前回からシン・マーケティングという観点で、サービス強化の重要性について伝えてきた。
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これらは、成果において非常に重要な領域であり、商品サービスにおいては戦略的な側面を持っているため、単にホームページを強化したりWeb広告を強化したりするだけでは全く意味がない。端的に言えば、究極のマーケティングとは、行列のできるラーメン屋であり、プロモーションなどは必要ないのである。
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一方で、当然ながら、良い商品を作れば自然と売れるという考え方に到達するには圧倒的な商品力が必要であり、差別化が困難な今の時代においてそれは難しい。
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このような中で、やはりプロモーションを意識した取り組みをしていかなければならない今、この商品サービスを的に強化した上で、どのようにプロモーションに落とし込んでいく必要があるのかについて理解が必要だ。
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では本日の目次を示そう。
USP設計とブランディングテクニック
まず、改めて下の図をご覧いただきたい。下の図は、自社の商品サービスの考え方を示したものである。自社の得意分野の中で顧客ニーズを満たし、かつ競合が参入できない領域をUSPという、このUSPを徹底的に突出させることが重要である。
例えば、下の企業はUSPを徹底的に尖らせたベンチマーク企業である。このように、「〜といえばこの会社だよね」と思い出してもらえるような認知を作ることが重要だ。
例えば、「性能についてはこの会社だよね」と言ってもらえるような会社は、まさに性能のファーストコール(最初に呼ばれる)カンパニーと言える。つまり、それぞれのUSPにおいてファーストコールカンパニーを目指す取り組みが重要になるのだ。そのためには、下の図にあるように、自社の強み・競合の強み・顧客の感度において適切な領域を見つけ、磨いていく必要がある。そして、このUSPをバリューメッセージと呼び、USPを構成する要素をサービスコアという。
例えば、性能(快適)、アフターフォローがUSPであれば「一生続く快適生活」といったバリューメッセージとなり、C値やUA値といった性能の要素、60年保証、メンテナンス訪問などのアフターフォローの要素がサービスコアになる。それらを一枚の「指針書」にまとめ、各プロモーションに落とし込むのだ。
当然、バリューメッセージについては、下の図にあるようなUSPが伝わるわかりやすいメッセージとすることが非常に有効だ。
一方で、バリューメッセージの失敗事例としては、ブランディングにこだわるあまり「前に向かって」のような、他者から見て意味の伝わらない抽象的な表現を出しているケースだ。そもそもこのようなケースは、イメージ戦略やブランディングの考えに踊らされているケースが多い。
正しい手法をサービス戦略とし、間違った手法をイメージ戦略と定義すれば、イメージ戦略は売り上げをコミットせずに、単なる好かれるものやかっこいい見せ方とする印象作りである。よくあるブランディングの考え方は、ブランディング専門のコンサルティング会社から伝授されるケースが多く、売り上げを上げることなくプロジェクト参加者が気持ちよくなることを目的に推進される。このようなアプローチは「名前を付けた空箱を作る」ものであり、本質的ではない。
話を戻そう。前述したサービスコア設計書であるが、これをプロモーション領域、いわゆるタッチポイントに配置することが次の流れとなる。その際には一貫性を意識することが求められる。
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