
今回から、八つのリーダースキルの中の一つである「伝える力」について、全三回にわたり解説していく。

では本日の目次を示そう。
伝える力が必要とされる理由
「伝える力」が必要とされる理由は何だろうか。まず、伝える目的は、部下の行動変化を促すためである。ビジョンやミッションの伝達、仕事の指示などについて、部下と一緒により大きな成果や成長を獲得するため、上司はさまざまなことを伝える必要がある。その際、下の図の三つのステップを踏むことによって、効果的な伝え方を実現することが可能である。

部下は上司の意向を正しく理解し、それが自分の中で腑に落ちたときに初めて、大きく行動を変えるのである。では、「伝える」というテーマにおいて、どのような状態を目指すべきか。それは、「叱る」ことや「伝える」ことについて、下の図のような状態になっていることをである。

それでは、伝えるために必要なことは何だろうか。
伝えるために必要なこと
「伝える」を英語で表現すると、プレゼンテーションの語源である「プレゼント」である。プレゼンテーション(伝えること)を通じて、聞き手に大切な贈り物を届ける気持ちを持つことが大切である。そして、その気持ちを相手に届けるためには、伝え方が重要となる。例えば、「好きだという気持ちを伝えたい」、「喜んでもらいたい」という気持ちを強く持っていたとしても、プレゼントが安っぽかったり、汚れていたり、相手の欲しいものと全く違うものだったりした場合、相手はどう感じるだろうか。
相手に本当に喜んでもらうためには、綺麗なラッピングをしたり、相手の趣味や性格、そのとき欲しがっているものを考えたりする必要がある。「伝える」ではなくて、「伝わる」ように表現することが大事なのである。
また、姿勢として、話し手と聞き手の間にある深い溝を認識することが不可欠だ。常に話し手と聞き手の間に、情報のズレや気持ちのズレが生じる可能性があるという認識を持とう。きちんと伝えたはずなのに、部下の行動がまったく変わらない。このように、必死に伝えたにもかかわらず、部下の意識にも実際の行動にも何ら変化がなく、首をかしげた経験はないだろうか。

相手への伝え方次第で、良い意見であっても、「心に響く内容」にも「ただの雑音」にもなってしまうのである。ましてや、「語らなくても分かる」「雄弁は銀、沈黙は金」という考え、「行間を読んでほしい」という甘えは通用しないものと考えた方が良い。
上司の違いが部下の違いを生む、ということも部下に対する姿勢において大事である。下の図にあるように、「伝えられている上司」と「伝えたつもりの上司」とを比べると、部下の理解、部下の行動、上司の思い、上司の伝え方に違いが出てくる。

上司は、このようなことを意識して、日々マネジメントをしなければならない。
次回は、「伝えるために必要なこと」の続きから解説していく。
引用
- 住宅リーダー8スキル講座〜次世代リーダーのためのマネジメント羅針盤〜
- 住宅リーダー8スキル講座〜考えさせるリーダーの実践メソッド「質問する」(前編)〜
- 住宅リーダー8スキル講座〜考えさせるリーダーの実践メソッド「質問する」(後編)〜