多くの住宅関連企業(工務店)で、資料請求客がなかなか来場に繋がらない、あるいはアポが取れないといったお悩みをお持ちではないでしょうか。
こちらはある経営者のお悩みです。
資料請求客にメールは事務の女性が対応しているよ。
そこからの来場?そんなのほとんどないよ。
そもそも自分だって資料請求したら迷惑フォルダにメールを入れてるし、そもそも見られてないと思うよ。
最近はやりのマーケティングオートメーションってのも導入したし、少しはましになるんじゃない?
どういう機能かって?それは知らないよ。
このように資料請求は増えているものの、なかなかその先に繋ぐことが出来ていないといったお悩みを多くの会社でお持ちです。
今回はそのようなケースにどのように対応すべきかについて触れてみたいと思います。
では本日の目次をお示しいたします。
住宅業界の集客構造におけるリード管理の位置付け
まず、読み進める前に住宅業界の集客における全体像を整理しましょう。集客構造には大きく「媒体」「販売ルート」「企画」が存在します。媒体は販売ルートにどのような手法で来場・アポにつなげるか、を指します。販売ルートは展示場や見学会・店舗など見込み客と対面接点を持つ場所を指します。また、企画は販売ルートに呼び込む為にどのような企画を行うかを指します。
企画に示している物件案内は展示場であれ見学会であれその物件を紹介するという意味合いになります。物件案内以外にも相談会やセミナー、ワークショップなど様々な企画が行われています。近年ではこの企画自体がオンライン化されつつあります。
今回のテーマになるリード管理はまさにこの媒体における⑥に位置づけられます。
さらにここからは住宅会社の反響の定義について押さえましょう。住宅会社の反響には、リード反響と誘致反響があります。リード反響は資料請求・会員登録・問い合わせといったあまり熱感が高くない反響を指します。そして誘致反響は、来場やアポイントなど比較的熱感の高い反響を指します。ここから先はどのようにリード反響を来場やアポに繋げるかを見て参ります。
まずリードについて、大きく二つあることを押さえましょう。一つ目がホットリードで反響1ヶ月以内の比較的熱感の高い反響を指します。そして二つ目がコールドリードで反響から1ヶ月以上経過している比較的熱感の低いリードを指します。結論から言えば、ホットリードは営業が対応し、コールドリードは集客部が対応します。
全体の対応フローは下の図のようになります。リードが発生したタイミングで営業が1ヶ月間は電話やSMS・メールなどを使って来場やアポに繋げます。そして1ヶ月経過し、来場やアポに繋がらなかった案件は集客部がメールを送付するといった取り組みに切り替えます。
今回はこちらのコールドリードに対して、集客部がどのようなメールアプローチを行うのかについて触れていきます。
なお、ホットリードに対する対応方法は下記の記事にまとめておりますので併せてご覧ください。
また、リードに対する考え方についてさらに深く理解したい場合は下記の記事を参照ください。
メール配信のポイント①発信内容
まずはメールについてどのような内容を発信するかについて触れます。
下の図をご覧ください。下の図は、実際に取り組んだ反響率が高いメールのポイントを示しております。順番に説明をしていきます。
まず本文に名前を差し込むことが重要です。マーケティングのポイントとして、1人ひとりに合わせたないようにすることが重要です。ですから、メールの本文には、見込み客の名前を差し込むようにしましょう。なお、メールソフトの設定を使えば、こちらは自動的に名前を差し込んでくれますので、積極活用をしましょう。
二つ目が、メールの内容に触れることです。メールを開いた際に、どのような目的のメールなのかを正確に最初に伝えることによって、メールを見てもらう確率が上がります。
そして三つ目が、重要部分を強調することです。是非読んで欲しい部分については、積極的に文字を強調するような工夫をしましょう。4つ目に画像を掲載することも重要です。単なるテキストだけの文章ですと読みづらい、あるいは情報が伝わりきらないといったこともありますので、画像などを活用することで、より質の良い魅力的な文章にすることが重要です。
