています。

 

ー素晴らしい取り組みですね。さきほどのエネルギー効率という観点ではいかがでしょうか。

 

電気代が高騰している中で屋根という良い課題がある中で太陽光を扱わないのはもったいないと考えています。現時点で太陽光の搭載率は90〜95%ほどです。

 

 

ーこのような取り組みは施主の方々の生活向上の観点で良い効果が期待されそうですね。

 

 

そうですね。弊社ではエアコン一台で全館空調が出来たり、空気循環のシステムなどがあるので室内温度が一定です。結果、当然ヒートショックの防止やエネルギー効率の改善に繋がります。

 

また、それだけではありません。ある大学の調査で居間とトイレの温度差が10℃あれば一日の子供の動きが減るそうですが、逆に言えば室内温度が一定であれば活動量が増え、頭も使うので学力も上がるとされています。

 

これは高齢者にも言えることで健康寿命を延ばすことに繋がります。実際に実証実験として結果が出ているのでこの点も施主さんのメリットとしてあると思います。このような積み重ねでカーボンニュートラルなどにより自然環境問題にも良い結果をもたらすと考えています。

 

 

ーありがとうございます。今後の事業展望について教えてください。

 

他国に遅れをとっている日本の住宅を変えたいと真剣に考えています。健康面とエネルギー面を中心に日本の住宅を世界基準にしたいですね。

 

海外では当たり前であるノン・エナジー・ベネフィット(NEB)という健康面や快適性につながる要素を強化したいと考えています。結果、43兆円の医療費の削減につながり、日本の産業も変わります。

 

断熱性能によって世界を変える気持ちでやっていきたいと考えています。そのためには経営陣の独りよがりでは進めることができませんので毎朝朝礼で役員で毎回ビジョンの話を毎日しています。

 

ーその上でどのような事業や組織運営をされているのですか?

 

 

出店を36店舗していますが、100店舗を目指します。その上でコンビニ業界は立地戦略の精度が高く、効率も良いのでコンビニの居抜きを出店材料にしています。

 

また、100店舗となれば各県1店舗が必須となり、着工棟数が限られる商圏にも展開することが求めれます。そのような場合は売却モデルハウスでテストマーケティングを行いながら展開していきます。

 

まず100店舗を目指し、その後はアジアへの展開を目指しています。アジア展開についてはコロナ前から戦略を推進しております。

 

ーマネジメントについて意識していることはありますか?

 

幹部教育の徹底です。各階層での勉強会を行っています。また委員会運営も積極的に行っており、例えば100年企業を目指す委員会などでは他社のベンチマーク事例などを深く研究する取り組みなどを行っています。

 

 

100年続く企業になるよう地域の皆様にも社員にも愛される会社であり続けます。

 

ー本日はありがとうございました。

 

ヤマト住建

兵庫県を中心に注文住宅を設計・施工・販売し、1,000 棟以上の住宅を供給するヤマト住建。性能の高い商品がより多くの消費者に選ばれている。

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