多くの住宅関連企業(工務店)で、日々顧客の満足度を上げる取り組みをされているかと思います。一方で、クレーム・風評被害に対する取り組みにおいては、徹底している住宅関連企業(工務店)は少ないのではないでしょうか。

 

こちらは、ある経営者の悩みになります。

 

OBからの紹介は欲しいけど紹介を貰いに行ったら逆にクレームをもらったなんてケースも多いんだよな・・・

うちはお客様を大事にしている方だけど、どこの業界もモンスタークライアントっているよね

正直そういったOBに細かく対応しているとキリがないよ・・。

だから正直対応はその場しのぎだよね

でもOBの中でもクレームを出すのはほんの一部だからそこまで気にする必要ないよね

 

このように、クレームやトラブル・掲示板における風評被害に対応する体制が整備されていない・・・あるいはその場しのぎの対応になってしまっている・・・といったケースは多いかと思います。

 

今回はこのような悩みに対してどのように対処すべきかについてお伝えいたします。

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

住宅業界の集客構造における紹介の位置付け

 

まず、クレーム対応の位置づけになりますが、下の図をご覧ください。

 

下の図は住宅業界の集客構造をまとめたものになります。一見クレーム対応と集客には関係がないように思われますが、クレーム対応は下の図の通り契約客に対するアプローチになります。

 

また、契約客は紹介を頂いたりあるいは口コミをしてもらったりと、様々な集客上の活用方法があります。ですから、クレームに対する対応を強化することによって、口コミや紹介を増やし、結果的に自社の集客が増えるといった考え方になります。

 

 

 

紹介を獲得する為の3つのポイント

 

では、その紹介あるいは口コミですが、どのようにして増やしていくのでしょうか。まずその点についいて触れてみたいと思います。

 

下の図をご覧ください。下の図は紹介あるいは口コミを増やす為の3つの施策になります。一つ目は全体の満足度を上げること、そして二つ目は紹介特性が高いOBを見極めること、そして三つ目は紹介活動を行うことです。特に「クレーム対応」は①の全体の満足度を上げる取り組みの一つと捉えることが重要です。

 

 

実際に下の図では、紹介口コミをしたの数とオーナーの満足度は非常に高い相関を示しています。ですから、全体の満足度を底上げすることがそのまま紹介口コミを増やすことに繋がることはお分かりかと思います。すなわち、クレームを減らすことによって満足度を高め結果、紹介の獲得や良い口コミの増加に繋がりますので紹介獲得と口コミにおいてクレーム対応は非常に大事な取り組みだと分かります。

 

 

なお、満足度を高める施策については下記の記事に詳しく触れていますので併せてご覧ください。

 

 

また、下の図を見ると、紹介を特性を見極めることが重要ということもお分かりになるかと思います。というのも、弊社がある住宅会社で調査した結果、10%のOBオーナーが全体の50%近くの紹介をしていることが判明いたしました。ですから、まんべんなく紹介を貰いに行くのではなくいかに紹介特性の高いおせっかいなOBを探すか、が非常に重要になります。

 

紹介獲得から見たクレーム対応の位置付け

 

では、どのようにして紹介の特性を見極めるかについて説明をしていきます。下の図をご覧ください。

 

まず対応中のOB、あるいは過去のOBに対して、「自社に満足しているかどうか」そして「自社をどの程度ご友人におすすめしたいか」をヒアリングし、結果によって紹介特性のランクを見極めることが重要になります。

 

ですから、ランクをA・B・C・Dと分けたときに、Aは紹介特性が高いOB、逆にDは紹介特性が低いと位置づけられます。単純に紹介口コミを増やす為であれば、A〜Cに対する取り組みを行っていればいいのですが、自社に満足していない、自社のサービスに満足していないOBであるDランクOBに対して手厚くフォローすることも紹介口やコミを増やす施策になります。

 

 

ですから、下の図のように各OBに対して、紹介特性のランクをマネジメントしながらも、Dランクに対する対応を体制として構築することが重要になります。

 

 

なお、ここではDランクへの取り組みについて触れますのでA〜Cランクへの対応については下記記事を参照ください。

 

 

グッドマンの法則とは?

