今回は社長一人で新規事業を立ち上げ、3年で10億を達成した愛知県S社について見て参ります。まず簡単にS社の説明をいたします。S社は愛知県を中心に展開しており、地場で建設業を営んでおり、住宅販売から日本まで幅広く展開している企業です。

 

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

当初の課題

 

下図はS社が抱えていた課題と目標、ギャップを埋める為の対策を記した図になります。順に説明致します。

 

 

S社は元々「グループとしての売り上げを向上させたい」という気持ちがありました。また、それだけでなく「せっかく新規事業を始めるなら世の中に価値のある(社会課題を解決する意義のある)事業を始めたい」という気持ちが強い傾向にありました。

 

逆に言えば既存事業は、現状よりも拡大することは困難であり、社会的な意義を持ちにくいという側面があったと言えます。このような状況下で「社会的意義のある新規事業で売上を拡大する」という目標に対して新たな事業を展開する人手や経験がなく、さらには採用自体が困難な時代であり、どのような新規事業を立ち上げるべきかを模索していました。

 

そのような折、S社は中古×リノベーション事業を立ち上げる意思決定をし、さらには社長一人で始めたにも関わらず3年で10億まで拡大することに成功しました。ここからはまず、S社が中古リノベーション事業を立ち上げる意思決定をした背景から説明いたします。

 

一般的に新規事業は「業界規模」「社会課題」「採用市場」において三方良しが大前提となります。ですから中古×リノベーション市場をこの3つの観点で見ていきたいと思います。

 

 

 

下図をご覧ください。こちらはある新聞の記事になりますが、中古が新築を逆転する現象がこの5年ほどで起こっております。新築市場自体は飽和状態であり、一方で中古物件の流通量が年々増加傾向であることからこの逆転現象が生じています。

 

 

 

さらにグラフで見てみましょう。2016年から中古の取引量が新築を4年連続で上回っており、これからは新築よりも中古が市場として拡大すると言われております。この逆転現象は今後さらに広がる傾向があり、中古×リノベーション市場という業界規模が拡大することはお分かりいただけるでしょう。

 

 

 

二つ目の社会課題です。下の図は「日本の空き家比率」を表したグラフになります。ご覧の通り日本では空き家が年々増加しており、地方の過疎化という側面と合わせて、日々、社会的な課題として深刻さを増しております。このように中古×リノベーション事業は社会課題を事業として解決することに直結するので非常に有意義なビジネスと言えます。

 

 

三つ目に採用市場です。事業を始める上で採用は収益化の生命線です。採用がしやすい市場かどうか、という観点も新規事業において重要になります。近年SDGsという考え方が広がりつつありますが、採用においても非常に重要な視点になります。下の図は、「企業が社会的・環境的課題に取り組むべきだ」という考える層を世代別に記したグラフになります。

 

 

ご覧の通り、年代が若くなるにつれて比率が高まっており、社会的・課題に取り組む企業が採用においても人気市場になっています。また、中古×リノーベーション市場に関しては「ライフスタイルを創造する」という側面があり、この取組自体が若い層からの支持を集めています。

 

以上、中古×リノベーション市場は「業界規模」「社会課題」「採用市場」という新規事業3原則に則った三方良しの事業なのです。改めてまとめると下記のように、「①業界規模が拡大しており」「②社会課題を空き家問題という形で解決し」「③採用市場は人気市場」であると言えます。

 

 

ではここから実際に中古×リノベーション事業参入にどのようなメリットがあるのかについて触れてみたいと思います。

 

新築販売よりも1,000万円前後安い
まず一つ目に、「新築販売よりも1,000万円前後安い」点が挙げられます。下の図は新築と築30年の中古リノベーションを表した図ですが、新築と比較しても、中古リノベーションは1,000万円ほど安く提案することができます。

 

 

1,000万円×35%と収益性が高い

二つ目に1,000万円×35%と収益性が高い点です。下の図は一般的な不動産会社の収益モデルになります。一般的には物件価格の3%が仲介手数料になる為収益は100万を切ります。

 

 

一方で下の図をご覧ください。下の図は、中古物件の仲介手数料に上乗せする形でリノベの利益が300万ほど入りますので、およそ一般的な仲介ビジネスの3倍以上の収益を確保することが出来ます。

 

 

 

相見積もりにならない

三つ目に相見積もりにならないというメリットがあります。一般的に中古×リノベーションは、物件仲介とセットでリノベーションの提案をするため、仲介後に他決することは理論的にありません。併せて1週間以内で契約まで進めることが出来るので、非常にスピーディーな収益化が見込めます。

 

 

参入しやすい

次に参入のしやすさがあります。下の図は建築機能の有無、不動産機能の有無で分類をしております。建築地機能があるリフォーム会社や新築工務店は当然ながら参入が容易ですし、不動産機能しかない不動産会社に関しても参入が容易です。

ここからは会員限定(無料)となります。
ログインもしくは会員登録の上ご覧ください。

会員の方ログインID(メールアドレス)
   

この記事が気に入ったら
いいね!をお願いします

最新情報をお届けします

フォローすると最新情報がTwitterで確認できます