「高品質な日本の材料で外国のような家を造る」というコンセプトのもと、 20〜30代の若いファミリー層を中心に高い支持を持つアーバンライク。 年々エリア拡大を続け、年間100棟を超える顧客満足度の高い住宅会社として 成長を遂げている。今回は同社の代表である、吉野悟氏(代表取締役社長)に 商品開発の取り組みや販売における考え方、経営のモットーなどについてお聞きした。(聞き手:ノウフル編集長狩野)

 

ーまず、御社のサービス概要を教えてください。

 

 

弊社では、住宅・不動産・福祉関連施設・コンテナ・オフィスリノベーションの五つの事業を、熊本・福岡・佐賀・沖縄など11拠点で展開しています。年間完工棟数は200棟で、売り上げ高は46億円、社員数は約100名です。弊社は16年前に起業をしたのですが、東京プロマーケットに熊本県で初めて史上最年少の39歳で上場しました。

 

ー若くして起業されておられるようですが、立ち上げの背景はございますか。

 

 

住宅業界の分業制のような構造を変えたいとの思いで創業しました。例えば、契約が完了するまでは営業担当、図面を作成するのは設計士、というような分業の形にとても違和感を覚えていたのです。それらを改善し、社内連携でワンストップのサービスを提供したいと考えたことが立ち上げのきっかけとなります。

 

接客から住宅完成までを一貫して担当することで、担当者とお客様との距離が近くなり、紹介率が高まる効果がありました。ワンストップのサービスでは人それぞれの魅力が出しやすく、いまだに紹介契約率は50%を超えております。その後もお客様からバーベキューに呼ばれるなど、家づくりが終わった後でも関係性を築くことができるようになりました。

 

ー非常に驚異的な水準ですね。経営上も売り上げが5年で3倍になるなど素晴らしい伸びを実現されていますが、経営戦略において意識されていることはありますか。

 

 

こちらは大きく分けて三つあります。まずは明確な夢や目標を持つことです。例えば全社的なことで言いますと、「地域ナンバーを作る」「3割成長を行う」などが挙げられますが、やはり働く全てのスタッフに明確な目標を伝えることが非常に重要であると考えています。

 

二つ目は会社の風土として話しやすい環境を作っていくことです。弊社では社員同士のコミュニケーションを大切にしており、そのためにさまざまな社内イベントを用意しています。当然メンバー同士の飲み会などは、制度として会社が半分費用を負担していますし、細かいところで社内コミュニケーションのサポートをしています。

 

三つ目は権限委譲です。早い段階から社長がやるべき仕事とは何か、部長がやるべき仕事は何かと権限を渡してきました。と言うのも、私は「経営者は会社の未来を考えるようなイノベーション部分のみを担うべき」と考えています。ですから各現場業務では、自分の考えを無理やり押し付けるというよりも、専門知識を持った的確な意見を持つ人に担当を任せる姿勢が大事なのではないかと考えています。

 

 

ー素晴らしい取り組みですね。東京プロマーケットに上場されたとのお話がありましたが、上場を目指された背景について教えてください。

 

はい。ベンチャー企業として、会社を社員と一緒に成長させていきたいと考える中、そのためには社会的な信用が必須であると感じました。採用する人を集めるにも、取引先を探すにも、会社の信用は非常に重要です。そのため、上場をすることで信用度が上がるのではないかとの結論に至りました。

 

日本では、1000社に1社ほどの割合で会社が上場しているそうです。つまり全企業の0・1%になるのですが、この0・1%に入る会社を作ることを一つの目標としていました。

 

ー次に御社の事業戦略について教えてください。

 

弊社は元々アーバンホームという会社名でしたが、社名変更を行い、現在のアーバンライクという名前になりました。この背景には事業のドメインの変化が影響しています。当時は住宅会社として成長してきたわけですが、あるときに、私達がやりたいことは家づくりだけではなく、暮らし全体をデザインできるような会社を作っていきたいとの思いが浮かびました。

 

工務店は家の一生を追いかけるような仕事ですが、私たちアーバンライクでは、人の一生にフォーカスを置いて仕事をしています。その考え方を持って、現在の住宅以外でのサービスでは、リゾート宿泊施設の展開や、福祉施設の建設、福祉事業者と投資家のマッチングなどを行っています。

 

 

ーありがとうございます。組織戦略はどのように展開されているのでしょうか。

 

弊社には、社員数が100名程度、拠点が10拠点以上ありますが、元々は地方で創業して展開してきたこともあり、社員同士のコミュニケーションがとても重要であると考えています。円滑なコミュニケーションや意識の共通化を図ったりするために、毎月1回は全社でオンラインの朝礼を実施しています。そこで新入社員の紹介や各事業部での出来事などを全社に向けて共有する他、会社のルールやブランディングを浸透させるために、カフートというアプリを使って社員にクイズへ回答をしてもらうような形もとっています。

 

また、年に一度、リトリートで数日間の旅行を企画しています。この旅行は、社員が共通の目標を持ってそれを達成するための場所に行く、そして生涯に一度の経験をみんなでシェアするという目的で行っています。

 

ー素晴らしい取り組みですね。最後に今後の展開についてお伺いさせてください。

 

 

今後も年間3割成長の目標を続けていきたいと考えています。実際、前期は40億円前後でしたが、今期は80億円まで達する見込みです。福祉施設や建売分譲の展開などの取り組みが売り上げに大きく寄与しました。

 

もっと長期的に言えば、私が50歳になるまでには1000億円に到達する企業を目指します。住宅事業・不動産事業・福祉事業などのブランドを、まずは九州一円で地域でNo・1となるように展開していきます。その後は、全国展開もしくは海外事業も視野に入れています。

 

ー今後の展開がますます楽しみですね。本日はありがとうございました。

 

株式会社アーバンライク


アーバンライクは、「高品質な日本の材料で外国のような家を造る」というコンセプトのもと、20〜30代の若いファミリー層を中心に高い支持を持ち、エリア拡大を続けながら年間100棟を超える顧客満足度の高い住宅会社として成長を遂げている。

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