 

ではそもそもの満足度をクレーム対応をすることに、どのような価値があるのでしょうか。

 

改めて考えてみたいと思います。

 

下の図をご覧ください。こちらはグッドマンの法則といわれるものです。グッドマンの法則とは、「クレームと再購入の関係」を調査した理論になります。法則には、第一の法則から第三の法則まであります。

 

 

下の図をご覧ください。こちらは第一の法則に対する調査結果をまとめたものです。

 

 

結論から言えば不満を企業に伝える顧客のうち、対応に満足した顧客の再購入決定率は、申し立てなかった顧客に比べて高くなるという法則です。

 

第二の法則はネガティブな体験はポジティブな経験の2〜4倍ネガティブな口コミを生む為、悪い評判が拡散しやすいという法則です。

 

第三の法則は、企業が顧客に適切な情報提供をすることで顧客との信頼関係が構築され、ポジティブな口コミが普及し、売上に貢献するという法則です。

 

ですから、「クレームはチャンス」という言葉が示すように、苦情を正しく対応することによって、住宅業界で言えば紹介や口コミが増えるという結果に繋がるのです。

 

掲示板・口コミサイトの風評被害対策テクニック

 

下の図は、全国で住宅購入者、あるいは検討者が情報収集の一環として使用している掲示板です。多くの住宅会社で、下の図のように掲示板の中で悪い評判などのコメントを記載された風評被害があるのではないでしょうか。

 

 

掲示板の風評被害に対しては、お客様相談室として対応の書き込みを行うことが重要になります。個別の担当が対応すると炎上してしまうリスクもある為、ガイドラインをしっかり理解した専任の担当者がお客様相談室として対応することが掲示板クレームの最善策とされています。

 

また、最近ではMEOと言われる口コミが非常に支持されています。MEOとはインターネットで検索をした際に自社の口コミが表示されるサービスなのですが、こちらについても、正しく対応することが重要になります。

 

 

下の図はある住宅会社が口コミ掲示板の風評被害に対してコメントに返信をした内容になります。

 

このような丁寧な返信対応を行うことによって、先ほどのグッドマンの法則に即して言えば風評被害がそのまま紹介口やコミに転じるということは、よく起こっています。

 

 

口コミ掲示板に対するコメントには以下の注意点を踏まえて行ってください。

 

返信を定型文にしない

返信を定型文にすると心がこもっていない印象を与えてしまいます
内容には変化をつけて一つ一つ丁寧に返信し、掲示板の風評被害に対して顧客と積極的にコミニュケーションを取ることが重要です。

 

悪いクチコミに真摯に対応する

不快にさせてしまったことへのお詫び、今後の対策と改善方針など掲示板の風評被害に対して実現場を把握した内容を詳細に記載することが重要です。

 

極力営業担当が対応する

可能な限り実際の当事者が対応することが重要です。困難な場合は一人担当を決めて掲示板の風評被害に対してお客様相談室として対応を行いましょう。

 

なお、MEOについては下記の記事にて詳細をまとめていますので併せてご覧ください。

 

 

本日のまとめ

 

改めて、本日のまとめをお示しいたします。

checkbox紹介を獲得するには3つのポイントがある

checkboxクレームに対する対応は結果的に紹介・口コミの増加に繋がる

checkboxグッドマンの法則に基づいてクレーム対応の意識を高めることが重要である

checkbox掲示板・口コミサイトについてはポイントを押さえて対応することが重要である

 

以上、今回は紹介特性が最も低い「Dランク」に対してどのような取り組みを行うかについて触れて参りました。グッドマンの第二の法則にありましたが、ネガティブな評判はポジティブな評判の2〜4倍広がりやすいという点もありますので、その点を踏まえて正しくクレーム対応をしていきましょう。

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