今回の住宅営業見聞録も、前号に続き、土地付き営業について見ていきましょう。

 

まず、下の図をご覧ください。こちらは、土地探しについて営業の流れを示したものです。

 

 

10月号では「土地探しのポイント」を、11月号では「条件の確認」について見てきました。今回は、その次のステップである「マスト・ウォントの明確化」について見ていきます。10月号と11月号の内容を押さえた上で、読み進めていきましょう。

 

なお、前号の10月号と11月号の内容を押さえた上で、読み進めていきましょう。潜在客の熱上げテクニックと条件確認のテーマについては、下記に記事を記載しましたので、併せてご覧ください。

 

 

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

土地探しの鉄則

 

まず、次の図をご覧ください。この図にあるように、安くて良い土地、あるいは高くて悪い土地は、世の中に存在しません。

 

 

土地は、待っていれば新しいものも出てきますが、同じ地域と予算で探している間は、どれだけ待っても似たような条件の土地しか出てこないのです。したがって、すべての条件を考慮し、100%満足のいく土地を探すことは不可能と言えるでしょう。つまり、土地購入の鉄則は、80%程度で満足のいく土地を購入することになります。

 

 

この点を、土地探しをしている見込み客に納得してもらう必要があります。そして、その交渉を実現するためには、土地選びのマスト・ウォントを整理することが重要になります。なお、マスト(MUST)とは絶対に譲れない条件を指し、ウォント(WANT)とは、できれば叶えたい条件を指します。

 

 

マスト・ウォントを考える上では、大きく二つのポイントがあります。一つ目は、マストとウォントの洗い出しです。例えば、ご夫妻のこれだけは譲れないという要望に、4LDK・2500万円以内・南道路の条件があるとして、これらをマストとします。さらに、できれば叶えたいウォントとして、10畳以上のリビング・スーパーが徒歩5分以内・収納が充実している・実家から近い・周辺に坂がないといった条件があるとします。このように、まずはマスト・ウォントの条件を洗い出すことが重要です。

 

 

続いて二つ目のポイントは、マストとウォントの順位付けです。下の図にあるように、マストにおいてもウォントにおいても、優先順位の観点で希望条件を整理することが重要となります。また、自社物件、あるいは落とし込みたい物件に対して、希望の条件が適合しているのかという点も、丸・三角・バツなどで記入しておくと、営業がしやすくなるでしょう。

 

 

マストとウォントの条件に関しては、大事なポイントが三つあります。まず、一つ目に、マストを極力減らすことです。

 

 

例えば、土地提案をする際、この条件を限定されたら探しにくい、見つかりにくいといった項目を事前に洗い出しておきましょう。

 

 

例えば、Aパターンに関しては、エリアと面積を絞られてしまうと土地が探しにくくなります。Bパターンの場合は、エリア・面積・学区の三つをマストにされてしまうと、土地が探しにくくなります。このような場合は、マスト条件を外すように誘導することが営業の上で重要なスキルとなります。例えば、南道路がいい・駅近がいい・学校の近くがいい・といったマスト条件がある場合は、この条件にこだわらなくてもいいという考えに顧客を誘導していく必要があるのです。

 

 

では、ケーススタディーを見ていきましょう。まず、流れとして、現状を把握するための質問を行い、メリットへの共感とデメリットの示唆を行います。そして、デメリットを詳しく説明した上で、気にしなくてもいい旨の合意をとる流れに持っていきます。

 

例えば、南道路を希望するケースでは、日当たりが重要なのかを確認し、メリット共感とデメリット示唆を行った上で、具体的なデメリットと適する案を提示し、気にしなくてもいい旨の合意をとります。具体的なトークは、下の図のようになります。

 

 

次に、駅近を希望する場合のトークを見ていきましょう。

 

 

また、学校の近くを希望する場合は、次の図のようなトークになります。

 

 

このように、マスト条件を整理した上で、不利な条件は、営業担当者自らが外しにいくことを心がけることが重要となります。

 

 

次に、条件に関する二つ目のポイントとして、同条件でエリアを探すことについて見ていきます。まず、現在の土地希望の条件にて、良いものが見つからないお客様への対応として、購入できる条件を整理してみましょう。

 

 

例えば、予算が3300万円・建物の面積が35坪程度・建物価格が1700万円程度・土地希望条件は土地面積が60坪以上・エリアがつくば市の二の宮小学校だったとします。このような場合であれば、例えば、下の図のような土地のランク表を作成することが効果的です。

 

 

まず、土地の相場一覧表というものを平米数・坪数・面積ごとの土地の相場という形でまとめておきます。そして、小学校や住宅地から見つかるレベルの評点を、各エリアにつけておくのです。こうすることで、瞬時に適切な相場観を踏まえた土地提案ができるようになります。以上の内容を踏まえて、最後に三つ目のポイントであるテストクロージングについて見ていきます。

 

 

土地探しにおいては、冒頭でお伝えしたように、見込み客は100点の土地を探そうとします。ですから、営業の立場として、いかに80点の土地で妥協してもらうかが鍵となります。その観点で、テストクロージングが重要となるのです。ですから、マスト条件を整理した上で、下の図にあるように「この要望が叶う物件であれば、お求めになりたいということでよろしいですね」とテストクロージングをかけておきましょう。

 

 

マスト条件においては、探しにくい条件を外しておくことが重要ですが、その上でテストクロージングも行うことによって、最終的な契約につなげやすくなるのです。

 

本日のまとめ

 

改めて、本日のまとめをお示しいたします。

checkbox土地購入は80%で満足のいく条件にて提示することが重要である。

土地購入においては、マスト・ウォントの条件を洗い出すことが重要である。

探しにくい土地条件は、デメリット示唆と代替条件の提示にて外すことが重要である。

提案の際には、相場一覧表などの活用で条件を整理し、テストクロージングを行うことが重要である。

 

以上、今回は、土地付き営業フローにおける三つ目のステップであるマストとウォントの明確化について見てきました。

 

このように、絶対必要な条件とできれば欲しい条件を整理し、特に、絶対必要な条件を叶えるのが難しい場合は、代替え条件に切り替えるよう誘導していく取り組みを入れることが重要になります。このようなポイントを押さえながら、土地契約を増やしていきましょう。

 

引用

 

 

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