編集を終えて
今回もノウフルを通して、売り上げを上げるためのノウハウを紹介してきた。ノウフルは、人・物・金に次ぐ第4の経営資源である情報を、平等にさまざまな住宅会社に伝えることができたらと思い執筆している。
また、それだけではなく、常々を伝えしているように、今後住宅業界においては集客大恐慌が到来する。そのような中で、ノウフルは、単なる販促ではなく、商品戦略・価格戦略・立地戦略を踏まえた広義のマーケティング、いわゆる「シン・マーケティング」の浸透を目的としている。今回もこの「シン・マーケティング」というテーマに沿って編集後記を記し、本号の締めくくりとしたい。
写真力の重要性
多くの住宅会社が商品開発を日々行い、顧客に受け入れてもらえるためにランディングページやパンフレットを作ったりしている。しかし、全く商品が売れないと言って嘆いているケースが多く見られる。
このような場合に、一体何に気をつけて商品強化をしていくべきなのだろうか。まず前提として、ノウフルをお読みいただいてる多くが注文住宅を販売している。この注文住宅とは、建売とは違い、顧客がこだわりを持って要望を盛り込むことが前提となる。
このような場合当然ながら、デザイン性というものが求められてくるのであるが、このデザイン性をしっかりと意識して、販売活動を行っているだろうか。まず、下の図をご覧いただきたい。
二つのハンバーガーが並んでいるが、どちらのハンバーガーを食べたいだろうか。多くの読者は左側と答えるであろう。当然このような飲食において、メニューに右のような写真を載せるケースは少ない。
しかし、住宅業界においては、ホームページの施工事例が、まさにこの右の写真のようになっているケースがよく見られる。例えば下の図をご覧いただきたい。
こちらの図は、施工写真に影や電線が写っていたり、背景が曇り空だったりするケースである。このような場合、本当に注文住宅としてプライドを持って売るつもりがあるのか、ということを問いたくなる。
当然物件の環境によって撮影が難しかったり、上手に写真を撮るメンバーがいなかったりということは起こりうる。しかし今の時代では、写真をある程度加工することで、ビジュアルを強化することは可能なのである。例えば下の図では、曇り空でポートが邪魔をしている、且つ近隣住宅が移ってしまっている。
このような物件においても、加工ツールを使えば全く違った物件に見せることができるのである。掲載する施工事例の見せ方に関しては様々なポイントがあるが、代表的なのは以下のポイントである。
このような調整ツールは無料であり、容易に加工ができる。しっかりと見せ方を強化することが重要なのである。また、写真の撮り方一つとっても、魅力が変わってくる。プロのカメラマンであればあるほど大きく見せようとするため、下から突き上げるような写真を撮るケースが多い。
しかしながら、やはりパース通りの正面ひきが最も美しいため、しっかりとパース通りの写真を撮ることが重要だ。このような写真力を上げることができれば、当然インスタグラムでの見栄えが上がるため、フォロワー数や反響が増えるといったことに繋がる。
また、このような領域は、住宅事業において重要なポイントであるため、外注せずに、社内でこだわり抜くということも重要である。例えば、施工写真の魅力で頭数を伸ばした会社では、このような写真を全て経営者が撮っているケースもある。
これらを社内で耐性化するには、下の図のように物件写真の撮り方についてガイドラインを構築し、写真を撮る角度なども事前に決めておくということが重要なのである。
最後に
以上、今回は、住宅業界の重要テーマとして「写真力で変わる住宅営業」について見てきた。
施工事例写真の質は、注文住宅販売における重要なマーケティング要素である。顧客の第一印象を左右し、反響や集客に大きく影響を与えるからだ。日々の業務の中で「見せ方」の質にこだわることで、反響率は確実に変わってくる。一人でも多くの建築業界従事者の方々にとって、ノウフルが貴重な情報源になれば、それ以上のことはない。
引用