多くの建築会社において「多角化戦略」は重要な施策の一つであろう。 中でも多角化戦略におけるリフォーム強化は近年、重要性を増している。 リノベ不動産は、不動産の中古の仲介と リノベーションサービスを提供している企業だ。 今回は株式会社WAKUWAKU(リノベ不動産)の鎌田氏に 同社のサービス内容や取り組みについてお伺いした。 多角化戦略やリフォーム事業強化に課題をお感じの会社は ぜひこの記事を参考に多角化戦略について考える機会にしてほしい。(聞き手:ノウフル編集部)

 

ーまず会社の特徴を教えてください。

 

弊社は、不動産の中古の仲介とリノベーションをワンストップでサービス提供しており、事業者向けにサービス提供している国内唯一の会社である点が特徴です。既にこの3年間でのパートナー企業が200社を突破する状態となっています。

 

ー新築建築業界ではリフォームリノベーションや不動産仲介などさまざまな多角化が謳われていますが、やはり多角化は重要な戦略なのですか。

 

そうですね。住宅ビジネスはエリアビジネスなので、その地域の中でどれだけ自社商品のサービスシェアを獲得できるかがすごく重要です。特に、新築住宅の価格高騰が続いてる中で、マーケット自体が縮小していくというトレンドを考えたとき、中古住宅やリフォームビジネスもサービスとして持つことが非常に効率性も上がるのではないかと考えています。

 

 

ーリノベ不動産の加盟店も工務店が多いのですか。

 

建築会社が大体7〜8割の状態で、メインは新築事業者になります。建築会社の悩みとすると、やはりマーケットが縮小していく問題は間違いない事実ですし、原価の高騰に引っ張られ、売り上げは変わらなくとも収益力が下がっている会社が多いですね。そんな中、中古住宅×リフォームは着実にマーケットが拡大してる状況であり、今後も価格の上昇に伴って、その受け皿となる中古住宅の上昇トレンドも続きます。そこに軸足を置いたビジネスを扱っていきたいとのニーズが非常に高いです。

 

もちろんリフォーム会社の参入も多いですが、リフォーム専業の場合だと単価がかなり低い会社が多いですね。例えば、交換リフォームは平均単価50万円です。この中で勝つには激しい価格競争があり、薄利多売の状態から脱することができるかが非常に大きな経営課題となります。弊社では、例えば直営店の平均単価を1300〜1500万円と上げるノウハウが大きな魅力であり、喜ばれている点です。

 

ー多角化においてリフォーム以外にも不動産・建て売りなどさまざまな選択肢がある中で、あえて「中古×リフォーム」が必要だと考えるのはなぜですか。

 

顧客のニーズの多様化が進み、規格化された住宅では満足できないユーザーが非常に増えています。自分にフィットした暮らしを実現させるには、例えば注文住宅ではなかなか手が届かない場合は建売住宅で価格を抑えることも可能です。ですが、この選択肢では決まった住宅に自分を合わせる窮屈感を感じるユーザーが増えてきました。

 

最近だと、中古住宅の買取再販もマーケットとして伸びていますが、安く住宅を購入することができる点でニーズを満たすことができます。価格を抑えながら自分にフィットした暮らしを実現することができる方法として、この中古住宅とリフォームのワンストップサービスはユーザーメリットと経済合理性が高いのです。

 

一般的には、中古住宅を選択肢に入れると6倍ほどに選択肢が増えるため、住みたいエリアに安価で自分らしい暮らしを手に入れることができます。ユーザーにとっては非常に付加価値の高いサービスを提供していると言えます。

 

 

ー住宅会社にとってはどのようなメリットがあるのでしょう。

 

工務店にとっては中古×リフォームはターゲットが一緒のため、注文住宅を買えるお客様は注文住宅で受注を取ることができるし、注文住宅を買うことが困難で価格自体を抑えたいお客様に対しては、中古住宅リフォームのサービスを提供することができます。一方、リフォーム単体の場合はターゲットがそもそも違うので、既に家を持っている人が何かしらの改修をしたいというニーズを常に満たせる集客チャネルを持つ必要があります。

