今回は営業強化における、グリッピングについて説明します。

 

グリップには本来の意味とビジネスで使われる意味があります。本来はラケットのグリップやバットのグリップなど握る意味で使われていますが、ビジネスでは関係性を構築する、認識を合わせる約束するなどの意味で使われています。その上で、住宅業界の営業について考えてみましょう。

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

グリッピングとは

 

一般的に、初来場のお客様は、営業マンに対しての警戒心を持った状態で物件に来場します。この段階では、営業マンとの会話も口数が少なかったり、営業マンの質問に対しても当たり障りのない範囲で返答するにとどまり、十分なコミュニケーションが成立しません。したがって、まずお客様の警戒心を解きほぐし、普通に会話ができるだけの関係を構築することが大切です。

 

言い換えれば普通に話を聞いていただける関係性を作ることが、あらゆる商談においての最初のステップと言えます。どんな営業活動においても、まずは良好な人間関係を築き、好感を持ってもらえなければ話が始まりません。もしグリッピングができないままに話を進めていくと、一方的な説明で終わってしまうだけでなく、不快感さえ与えてしまいかねません。

 

その上で、グリッピングにおいては、大きく五つの要素を踏まえて関係性を構築することが重要です。

 

社会的望ましさ

社会的に望ましさとは、一般的に好感を得やすい特性のことです。社会的望ましさの最も顕著な例は、容姿などの身体的魅力にあり、住宅営業においては、スタッフの身なりや立ち振る舞いにあたります。

 

特に住宅営業では、ターゲットとなるお客様の中心である30代女性から好感を持っていただけるかどうかが最も重要です。下の図をご覧ください。人に好かれる性格ベストファイブをまとめた研究データになります。

 

 

ユーモアや親切などは重要である一方、誠実さが最も重要との結果にいたりました。この誠実さの要素については、むしろベテラン営業よりも、新人の若手営業の方が強い傾向にあります。ですから、特に若手営業はこの誠実さを武器にグリッピングを行うということを意識しましょう。

 

また、下の図をご覧ください。下の図は、整備された飲食店と整備されていない飲食店の比較になります。

 

 

社会的な望ましさは、営業個人に限った話ではなく、会社のスタンスも含まれています。ですから、展示場やモデルハウスに埃があったり、スリッパが揃ってなかったりということも、社会的な望ましさが欠けていることになります。モデル展示場やモデルハウスのしつらえなども意識して、清掃を行いましょう。

 

下の図は、最新の色彩心理学から見る、営業でおすすめのネクタイカラーです。

 

 

黄色は「話しましょう」、青色は「安心してお任せください」、白は「誠実です」、桃色は「面倒を見ます」など。色によって様々な印象を与えることができます。これらを踏まえて、ネクタイの色を変えましょうというわけではなく、ネクタイ一つとっても、お客様にどう見られているのかを意識するくらいのレベル感が必要であるということです。

 

自己開示

自己開示とはその名の通り、営業マンが、自分はどのような人なのかをお客様に知ってもらうことです。人間関係が親密になっていく過程において、個人的な情報交換が非常に重要な役割を果たします。とはいえ、突然自分の話を始めても、お客様は違和感を感じるだけですので、営業マン自身の情報もまとめた自己紹介カードを活用すると効果的です。下の図は、自己紹介カードの要素をまとめたものです。

 

 

自身の写真や年齢・出身地・部活動や特技などを記載して、自身の情報を開示しましょう。また、ポイントとしては大きく三つあります。

 

 

まず一つ目に、趣味・子供・ペットなどの共通点を取りやすいネタを入れましょう。二つ目に、〇〇と誕生日が一緒など、興味を持ちやすいネタを入れましょう。三つ目に、過去の建築実績などのポジション獲得に繋がるネタを入れましょう。

 

返報性

多くの人は何かをしてもらうと、そのお返しをしなければいけないとの心理が働きます。これを「好意の返報性」といいます。好意の返報性について研究した心理学者は、顧客に何らかの行為を提供することで、顧客との関係性が含まれるという結果を発表しています。これを住宅営業で応用することで、非常に効果的なグリッピングに繋がります。ドアを開けてあげる・スリッパを用意する・お子様へのプレゼントを準備するなどが挙げられます。

 

態度の類似性

態度の類似性とは、意見や態度、過去の経験が一致するとお互いに好感を持つというものです。先ほどの自己紹介カードや世間話の中から、お客様と共通点を見つけることで、その効果が発揮されますし、話す速度や言葉遣い話をするときの姿勢など、相手に合わせることも、態度の類似性を生かしたグリッピングの手法といえるでしょう。地元ネタ・共通の趣味・お客様と同じドリンクを頼むなどもその一つです。また、お客様の来場アンケートから類似性を探すのが非常に効果的です。

 

単純接触

心理学者ザイアンツの実験によると、印象が中立の場合、接触回数や接触頻度が増すほど、好感度が上がるという結果が出ています。第一印象が悪くないのが前提ですが、お客様と何度も接触することで、好感度を高めることができます。印象が良ければ、当日の御礼・訪問・お礼状などが効果的でしょう。

 

本日のまとめ

 

改めて、本日のまとめをお示しいたします。

checkbox営業では、お客様の警戒心を解きほぐし、普通に会話ができるだけの関係を構築することが重要である

営業の際には、スタッフの身なり・会場の清潔感・丁寧な接客などを意識することが重要である

checkbox顧客に対しては、自己開示や共通の話題など用いた会話を行うことが効果的である。

接客の際には、顧客との接触頻度を増やして良い印象を与えることが重要である。

 

以上、本日はお客様と関係性を構築するためのグリッピングについて見てきました。

 

この取り組みは営業の初回接客、もっと言えば、名刺交換のタイミングで重要になる手法ですので、しっかりと意識することが重要です。特に若手営業はグリッピング力が武器になりますので、体得して活用していきましょう。

 

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