今後、戸建て市場が縮小していく中でOB客を対象とした大規模リフォーム受注を増やしたい、とお考えの経営者は多いのではないでしょうか。一方で、新築の顧客と事情が違うゆえ、苦戦されているケースも多いと思います。
こちらはある経営者の悩みです。
リフォームを増やしたいのは増やしたいが、小ぶりな案件は対応出来ないんだよな・・・。
出来れば大規模工事を増やしたい。
でもそんな都合がいい訳ないよね。。。
新たにリフォーム部門を作る訳にはいかないし、今のメンテナンス部隊で手一杯だよな。
そもそもメンテナンスはクレームが多くて皆行きたがらないんだよな。。。
チラシを撒いてもまったく集客はないしどうしたらいいのやら・・・。
こちらのケースだけではなく、多くの住宅関連企業・工務店でリフォームを低額で割に合わない・・・クレームの温床だ・・・という考えで敬遠されているのではないでしょうか。
本日はこのようなお悩みについてどのように対処すべきかをお伝えいたします。
では本日の目次をお示しいたします。
目次
大規模リフォームとは?
まずリフォームについての考え方を理解しましょう。
リフォームについては、単価に応じて4つの段階に分けられます。
一つ目がリノベーション。空間自体を変革するリフォームを指します。二つ目が、リモデルで間取り、設備、あるいは断熱工事など空間をバージョンアップすることを指します。三つ目が、リフレッシュで、壁紙の張替え、キッチンの入れ替え、あるいは必要に応じて設備や構成のリニューアルすることを指します。リペアは、修繕や部材の交換などの処置を指します。
そして、リモデルとリフレッシュを境に大規模工事と小規模工事に分かれます。この大規模工事をいかに増やしていくのかということが今回のテーマになります。結論から申しますと、OB向けに、集客営業商品いわゆるマーケティング体制を構築するということが重要になります。
集客については、オーナー向けの大規模工事に向けた集客が重要です。営業については、メンテナンス訪問を軸にした営業活動が重要です。商品については、大規模工事を主軸とした商品開発が求められます。では一つ目OB向けの集客体制について見て参ります。
大規模リフォーム獲得に向けた集客構造
こちらはある経営者の悩みです。
そもそもうちはOBの数がそんなにいないんだよな・・・。
メンテナンスに行ってもなかなかオーナーとゆっくり話も出来ないし。
企画?
新規向けにはしてるけどOBにはしてないよ。
OBにも企画が必要なの?
でも新規とは事情が違うだろうし、何をすればいいか分からないよ・・・。
多くの住宅関連企業(工務店)ではメンテナンスに行っても、なかなかオーナーとゆっくりお話が出来ない、あるいはOB向けの集客体制のイメージがつかない・・・思われているのではないでしょうか。
ここからは、ある住宅会社の成功例を交えて見て参ります。下の図をご覧ください。
こちらはある会社のOB向けの集客体制になります。例えばOBに対して、DMという形で、外壁屋根などのキャンペーンをご案内したり、水回り商品に関するキャンペーンをご案内したり、ということをされています。また、多くの会社で会報誌を定期的に発行されておられると思いますが、その会報誌の中で、リフォームの特集を掲載し、需要を掘り起こすということを行っております。
また、下の図では、オーナー向けにリフォームのセミナーを開催する事例になります。
この会社では、リフォームセミナーのレジュメあるいは、講師シナリオをすべてまとめ上げ、どの営業マンでも同じトークが出来るような体制を作っております。最初はベテランの営業マンが講師をしていましたが、今では新卒1年目の若手の営業マンが勉強も兼ねて講師をするといった体制を実現しております。
続いて、OB向けマーケティングの営業領域について見て参ります。
大規模リフォームに向けた営業構造
こちらは、ある経営者の悩みです。
チラシを作ったところでメンテナンス訪問も何か細かいルールがあるわけじゃないからな・・・。
なかなか効率的に訪問するってわけにはいかないよ。
しかもメンテナンス部隊って言っても2人しかいないし、新たに仕事をお願いしたら嫌がるだろうな・・・。
OB様ごとにこのタイミングで何の訪問をする、なんてスケジュールをが立てれたら
早いんだけど、そうはいかないよね・・・。
このように、メンテナンスを担当する社員が比較的少ない、または効率的に訪問出来ているわけではないと言った住宅会社は多いのではないでしょうか。
OB向けのマーケティングにおける営業は、効率的な接点作りが非常に重要になります。
下図をご覧ください。
