今回は、集団心理型マーケティングで大型分譲地を即日完売した、秋田県のM社について見ていきます。M社は、秋田県で分譲住宅を販売している会社です。小区画の条件付き土地を自由設計で販売するビジネスモデルを展開しています。

 

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

当初の課題

 

M社では、約50の大型区画分譲地を販売することになり、どのように完売させるかを模索していました。というのも、M社は元々小区画の分譲地販売がビジネスモデルの主流であり、大型区画分譲地を販売するノウハウがなかったのです。そして検討の末、「早期販売に向けた集客力と営業力の最大化」に解決策を見いだしました。

 

 

ここでまず、大型分譲地販売における「ジレンマ」を押さえる必要があります。次の図をご覧ください。大型分譲地販売の場合は、1期販売、2期販売と、販売タイミングを分けて行うのが主流です。その場合、当然ながら1期より2期の方が集客は少なく、2期より3期の方が集客は少なくなります。一方で、販売力は1期より2期の方が(営業経験により)高くなります。

 

 

集客力と販売力のピークが一緒であれば多くの受注につながるのですが、実際には次の図のように集客力と販売力のピークがずれてしまいます。このような「ズレ」を防ぐために、次の図のように「①集客の絶対数を上げる」ことと「②早期(販売前)に営業力の強化を行う」ことが重要になります。

 

 

まさにM社は、この「①集客の絶対数を上げる」ことと「②早期(販売前)に営業力の強化を行う」ことを同時に実施しました。まず「①集客の絶対数を上げる」ために行ったのが「集団心理における集客力強化」です。併せて「②早期に営業力の強化を行う」ために行ったのが「営業体制の早期(販売前)標準化」です。それぞれ順に見ていきます。

 

T社の取り組み

 

下の図をご覧ください。あなたはどちらのシチュエーションなら家を購入するでしょうか。「他にも来店客がいる場合と、いない場合」「買いたい人がたくさんいる事実を知っている場合と、知らない場合」「今買わなければ他の人に取られる状況である場合と、取られない状況である場合」「責任者クラスの担当が自分だけにつく場合と、全顧客につく場合」「今買えば何かがついてくる場合と、何もつかない場合」。

 

 

これらはまさに「盛況感」、「買い気配」、「競争心」、「妬み」、「優越感」などを駆り立てる「集団心理」であると言えます。世の中の購買活動は、実はこのような「集団心理」を軸に展開されているケースが多くあります。バーゲンセールやキャンペーンなどがその一例でしょう。M社では、この集団心理を集客時に活用することによって集客数を増加させることに成功しました。

 

多くの場合、配布するDMやチラシは同じ内容の原稿を使い回す傾向にあります。しかしM社では、下の図のように「予告広告(販売前の広告)」「完売御礼の案内」「残席わずか広告」「好評につき相談会追加開催広告」など、さまざまなパターンでDMやチラシを作成し、配布しました。そのことにより、住宅購入を検討しているユーザーの心理に「焦り」が生じ、来場への熱感を高めることに成功したのです。

 

 

下の図は実際のDMですが、このように相談会においても「完売御礼」「残席わずか」といった見せ方で訴求力を高めました。また、第1期が完売したことをあえて広告として配信することで、第2期への期待値を最大化することに成功したのです。

 

 

また、来場から商談までのフローに関しても、抜かりなく集団心理を活用したステップを構築しました。下の図にあるように、来場後のそれぞれのステップにおいて盛況感や競争心をあおる仕掛けを取り込むことで、商談時における熱を最大化することが非常に重要になります。

 

 

 

次に、「営業体制の早期(販売前)標準化」です。営業体制の早期標準化に関しては、主に三つのポイントがあります。一つ目が「営業フローチャートの作成」、二つ目が「解説マニュアルの作成」三つ目が「アップデート」です。順に説明していきます。

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