サンクスホームは、三重県・愛知県を中心に、豊富なラインナップで、 注文住宅・オリジナルの規格住宅などを展開している。 圧倒的な情報量が生み出す提案力でお客様の自由なニーズに貢献してきた。 今回は同社の代表である台堂貴也氏(代表取締役社長)に、 取り組みや販売における考え方、経営のモットーなどについてお聞きした。(聞き手:ノウフル編集長狩野)

 

ーまず御社のサービス概要を教えてください。

 

 

弊社は三重県と名古屋市を中心に、注文住宅・建て売り・不動産・仲介を展開しており、年間棟数は注文住宅と建て売りで100棟ほどになります。親会社がLIXILのサッシ販売店で、28年前に第二の柱としてアイフルホームからスタートしました。その親会社を含めたグループ全体の売り上げは100億円になります。

 

ー御社はさまざまな商品を開発されていますが、このような動きには、何かきっかけがあったのでしょうか。

 

弊社はさまざまなフランチャイズに加盟してきましたが、よくあるケースとして、本部からは商品が提供されるのみで、集客・営業については自分たちで対応するような形に違和感を抱いていました。ですから、フランチャイズに依存しないで、自社での商品開発に取り組んできました。まずはターゲットを明確にすることが重要で、最近ではミニマリストやミニマリストの生活にあこがれる人たちをターゲットに、ミニマムサイズの住宅商品を展開しています。

 

この商品では、「ゼロLDK」をキャッチコピーとし、必要最低限の居住空間のみとすることで、家が人生の負担にならないよう、無駄を省いています。収納は最小限にし、家具や衣服などはサブスクリプションを利用したりと、物を少なくすることでも生活を豊かにできるようデザインしています。居住に対する負担を減らすことで趣味や投資などにお金を使うことができ、お客様の思い描く豊かさを実現できることを重視しています。住まうお客様のライフスタイルに意識を向けた商品設計となっています。

 

 

ー面白い取り組みですね。具体的にどのような商品でしょうか。

 

LIMINIという商品になります。これはゼロLDKの平屋で、「究極の平屋」と呼んでいます。私自身が伊勢志摩で開催されたG7サミットで使用されたホテルに宿泊したことがあります。宿泊した部屋はリビングと寝室に区切りがなく、必要な空間が一つにあることが非常に心地よいと感じたのです。その経験をヒントに、必要な空間を一つにして無駄なく、しかし心地の良い間取りを創造しました。

 

床面積16坪の無駄のないシンプルな空間。それでいて心地良く、ライフスタイルをデザインしている。このような住宅はなかなかなく、今までいわゆるボリュームゾーンと言われていたターゲット層(ご夫婦+お子様2人)ではないお客様をうまく引き込むことができています。シングルの方や老夫婦、セカンドハウスを求める方などです。また、お客様から「この商品が欲しい」とご来場していただけますので、新人営業でも販売することができます。従来必要であった営業力は要らず、接客力だけで十分販売することができる点は、かなり効率的ではないかと考えています。

 

最近では、都心でSUUMOなどのポータルサイトに月5〜6万円ほどのコストで掲載したところ、60件ほど問い合わせがあったり、また地域にかかわらず来場コストは1万円台を実現しています。

 

 

ー非常に面白い商品ですね。他にも、どのような取り組みがあるのか教えてください。

 

最近では、住宅の販売価格を上げることが難しい中で、棟単価(顧客単価)を上げる取り組みを行っています。家づくりをするお客様の80%は家具を新調するというデータがあります。弊社でも家具を取り扱うことで棟単価を上げています。オンライン上で全国の家具カタログを集め、販売しています。ファニチャープランナーがお客様のイメージや好みを把握したうえで、空間に合わせた家具配置も含めてご提案しています。お客様に住空間のすべてをご提案することで余計な手間を省き、お住まい後の窓口も一本化することでより大きな安心感を得てもらえます。

 

