今回は、住宅営業における潜在客へのアプローチについて見ていきます。

 

まずは、下の図をご覧ください。この図は、「住宅建築の実現可能時期」についてエンドユーザーにインタビューした結果をまとめたものです。

 

 

これを見ると、1年以内に住宅建築を検討している「今すぐ客」は全体の2割ほどしかおらず、残りの8割は2年以内に検討している、あるいは未定といった状況になっています。これを考えると、従来通りの対応ではなく、「まだ先客」への対応が急務であると言えます。

 

まだ先客について言えることは、商品説明をまだ求めていないということです。自分にはどのような住宅が良いのかを考える段階であり、本当に家が建てられるのかどうか、あるいは自分のペースで話を聞いてくれる良き相談相手がいるのかどうかのレベルで悩んでいます。ですから、今すぐ客向けのアプローチとは別に、まだ先客、つまり潜在客向けのアプローチをしていくことが重要です。これらを全体像で示すと、次の図のようになります。

 

 

新規名簿で獲得したユーザーからアポイントを取り、来場したユーザーに対しては、熱の高い顕在客をAランクと定義して従来の営業活動を行います。そして、熱の低い潜在客はBランクと定義し、Aランクとは違ったアプローチを行います。

 

今回は、このBランクへのアプローチをどのように行っていくのかについて見ていきます。

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

潜在客とは

 

まず、下の図をご覧ください。潜在客は、そもそも自分たちが家を建てることができるのかが本当の意味で分かっていません。ですから、「本当に家を建てることができるのか」が最大の関心テーマです。したがって、潜在客には「土地付けを行い、総合の予算を理解してもらう「ことが重要であり、必然的に土地付け営業=潜在客営業となります。

 

 

そのためには、まず、初回来場した潜在客に対して、商品説明を行う前に「土地探しのサポート」というテーマで営業を行うことが重要です。となると、当然ながら初回面談で終わらせるのではなく、土地探しを切り口に次回アポを取ることが重要であることはお分かりでしょう。しかし、現場ではそうスムーズに行くケースが少ないように見受けられます。次の図は、ある営業会議で繰り広げられる会話です。

 

 

このように、次アポが取れていない、あるいは取れていても御用聞きアポになっているケースが散見されます。当然ながら、家を建てたいと思ってもらうためにはさまざまなアポの取り方がありますが、下の図にあるように、次アポの取り方には三つの段階があります。

 

 

レベル1は、そもそもアポが取れず、話にもならない状況です。レベル2については、土地にかける予算が分からず、御用聞きアポを取っている状態です。レベル2のアポについては、単なる御用聞きであるため、アポは簡単に取れるものの、そこから先につなげることはできません。目指すべきアポの取り方は、レベル3にあるように、土地にかける予算を押さえた上でアポを取ることです。

 

では、皆さんは、どのレベルでアポが取れているでしょうか。レベル3に到達していない営業パーソンがいるのであれば、「土地探しのポイントを伝える」という切り口でアポを取ることが重要です。「次回は多くの方が失敗する土地探しについてポイントをお伝えしますね」といったトークですね。

 

そして、実際に次に面談できた際には、まず土地探しのポイントについて伝えた後に、顧客が求めている土地の条件を確認します。そして、土地に対する「譲れない条件」「できればほしい条件」を「マスト・ウォント」という形で整理し、求めているエリアの情報を伝えながら土地付けを行うという流れです。このうち今回は、一番最初のフローである「土地探しのポイント」の伝え方について説明します。

 

 

土地探しで顧客を顕在化させる

 

土地探しのポイントを伝える際は、口頭で伝えるのではなく、紙芝居のようにポイントを説明するツールが必要になります。このツールについては、一般的な土地探しのポイントツールを下の図に無料ダウンロードできるようにしておきますので、ダウンロードした上で読み進めてください。

 

 

ざっとツールを読んでいただき、まずは要点を押さえましょう。ツールを使って伝えるメッセージは、次の三つです。まずは、失敗事例を語り、同じような経験をしている人がたくさんいることを伝えます。そして、土地探しは「レース」であり、今までの土地探しの考え方では良い土地は見つからないことを伝えます。最後に、業界のカラクリなど、顧客の情報格差を取り除きましょう。この三つをしっかりと伝えることが重要です。

 

 

一つ目のポイントに関しては、土地探しの2大失敗パターンという章立てがあります。こちらについては、向こう見ず症候群、そして青い鳥症候群を伝えることが重要です。

 

 

向こう見ず症候群というのは、建物代金と土地代金しか頭になく、諸費用を全く考えていないため、最終的に予算が圧迫されて理想の生活を実現できないことを表しています。

 

 

 

そして、青い鳥症候群というのは、人気物件・人気エリアだけで物件を探しているため、全く土地が見つからないケースを表しています。このような場合、インターネットに出回っている物件や、レインズに掲載されているような物件のみを探し続け、最終的には全く家を検討できない状態に陥ります。

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