5つ目はクリックボタンを目立たせることです。メールの目的の多くはホームページに誘導することですから、ホームページに誘導するボタンは、目立つように工夫をしましょう。6つ目があくまでもシンプルに掲載することです。多くの住宅会社でたくさんの情報を入れすぎてしまうケースがあると思いますが、内容としてはシンプルにす設計をすることが反響率を上げる上では重要です。
7つ目に自己紹介や会社紹介の動画を掲載するといったことも重要です。自己紹介や会社紹介については下の図のような動画URLを入れましょう。
この考え方についてもう少し深掘りしたいと思います。下の図をご覧ください。こちらは単純接触の原則と言う考え方で、第一印象が中立的か好印象の場合に限って接触回数が増えれば好感度が上がるという考え方です。対面ではなくともこのようにYouTubeなどの自己紹介の増加によって単純接触の頻度を上げるといった考え方が重要になります。
メール配信のポイント②発信頻度・タイミング
続いてはメールの発信頻度・タイミングについて触れたいと思います。
一部の方は「メールを送ったところで反響には繋がらないのではないか。」とお考えではないでしょうか。しかし、結論から言えば、メールのアプローチは反響獲得において非常に重要です。
下の図をご覧ください。下の図はブランディングを行う際の2つの指標になります。
まず、自社のブランドを見てもらったときに「あのブランドを知っている」と思ってもらうことをブランド再生(助成想起)といいます。そして、「そろそろ家が欲しいなと思ったときに、自社のブランドを思い出してもらう」ことをブランド再生(純粋想起)と言います。
このような2つの想起は見込み客との接点を持ち続けることが重要なのですが、まさにメール配信がこの上で大きな役割を担います。
例えば下の図をご覧ください。見込み客は常に住宅のことを考えているわけではありません。
日常の中で住宅情報に触れることによって、そのタイミングで熱が上がり、検討熱が上がるといった繰り返しを反響までに行います。上図で言えば、折り込みの広告を見たり、ハウスメーカーのCMを見たり、新築の魅力を感じたりするタイミングで住宅の検討を改めて始めるケースが多いのですがその際にいかに自社のブランドを想起してもらうか、が重要になります。
ですから、検討熱が上がったタイミングで、手元に自社のメールが届くような体制づくりを行うことが非常に重要です。具体的にはホットリードがタイミングを重視するとすればコールドリードは頻度を重視することが重要なのです。
以上を踏まえてメール配信の頻度・タイミングのポイントをここからご説明いたします。
①週2回の配信を最低限とする
ブランド再生を狙う場合、週2回の配信が最低条件となります。内容はシンプルであっても量を増やす考え方を徹底しましょう。
②配信停止率の基準を定める
メールの配信量を増やすと印象が悪くなると考えられるケースがあるものの、一般的にはメール送付のみで印象が悪くなることは考えにくいでしょう。一方で配信停止率が0.5%が平均値ですから、0.5%を超えた場合には内容や頻度・タイミングの見直しを行いましょう。
③タイトル以外の内容は同様でも良い
配信するコンテンツが限られている場合はあくまでブランド再生が目的なので内容は同じで問題ありません。一方でタイトルは開封率の観点で変えることが重要であります。業界平均の開封率は20%ですから20%を切った場合はタイトルを工夫しましょう。
④配信時間は11時がベスト
配信時間は11時が最も開封率が高いという調査結果が最も多いです。お昼休憩を見越して配信することが重要です。
以上、4点を踏まえるとメール配信の頻度・タイミングは以下のような設計が好ましいと言えます。週2回配信を原則のルールとし、毎週火曜日と金曜日の11時に配信します。前半の火曜日はイベント案内を配信し、金曜日は更新情報のご案内を行うといった流れですね。
本日のまとめ
改めて、本日のまとめをお示しいたします。
リードにはホットリードとコールドリードがある
コールドリードは集客部がメールを中心にアプローチをすることが重要である
メール配信には2つのポイントがある
発信内容と発信頻度・タイミングを意識して体制構築することで反響を大幅に増加させることが出来る
以上、今回は資料請求客に対してどのようなメール配信を行うのかについて触れました。このような取り組みは一度仕組みを作れば自動的に反響が増え続けますので積極的に早期に対応を行いましょう。