株式会社リバティホームは東京都の城東エリアを中心とする住宅会社で、 「我が家の気持ちで家づくり」をスローガンに掲げている。手掛ける住宅の半数が、敷地10坪~30坪台での3階建て住宅で、介護事業・リフォーム事業も展開している。今回は、同社の代表である三浦新一氏(代表取締役)に、 取り組みや販売における考え方、 経営のモットーなどについてお聞きした。
―まず、御社の特徴をお伺いさせてください。
弊社は東京都の城東エリアを中心に展開しており、23区のうち20区を商圏としています。年間の注文住宅着工数は50~55棟、売上高は20億円です。建て替えなどにも対応しており、東京都という地域特性上、土地は22~23坪、建物は平均35坪になります。また、弊社は狭小住宅を得意としており、3階建ての住宅が全体の約6割を占め、3,300〜3,400万円の価格帯で、このエリアでの累計販売棟数は1,400棟に達しています。
ー都心で狭小住宅を展開するのは非常に合理的な戦略ですが、経営上で特に意識されている点はありますか。
狭小住宅を1人でも多くのお客様に提供するために、経営ポリシーを3つ掲げています。その内の1つが「地域密着」です。弊社は創業から58年の歴史があり、事業展開においてもエリアを広げるのではなく、深掘りする戦略を取っています。また、「健全経営」をモットーとし、長年にわたり無借金経営を続けてきました。今後、大工が減少していく可能性を見据え、専属棟梁制を採用して15名の大工が準社員として活動しています。
ー非常に堅実な経営をされていますね。東京という特殊なエリアでの集客は難易度が高いと存じますが、どのような取り組みをされていますか。
初代は街の不動産屋で建売を展開しておりましたが、時代の波もあり、私が2代目として注文事業を開始いたしました。商圏では土地15〜20坪が多く、当時3階建てが建築許可が出たため、スタートいたしました。ハウスメーカーが競合になりますが、狭小地を最大化した間取り提案を行って差別化をはかっています。
ー素晴らしいですね。販売ルートの構成についてはいかがでしょうか。
ルートはリバティパークという多棟モデル戦略をとっています。3階建てモデルハウスと2階建て小屋裏収納、ショールームを社屋近辺に並べて建てています。自社を初めて聞く方が多いので家造りを知ってもらうという目的で総合展示場と違い狭小地を表現しやすいことを狙って立ち上げました。
弊社では、本社近隣に単独の展示場を設けてショールームも併設し、土地24坪前後の敷地より、イメージがしやすい等身大のモデルハウスを展開しています。3階建ての場合、2階がキッチンのレイアウトとなり、庭が取れない分は屋上スペースを活用するなど、狭小住宅ならではの工夫を盛り込んでいます。結果、近年はお客様の来場数が増加傾向にあり、年間約1,000件の資料請求と約500組の来場があります。
また、営業活動では完成見学会を中心としていますが、タイミングが合わない場合もあるため、初回面談はモデルハウスへ誘致し、ショールームの見学や意識調査、資金計画などを実施しています。さらに、中長期のお客様にはイベントへの誘致も行っています。こうした取り組みを実現するために、複数棟のモデルハウスを用意し、その中で十分な時間をかけた面談を行っています。集客においてはHPなどのプロモーションよりもルートをどのように構築するかが大事だと考えています。
ーありがとうございます。最後に、今後の展望を教えてください。
今後の展望については、10年ビジョンを掲げています。弊社は多角化経営を目指しており、10年前からリフォーム事業を開始しました。現在は、不動産賃貸や管理、介護なども含めた幅広い事業展開を行っていますが、そこで、注文住宅での年間100棟・売上30億円、リフォーム事業での3拠点・売上10億円の達成を目指しています。また、不動産および介護事業では3店舗・5億円、その他の事業で5億円を見込み、全体で合計50億円の売上を目標としています。これからも「地域密着」と「健全経営」を意識し、地域に愛される企業を目指す方針です。
ー本日はありがとうございました。
株式会社リバティホーム
東京都の城東エリアを中心とする住宅会社で、 「我が家の気持ちで家づくり」をスローガンに掲げている。手掛ける住宅の半数が、敷地10坪~30坪台での3階建て住宅で、介護事業・リフォーム事業も展開している。