今回は「中立的な情報館モデルで仲介×請負で全国制覇を成し遂げた住宅情報館」について触れてみたいと思います。

 

まず簡単に住宅情報館の概要をお伝えします。1都9県に展開している相模原市中央区に本社を置く建設業で、分譲住宅販売業・不動産仲介業を営む飯田グループホールディングス傘下の企業です。中立的な情報館という見せ方で集客し、自社サービスを販売するといったビジネスモデルを展開しています。

 

 

ここからは住宅情報館がどのようなビジネスモデルを展開し成功しているか、について今回は考察してみたいと思います。

 

なお、本記事は戦略論について論じるため、基本的な戦略の考え方をこちらの記事を踏まえて把握した上で読み進めてください。

 

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

本日のまとめ

 

まず、本日のまとめは以下になります。

checkboxプライベートブランドモデルは商品を開発するメーカーの役割と商品を販売する小売の役割を併せて持つビジネスモデルである

checkbox他業界でプライベートブランドモデルを採用している企業はセブンイレブンである

checkboxプライベートブランドモデルは中立性と網羅性を押さえることが重要である

 

大枠を押さえた上で一緒に見て参りましょう。

 

プライベートブランドモデルとは?

 

まず、この住宅情報館が扱っているプライベートブランドモデルについて説明をします。

 

プライベートブランドモデルは、商品を開発するメーカーの役割と商品を販売する小売の役割を併せて持つビジネスモデルです。販売については自社商品だけでなく、他社商品をも扱っている点が特徴的です。

 

 

他業界でこのような取り組みを行っている企業がセブンイレブンです。

 

セブンイレブンはアメリカ発祥のコンビニエンスストアチェーンで日本においてはセブン&アイ・ホールディングスの子会社が事業展開しています。チェーンストアとしても世界最大の店舗数を展開している企業です。

 

 

セブンイレブンの特徴は販売店舗を持つだけではなく、自社ブランド、つまりプライベートブランドを保有している点です。中立的な見せ方をしながらも、自社の商品も比較検討してもらうことで、二つの収益を得るビジネスモデルです。

 

では住宅情報館の取り組みについて触れていきたいと思います。下の図をご覧ください。下の図は住宅情報館の販売構造を図にしたものです。

 

 

住宅情報館という中立的な見せ方をすることで、様々なメーカーの商品が確認できるといった強みを持っております。この比較検討の中に自社ブランドも提示し、仲介手数料不要などの仲介事業ならではの強みを付与することで自社ブランドを優先的に提案しています。

 

実際顧客からすれば、一社だけを検討した場合判断が付きにくいですが様々な住宅商品を並べて比較検討することで安心して意思決定が出来るという側面があります。

 

 

このような見せ方を踏まえてこのビジネスモデルは「中立性」「網羅性」を訴求することが非常に重要になります。

 

住宅情報館のビジネスモデルとは?

 

ではさらに具体的に住宅情報館のビジネスモデルを見ていきましょう。

 

ビジネスモデルのキー 物件情報量
内部環境 顧客 中古住宅、新築戸建にこだわらず家探しを行うニーズが潜在化している層をターゲットとしている。
販売戦略 有名タレントを活用し認知度を上げ、店舗に来場促進を行うマスマーケティングを主体とする。来場者には他社物件だけでなく自社サービスを積極的に提案する。
提供価値 新築戸建だけでなく中古住宅、マンション、土地と幅広い情報を提供している。中立的かつ、網羅的な情報量を強みとしている。
組織戦略 様々な情報を取り扱っている為、部門間の連携が非常に高く、ニーズに合った対応が出来ている。
財務戦略 有名タレントやマスメディアを活用した販売戦略である為広告宣伝費を中心とした財務負担は比較的大きい。
外部環境 情報化社会において情報が圧倒的に増加することにより情報難民が増えている。そのような環境下において情報を取りまとめるニーズがある。

 

 

 

 

 

ビジネスモデルのキーは、物件の情報量です。顧客は、中古住宅・新築戸建てにこだわらず、全ての家探し層になります。販売戦略としては有名タレントを起用し認知度を上げ、店舗に来場促進を行うマスマーケティングを主体としています。

 

提供価値は新築戸建てだけでなく、中古住宅・マンション・土地と幅広い情報を提供しており、中立的かつ網羅的な情報量を強みとしています。組織戦略は、様々な情報を取り扱っている為部門間の連携が非常に高くニーズに合った対応が出来ています。

 

財務戦略は有名タレントやマスメディアを活用した販売戦略である為、広告宣伝費を中心とした財務負担は比較的大きいと言えます。外部環境としては、情報化社会において情報圧倒的に増加することにより情報難民が増えているということが挙げられます。そのような環境下において情報を取りまとめるニーズが一定数存在し、このような外部環境から逆算しビジネスモデルを構築していると言えるでしょう。

 

ではこのビジネスモデルにおいて、どのようなフィット構造があるのでしょうか。

 

販売戦略と提供価値がフィットしている

一つ目に、販売戦略と提供価値がフィットしている点です。
有名タレントを起用したマスマーケティングは、様々な層を集めますが、同時に情報館の見せ方自体が、全ての層にサービス提供が可能であるという点において、販売戦略と提供価値がフィットしていると言えます。

 

外部環境と提供価値がフィットしている

二つ目に、外部環境と提供価値がフィットしています。情報化社会において、情報が圧倒的に増加することによ、情報難民が増えています。そのような環境において情報を取りまとめる住宅情報館のビジネスモデルが外部環境とフィットしていると言えるでしょう。

 

本日のまとめ

 

改めて、本日のまとめをお示しいたします。

checkboxプライベートブランドモデルは商品を開発するメーカーの役割と商品を販売する小売の役割を併せて持つビジネスモデルである

checkbox他業界でプライベートブランドモデルを採用している企業はセブンイレブンである

checkboxプライベートブランドモデルは中立性と網羅性を押さえることが重要である

 

以上、今回は住宅情報館に見るプライベートブランドモデルについて触れました。

 

住宅業界は集客と営業、つまり販売構造が要だと言われています。ですから販売構造を強みとした住宅情報館のビジネスモデルは業界にマッチしたビジネスモデルと言えます。自社の販売構造を強化する上で是非住宅情報館のビジネスモデルを参考に構築して頂ければと思います。

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