家具自体は家具メーカーから直接の販売となりますが、各メーカーにマージンを設定しています。メーカーによってばらつきはありますが、平均13%程度です。一棟あたりの売り上げが120万円程度ですので、13%だと一棟あたり15万円前後の収益となります。有名なメーカーでなくとも、世の中には良い家具がありますし、ファニチャープランナーの提案により購買意欲を起こせる点も魅力の一つであると考えています。また、弊社ではファニチャープランナー資格の取得サポートも行っております。

 

 

ー不況が続く住宅業界にとっては非常に良い取り組みですね。他にもございますか。

 

弊社では、現場監督の早期育成プログラムを開発中です。監督のなり手が少ない昨今において、この早期育成プログラムは非常に有効な取り組みです。早くても3年かかると言われる監督育成に対して、1年で現場監督になれる教育システムを開発しています。

 

また、社内で大工の育成も行っています。現在は高校の新卒者を採用し育成しています。倉庫内でクレーンを使って上棟から仕上げまでを繰り返し行える施設を保有し、模擬的に大工作業を体験する取り組みを行っています。見て覚える仕組みを、再現性高く実現してきました。座学ではどうしても伝えられない各部の名称や納まり、商品特性などを覚えてもらえる点で非常に好都合な取り組みです。最高速3年で一人前の大工として実際の現場へ出てもらっています。

 

素晴らしい取り組みですね。最近では、工務店のネットワーク作りを考えていらっしゃると伺いましたが。詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか。

 

 

夢を広げる建築集団として、「DXビルダーズネットワーク」を作り、商品が魅力的で営業力に頼らない、属人的でないビジネスモデルを推進しています。これはネットワーク型の組織であり、一棟あたりのフィーは必要ありません。ノウハウの共有組織のような位置づけになります。例えば、加盟店が開発した商品をネットワーク内で取り扱えるようにする仕組みがあったりします。開発・商品化のサポートは当然行いますが、各加盟店が持っている経験や技術・知識などのナレッジを共有する機能の一部です。

 

中には、年間棟数が5〜6棟の工務店でも良い商品を作っているケースがあり、開発に強い会社が販売に強い会社をマッチングし、ビジネスを展開するシナジーを呼ぶことも考えています。また、本部は集客から施工までをサポートし、加盟店への直接反響・来場者を増やしたり、実際の接客営業なども行ったりします。他のいわゆるFC事業とは異なり、加盟店ごとに合わせたセールススキームをもとにサポートさせていただいています。

 

DXビルダーズネットワークには、住宅会社だけではなく、不動産賃貸会社や新聞社なども加盟し、新規事業としての立ち上げまでサポートしています。なかには、事業立ち上げからわずか3ヶ月で1棟を受注する成果も見られました。

 

ー非常に面白い取り組みですね。最後に、今後の展望について聞かせてください。

 

 

今後は、日本で一番影響力がある会社に成長していきたいと考えています。住環境におけるあらゆる事業のリレーションシップパートナーカンパニーとして、お客様・地域・社会をつなぐ会社を目指しています。その一環として、既存事業を伸ばす中でネットワーク事業を強化し、DXビルダーズネットワークをしっかり確立していきます。今後は、料理教室やコミュニティカフェなど、あらゆる場面での「つなぐ仕組み」を構築していきたいと考えています。

 

「つなぐ仕組み」の中には、婚活事業や住宅購入者のポテンシャルを活用したサービスなど、さまざまな事業や活動があっていいと思っています。リレーションシップパートナーカンパニーを標榜して、地域社会やそこに住む人々に「笑顔のある暮らし」を提供し、貢献し続けたいと考えています。

 

ー素晴らしい展望ですね。本日はありがとうございました。

 

株式会社サンクスホーム


サンクスホームは、三重県・愛知県を中心に、豊富なラインナップで、 注文住宅・オリジナルの規格住宅などを展開している。 圧倒的な情報量が生み出す提案力でお客様の自由なニーズに貢献してきた。

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