 

同じ集客チャネルで受注活動を効率よく行える点はとても魅力です。ユーザー目線に立っていますし、今の事業と沿った形で集客効率や成約時間が上がり、事業の効率化にもつながります。成約率に関しては、1プロダクトしかないのか2プロダクトあるのかでカバーできる範囲が広がるため、会社全体としての成約率を上げることができるのです。

 

ー事業としての収益率はいかがでしょう。

 

戸建てかマンションかで単価が変動しますが、戸建ての場合だと大体1000万円後半ぐらい、平均の受注単価では大体の粗利ベースで35%ほど獲得できている状態です。圧倒的に参入障壁が高いため、ニーズはあるもののサービスを提供することが難しいとの理由で競合が少ないのです。

 

 

ー事業としてのデメリットはあるのですか。

 

やはり事業難易度が高い点です。中古住宅の仲介とリフォームのワンストップサービスですが、今ある物件が「明日にはなくなってしまうかもしれない」といったオープンマーケットの中で市場が流通している特徴があります。このような中で、対象の中古住宅に対して「どのようなリフォームが可能か」「どのようなデザインでトータルいくらかかるのか」「住宅ローンを組んだ時の金利が何%で月々の支払いがいくらになるのか」など、さまざまな情報が必要となってくるのです。ここまで情報提供ができないと、顧客はその物件を買うべきか判断ができません。

 

マーケットのスピードに合わせて、物件の提案を同時に進めなければならない点が非常にハードルが高いですね。あとはその概算見積もりを出す点に関しても、個別性の高い物件を顧客のニーズに合わせてリノベーションするとなると、個別性の高い物件と個別性が強いニーズを掛け合わせることになります。その場合には変数が増えるため、スピードを求めずに、一定の仕組み化を図る必要がありました。

 

例えば、テクノロジーの活用など精度の高い部分まで踏み込まなければ、さまざまなクレームやトラブルが起こり、利益が残らない状態となる可能性もあります。そこでリノベ不動産では、それらを扱うビジネスをしっかり勝たせるためのコンテンツを量産してきました。

 

一つは集客のメディアです。また、送客サービスだけでなくCRMやマーケティングオートメーションなどのSFAや契約入金管理まで、一気通貫でビジネスプロセスを最適化することができるようなツールを開発して提供しました。デザインのパッケージについても全ツールを提供しています。また、事業を手早く作ることができるツールを提供することで、現在では200社に加盟いただける状態となりましたが、そういったスケールメリット、例えば建材の調達やアフターサービスのコンテンツ部分でも、付加価値を出しやすいよう工夫しています。

 

 

ー200社も導入されている中で、具体的な成果事例はありますか。

 

加盟店全体では、平均売上が1・6倍に増加したとの数値が出ています。また、圧倒的にユーザー目線のサービス提供をしている点が加盟店の社員にとってもやりがいとなっています。ユーザーに喜ばれるサービスは、社員のモチベーションを上げるだけでなく、採用においても非常に強い武器となっていますね。

 

ー素晴らしい成果ですね。本日はありがとうございました。

 

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リフォーム事業を強化したいけど、何から始めればいいかわからない。そのようなお悩みはありませんか?実はこの悩みは多くの住宅会社が抱えています。うちはリフォーム受注ができている、とお考えの経営者様、本当にそうでしょうか。自社のリフォーム受注のうち、新規とOBの比率はどれくらいでしょう? 新規が半分以上でしたら合格ライン、半分を切るようでしたら今後リフォームの売上が縮小していくことは確実です。なぜならOBにリフォーム受注を依存していることになり、OBの発注を請け負い切れば売り上げが伸びないためです。このような中で、新規のリフォーム受注を増やす体制づくりが非常に重要になります。

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株式会社WAKUWAKU(リノベ不動産

リノベ不動産は、不動産会社とリノベーション設計・施工会社を合体させたプロフェッショナルブランドである。「中古購入+リノベーション」という住宅購入手法で、顧客の思い描く「自分らしい暮らし」を提供している。

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