こちらはヘーベルハウスのメンテナンススケジュールになります。ヘーベルハウスは、アフターメンテナンスの仕組みを構築し、効率的な接点作りを行っております。この活動の中で、先ほどお伝えした。リフォームセミナーや、リフォームキャンペーンのご案内を効率的に行っているんですね。
最後に、OB向けマーケティングの商品領域について触れて参ります。
大規模リフォームに向けた商品構造
こちらは、ある経営者の悩みです。
リフォームの提案をいざしようとしてもなんというか、まとまらないんだよね。
おまけに少額のリフォームが多くなっちゃって。。。
どうしたらいいんだろうか。
もう少し大規模な案件が欲しいんだけど、そういった物件はたまーに落ちてくるくらい。
会社の仕組みとしてそういった案件を増やしたいんだけどなかなか難しいよなあ。
このように、大規模な案件ならばいいものの、結果的にどうしても少額のリフォームが多くなってしまうというケースがあるのではないでしょうか。
では、どのようにして大規模なリフォーム案件を増やすことが出来るのでしょうか。
結論から言えば、「特定の世代を狙ったサービスを開発すること」が非常に有効な手段になります。一重にOBといっても多くの世代が存在します。その中でやはり、大規模リフォームを求める層はある程度高齢であることが予測されます。ですから、例えば、「55歳からのリフォーム」といった年齢を絞った商品を作るということが重要になります。
さらに、単価の低い切り売りではなくコンセプトでまとめ上げることが重要になります。例えば、「自分の秘密基地を持つ空間」や「家事がしやすい空間」など、コンセプトを決めてまとめ上げることによって、選ばれる大規模リフォーム商材にすることが出来ます。
以上2点を踏まえて商品開発をすると、大規模リフォームの高額物件を獲得することが比較的容易になります。
大規模リフォーム獲得に必要な「ペルソナマーケ」とは?
しかしながら、それだけでは大規模リフォーム受注はうまくいきません。
なぜでしょうか。それは新築住宅と大規模リフォームはターゲットが全く違うからです。
下の図をご覧ください。下の図は、一次取得者層をターゲットとした新築のマーケティングにおけるターゲットです。
一方で、下の図をご覧ください。こちらは大規模リフォームを獲得する上でのターゲットになります。
明らかに年齢、あるいは関心事というものが違う点がお分かりになるかと思います。ですからペルソナを踏まえて、先ほどの集客・営業・商品の体制を作ることが重要になります。
では本当にターゲットが違うだけでアプローチを変える必要があるのでしょうか。下記の図をご覧ください。こちらは男性のファッション誌、女性のファッション誌の色合いを比較したものになります。
ご覧の通り、広告に使用するカラーですらここまで大きく変わってくるんですね。
また、下の図をご覧ください。
こちらは、各媒体を使用しているターゲットの違いを表した図です。Twitterは学生、Instagramは女性など広告媒体も大きな違いが出てきます。当然ながら、戸建の新規集客はWEB広告である一方で、大規模リフォームについては、新聞折込という違いが出てくるんですね。
ですから、正しくペルソナから逆算したマーケティング活動が非常に重要になります。
最新技術を活用した大規模リフォーム獲得ノウハウ
最近では、このようなOB向けのマーケティングをすべてアプリで完結するケースも出てきております。
こちらの図は、OBをアプリで囲い込んで、その中で紹介活動の促進や大規模リフォームサービスの案内をしているケースになります。
下の図は一条工務店の事例です。
アプリの中で、アフターメンテナンスの必要な部位や症状、そして実際の写真を掲載してもらい、比較的効率的に顧客との接点を作っています。
さらには正しくデータを取得することによって、クレームが減少するといった副次効果も出ております。
また、アプリを通じてキャンペーンを案内することも出来ますので、比較的アプリを活用したOBマーケティング効果的です。
なお、こちらのアプリを活用した成果事例については以下の記事にまとめておりますので併せてご覧ください。
本日のまとめ
改めて、本日のまとめをお示しいたします。
大型リフォームを獲得するには「OB向けの集客・営業・商品」体制が必要である
集客についてはチラシや会報誌を活用することが重要である
営業についてはメンテ訪問体制を構築し、効率的な提案体制を構築することが重要である
商品については大規模リフォーム商材のパッケージングが重要である
併せてペルソナから逆算した設計が重要である
オーナー向けのマーケティングは、新規のマーケティングとは対象は全く違う点がありながらも集客・営業・商品といった考え方は同じですので、その点を意識しながら構築をしていきましょう。