前号では、「聴く力の落とし穴」や、「 聴く力を高める基本スキル」について解説した。本号では、残る 「聴く力を高める基本スキル」について解説していく。

 

 

第二回、三回については、下記の記事に掲載しているので併せてご覧いただきたい。

 

では本日の目次を示そう。

 

 

「聞く」と「聴く」の違い

 

まず、目的を整理しよう。リーダーにおいて、なぜ聴く力が必要とされるのだろうか。

 

それは、スタッフを理解し、信頼関係を強固にするためである。強固な信頼関係は、組織で仕事をする上で絶対に欠くことのできない重要な要素である。その信頼関係を構築するために必要なのは、「互いの理解」である。下の図にあるように、継続して成果を上げるリーダーは、スタッフと協力して仕事ができる信頼関係を築いている。

 

 

こうしたリーダーは、スタッフの話を聞くことに多くの時間を費やしているという特徴がある。では、聴くスキルにおいて、どのような状態を目指すべきだろうか。「聴く」においては、以下のような状態を目指そう。

 

 

「きく」には「聞く」と「聴く」という表し方があるが、その違いは何だろうか。「聞く」とは耳で聞く機能的な行為であり、単に話が聞こえているだけの状態を指す。一方、「聴く」とは心で聴く行為である。例えば、スタッフの声の調子や表情、目の動き、身振り、発言などから、その気持ちを受け止め、理解しようと努めることである。

 

つまり、「聴く」とは消極的な行為ではなく、相手の感情や意見を「分かろうとしていますよ」と伝える積極的な行為である。このような行為を「積極的傾聴法」と呼ぶ。

 

聴く力を高める基本スキル~前号の続き~

 

前号では、聴く力を高める基本スキル五つのスキルのうちの二つ、「体で聴く」と「表情で聴く」について紹介した。

 

三つ目は、「口で聴くこと」である。コミュニケーションを取る上では、会話のリズムが重要である。リズミカルでテンポよく進む会話には、美しさと分かりやすさが生まれ、話し手は話しやすさを感じることができる。

 

会話の中で効果的に相槌を入れたり、スタッフの話を促したりすることで、話しやすい雰囲気をつくることができる。逆に、無理に話を進めたり、気のない返事をしたり、結論を急かす言動は、スタッフを焦らせたり、不快な印象を与えたりしてしまう。口を使って相手の気持ちを受け止め、会話を円滑に進めるためには、下記のような方法がある。

 

 

四つ目は、「オウム返し」である。相槌の一つであり、オウムがそのまま復唱するように、相手の言ったことを繰り返すことを指す。

 

例えば、「昨日、お客様から言われたことがとても嬉しかったです」と言われた場合には、「嬉しかったのか」と繰り返す。また、「今度のサービスは特徴を伝えるのが難しいです」と言われた場合には、「難しいのか」と繰り返す。人は自分の言ったことをそのままオウム返しにされることで、じっくり聞いてもらっていると実感し、安心感を得て話しやすくなるのである。例えば、ケーススタディとして、下の図のような取り組みを行うことが挙げられる。

 

 

五つ目は、「最後まで聴く」ことである。リーダーがスタッフの話の途中で口を挟み、勝手に結論づけてしまうことはよく見られる光景である。特に、話の長いスタッフの場合はなおさらである。

 

リーダーにはすぐに理解できる内容であっても、スタッフは一つひとつ丁寧に伝えようとするからである。それにもかかわらず、リーダーが自分の時間や意見を優先し、話を最後まで聞かないコミュニケーションを取り続けると、スタッフはどうなっていくだろうか。次第に「聞いてもらえない」という感情を抱き、やがて「言っても無駄だ」という気持ちになってしまう。それでは、スタッフがリーダーの話を聞こうとする姿勢も失われ、組織内の協力体制は低下していく一方である。このような状態を招かないためにも、スタッフの意見はしっかりと最後まで聞かなければならない。

 

 

例えば、下の図のようなケーススタディを踏まえながら、自身の関わり方を振り返り、改善につなげていこう。

 

 

引用

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