今回は、購買心理の流れの中盤にあたる「コーチング」について見ていきたい。

 

コーチングとは、よく組織開発などで使われる言葉である。相手の話に耳を傾け、観察や質問、時には提案を行いながら、相手の内面にある答えを引き出し、目標達成を目指す手法のことである。特に重要なのは、「目標達成を共に行う」という考え方である。前提として、この点を押さえておいていただきたい。

 

 

では本日の目次を示そう。

 

 

コーチングとは

 

下の図は、質問スキルにおける3つのレベルを示したものである。

 

 

まずリスニングとは、お客様が言った要望をそのまま受け止めている段階である。次にヒアリングとは、お客様の要望の背景や理由を深掘りし、真の要望を共有できる状態のことである。

 

そしてコーチングは、先ほどお伝えしたように、単にヒアリングなどを行うだけではなく、目標達成のためにどうすべきかまで提案するところまで行うものである。ただ単にリスニングやヒアリングをするだけではなく、顧客と共に目標を達成するというスタンスを持つことが、コーチングの重要な要素である。

 

そもそも顧客の目的は何だろうか。顧客が求めているのは住宅そのものではなく、「豊かな暮らし」である。ある学者は、「人々は4分の1インチのドリルが欲しいのではない。人々が欲しいのは4分の1インチの穴である」と語った。

 

 

これはどういうことだろうか。例えば、ホームセンターにドリルを買いに来ている人がいるとする。その人にドリルを提案することが、本当に良い提案なのだろうか。いや、そうではない。ドリルを買う目的は穴を開けることである。

 

 

したがって、穴を開けるという目的をどのように達成するのかをしっかりと伝えることこそが、真の提案なのである。そのためには、コーチングというアプローチが必要不可欠になってくる。このように、顧客が求めているものが豊かな暮らしである一方で、住宅営業パーソンがモノの提案ばかりしていては、どこか的外れな提案になりかねない。

 

 

営業パーソンとは、顧客の目標達成に向けた伴走者であり、そのための数ある手段のうちの一つが住宅に過ぎないのである。これが、コーチングにおける非常に重要な考え方である。では、この顧客の目標をどのように達成していけばよいのだろうか。

 

ここでは、トヨタ生産方式に学ぶのが適切である。トヨタでは、末端の工場員に至るまで、トラブルが発生した際に「なぜ」を5回問うという習慣が構築されており、それによって現場で高い問題解決力が発揮されている。

 

 

この問題解決の考え方は、一時期ベストセラーとなる書籍が数多く生まれるなど、大きなブームとなった。

 

 

しかし、問題解決の基本的な考え方自体は非常にシンプルであり、下の図の通りである。

 

 

そのギャップに対して原因を抽出し、洗い出していく。この際、原因は10個、20個と多く挙がることが一般的である。そこで「なぜ」を5回問い続けていくと、多くの原因の中から真因と呼ばれるものが3つほどに集約されてくる。その真因に対して対策を立案し、優先順位をつけたうえでアクションプランを設定する。

 

これが、問題解決の一般的な流れである。

 

住宅営業におけるコーチングとは

 

住宅営業のコーチングに当てはめてみよう。顧客が求めているのは、顧客自身の幸せである。そのためには、当然ながら自社の商品を提案するだけではなく、資金計画を立ててあげる、土地探しをサポートしてあげるといったことも重要になる。

 

 

このように、自社の利益に直接つながらないようなことに対しても真摯に向き合い、対応し、顧客の幸せを実現するというスタンスこそが最も重要である。この考え方を持つことで、単なるモノ売りの営業ではなく、最終的な課題解決型の営業へと切り替えることができる。

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