今回は、住宅業界において新卒採用を効率よく行うための四つのフローについて見ていきます。

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

新卒採用と組織戦略

 

下図は住宅業界における企業戦略を示したものです。事業戦略、組織戦略、財務戦略とあり、組織戦略には、採用・育成・配置・評価・活性化があります。採用が、その組織戦略の入り口となる非常に重要な領域になります。採用は非常にコストがかかる領域ですが、次の図の四つの観点を押さえることが重要です。

 

 

まず、設計・工務の場合でも基本的に売上や利益の減少が発生します。これらを業績直結コストと言います。また、欠員補充のために新たに採用コストが発生します。これを追加採用コストと言います。そして、そのメンバーにかけてきた教育コストが無駄になり、新たな教育コストも別途必要になります。これを新旧教育コストと言います。

 

最後に、退職によって残されたメンバーの負担が増加し、風土にも悪影響が及びます。これを組織風土コストといいます。これらのコストを押さえた上で、採用の効率を考えていく必要があるのです。

 

 

次の図は、新卒採用と中途採用の施策を図解したものです。新卒採用においては、SNS活用・ダイレクトリクルーティング・採用ホームページ・会社ブランディング・大学直アプローチ・インターン・リファラル活動があります。外部を使う場合においても、人材紹介会社・サイト媒体・情報誌・転職イベント・サーチ型紹介会社・ハローワークなどがあります。

 

 

その中でも、下の図にあるように、紹介会社・ヘッドハンティング会社・サイト媒体・情報誌・転職イベント・サーチ型紹介会社にもさまざまな会社があるという状況です。

 

 

このようにさまざまな会社がありますので、費用対効果の観点で比較を行うことが重要になります。ではまず、住宅業界における新卒採用の流れについて見ていきます。

 

新卒採用の流れ

 

最初は、ターゲットの決定です。自社が求めるターゲットを明確にするということですが、そもそも自社が求める人材はどのような特性を持つ人になるのでしょうか。下の図にあるように、求める人材像は、社風や会社のステージ、職種によっても変わります。

 

 

左側は、ある会社の採用基準の特性です。思考力や行動力・スピードがあり安定志向だが、体育会系といった採用基準です。当然ながら、右側のようにその逆の特性を持つ人材を求めるケースもあります。まずは自社のターゲットとする人材像がどのようなものなのかを明確にしましょう。

 

 

人材像が明確にならない場合は、今年採用したいAさんを社内から思い浮かべる、社員複数名の長所を切り取る、スキルとマインドの両面を加味する、といったポイントを押さえることが重要です。このような取り組みによって、まずは自社のターゲットを明確にしましょう。

 

次にUSPの決定です。下の図をご覧ください。USPとは、自社の強みを示した言葉です。

 

 

住宅商品の価格が安い企業は価格がUSPであり、性能が良い企業は性能がUSPです。このUSPは、自社の得意分野の中で顧客ニーズを満たし、かつ競合が参入できない領域を指します。これをそのまま採用市場に当てはめて考えると、自社の採用面の優位分野の中で採用対象のニーズを満たし、かつ採用競合が勝てない領域を明確にすることが重要になります。下の図は、自社の強みと競合の強みを比較した表です。

 

 

業務内容・人と風土・教育体制・福利厚生・事業戦略において、自分たちにどのような強みがあるのかを明確にします。そして、その強みに対して、求職者の感度が高いのかどうかも押さえます。そうすることで、自社の採用上のUSPを明確にすることができるのです。また、USPを明確にする際に、学生の考えをリサーチすることも重要です。例えば、下の図は、学生が行きたくない会社と学生の就職観を示したものです。

 

 

端的に言えば、ブラックな企業が避けられる傾向にありますが、その反面、人のためになる仕事をしたい・自分の夢のために働きたい・プライドの持てる仕事をしたいと考えている学生が多くいます。このような観点を踏まえて、自社のUSPを明確にすることが重要です。

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