紀の国住宅は和歌山市内を中心に複数の住宅展示場でモデルハウスを展開している。 長年培った信頼や技術力を武器に、注文住宅をはじめ、 リフォームや不動産の売買まで対応する多彩な経営を行う。 今回は同社の代表である、林裕介氏(代表取締役)に 取り組みや販​​売における考え方、 経営のモットーなどについてお聞きした。(聞き手:ノウフル編集長狩野)

 

―まず、御社のサービス概要を教えてください。

 

 

弊社は、戸建て販売を中心に、和歌山と大阪の2拠点で展開しています。和歌山130棟・大阪20棟で、年間販売棟数は150棟になります。サービスとしては、注文住宅以外にも、土地関連事業およびリフォーム事業などを行っております。土地を常時200区画ほど保有しております。社歴については、知名度が高い和歌山を中心に47年展開してきました。

 

―御社の商圏戦略についてお伺いさせてください。

 

昨今チラシでの集客が非常に厳しくなっており、昔は土日で30組来ていたお客様が、今は10分の1にまで減少しました。ですから、SNSやリスティングを中心に、単独展示場と総合展示場からの集客を基盤としています。エリアとしては、和歌山を中心に大阪の泉佐野にも展開しています。

 

商圏戦略については、移動式で増やし続けています。今年で大阪での展開は10年目になりますが、元々は和歌山が中心でした。当時から人口が1万人ずつ減っている状況にあり、大阪に商圏を広げ、和歌山の勝ちパターンを踏襲して展開してきました。

 

 

―ありがとうございます。エリアを拡大すると組織統制が難しくなりますが、どのような取り組みをしているのでしょうか。

 

弊社では、ボウリングや運動会など社内イベントを活発に行っております。また、営業・設計・監督で分業制としていますが、主にセクショナリズムをなくすことを目指してマネジメントを行ってきました。社長就任時に、ウッドショック2年目にインフレといった事態が重なりましたが、外部環境は価格で解決できます。しかしながら、人の問題というのは非常に根深く、就任当初から社風改善を徹底的に意識して経営を行ってきました。

 

組織は人材力を十分に発揮できる環境が重要であると考えており、社内一丸体制を構築するために、経営計画発表会を毎年行うことで組織力を高めています。

 

 

―採用についても伺ってよろしいでしょうか。

 

弊社では、30年前から新卒採用を進めており、現在は7割が新卒になります。実際に、管理職も新卒入社組がほとんどを占めており、中途においても未経験者を積極的に採用しています。未経験の人材はクセがなく素直な方が多い傾向にあると感じており、マネジメントの観点で非常に相性が良いと考えています。

 

新卒の勢いがあるとスタッフにも緊張感が芽生え、組織の構成バランスが整います。このように、中途メンバーに良い刺激を与える点においても、新卒の採用は非常に魅力があると実感しています。

 

―素晴らしい取り組みですね、最後に、今後の事業展望についてお聞かせください。

 

今後は、現在150棟の水準から、和歌山200棟・大阪50〜60棟と比率を上げていきたいと考えています。そして、5〜10年後には、奈良県も視野に入れてエリア拡大を行い、最終的にはハイブランドで20〜30棟、全体で300棟を目指しています。

 

売り上げについては、70億円から80億円への成長を目指しており、住宅事業だけではなく、リフォーム事業で8億円、その他は買取再販などを展開していく方針です。戦略としては、パーパス経営を中心に、規模拡大や給与制度の変更などを行い、社員が誇れる働きやすい会社を目指していきたいです。

 

 

やはり、経営者としては旗を立てないと組織を推進させにくいと感じています。ですから、まずは大きな旗を立てて、そこに社員一丸となって進んでいくことを今後も大切にしていきます。

 

―素晴らしい展望ですね。本日はありがとうございました。

 

紀の国住宅株式会社


紀の国住宅は和歌山市内を中心に複数の住宅展示場でモデルハウスを展開している。長年培った信頼や技術力を武器に、住宅注文住宅を始め、リフォームや不動産の売買まで対応する多彩な経営を行う。

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