多くの住宅関連企業(工務店)で営業力を上げたいと思っている営業マンは多いのではないでしょうか。

 

こちらはある経営者の悩みです。

 

課題解決型営業って言うけど、難しいよな。

そもそも今まで商品説明ばっかりしてきたから急には変えれないよな。

うちはヒアリングをするようにしっかり教育しているから問題ない気もするけどどうだろう。

解決するだけでなく商品も説明しないといけないし。。。

商品の説明をした時点で課題解決じゃなくなるし・・・。

そもそも課題を聞き出すことに苦戦しそうだな。

 

このように、営業力を上げたいがどのようにすれば良いか分からないといった悩みは多いと思います。

 

今回はそのような考え方に対して、どのように対処すべきかについてお伝えいたします。

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

課題解決型営業とは何か?

 

まず前提として、住宅業界において、課題解決型営業と言われる営業スタイルが重要だと言われています。まず前提として、住宅営業においては課題解決型営業が求められています。課題解決型営業とは顧客の課題を解決する営業スタイルを指し、商品提案型営業とは一線を画しております。高単価である住宅営業だからこそ求めらられる営業スタイルでしょう。

 

 

課題解決営業が求められる背景については下記にまとめておりますので併せてご覧ください。

 

 

また、課題解決型営業は「信用」「課題解決」「差別化」の流れで進めることが良いとされています。課題解決を行うにしても人としての信用力が必要ですし、ただ単に解決するだけではなく自社の差別化を行う必要がある、という考え方ですね。今回はその中でも、課題解決についての内容を説明していきますので他の要素である信用獲得と差別化について簡単にご説明いたします。

 

 

一つ目の信用力については営業マン、もっと言えば一人の人間として以下に信用を獲得するか、といった考え方になります。信用がなければ課題解決を行うことは困難ですので最初のタイミングで信用を獲得することが重要になります。信用獲得のポイントについては以下の記事を参照ください。

 

 

三つ目の差別化については課題解決をした上で自社の商品アピールを行うことを指します。単なる物売りになるのではなく、FABEの視点で如何に営業相手にとってメリットがあるかを正確に伝えることが重要です。こちらについては以下の記事でまとめていますので併せてご覧ください。

 

 

課題解決の考え方とは?

 

まず営業における前提を押さえましょう。課題解決という言葉がありますが、どのようなことを解決する営業のでしょうか。

 

こちらは、マーケティング学者のセオドア・レビット氏がが残した格言になります。人々は4分の1インチのドリルが欲しいのではなく、4分の1インチの穴であるということです。

 

 

簡単に言えば人々はドリルを買いたいのではなくて、ドリルを使って穴を開けたいということです。ドリル自体はあくまで手段であって顧客が求めているものはいかに穴を効率的に開けることになります。

 

 

住宅業界で言えば顧客は豊かな生活を求めています。自社の商品や機能・工法などはあくまで手段でり、それらの説明では顧客の買いたい気持ちを高めることは出来ません。

 

 

下の図をご覧ください。下の図は、顧客が求める理想と現状を図にしたものです。理想の暮らしをしたいけれど、現状とのギャップが大きく、その要素として土地やローン、あるいは耐震などが不満や不安として浮上します。これらの不満や不安を解決していくことが、まさに課題解決型営業と言えます。

 

 

 

上記を住宅営業のフレームとしてまとめると下記になります。理想の生活と現状をヒアリングし、現状の顧客が持っている課題を明確にします。その上で解決につながるUSPに沿って解決シナリオを構築するといった流れになります。ここから先は「ヒアリング」と「フレーミング」という重要な2つの要素についてご説明します。

 

 

 

ちなみに、この考え方は問題解決学といった考え方を踏襲しています。問題解決学とは日々生じる問題に対し、適切に解決するフローを学問化したものになります。その場しのぎで施策を考えるのではなく、正しい流れで問題に対し向き合い、対処することが重要であるといった考え方になります。

 

 

問題解決学についてはこちらの記事で詳細に触れてますので、併せて参考ください。

 

 

課題解決型営業に求められるヒアリング力

 

ではまず、ヒアリング力について説明しましょう。住宅営業においてヒアリング力は最も重要なスキルであると言えます。しかしながら多くの営業マンがこのヒアリングに対して正しく進めることが出来ていません。先程のフレームで言えば正しいヒアリングとは「現在の生活だけでなく未来の生活についてもお伺いし、そのハードルとなる要素を解除していくこと」です。

 

つまり、優秀な営業マンは顧客が求めている未来の生活、前述した言葉で言えば本質的に求めている「豊かな生活」についてのヒアリングを行います。単なる家(モノ)を売るのではなく、まさに言葉の通り豊かな生活、つまり「コト」を売っているのです。それだけではありません。下図を御覧ください。

 

下図は顧客が認識している課題と認識していない課題です。豊かな生活を実現する上で、様々な課題があります。住宅ローンが払えない、気密や断熱性能が低い、耐震性が低いなどの課題があれば豊かな生活を実現することが出来ません。優秀な営業マンは未来の生活についてヒアリングをするだけでなく、顧客が認識していない課題についても深掘りし、適切なアドバイスを行います。

 

 

以上を図にすると下図になります。優秀な営業マンは現在の生活だけでなく未来どんな生活を実現したいかを正しくヒアリングし、さらには顧客が認識していない課題についてもヒアリングし、解決策をしめすことでファン化させているのです。優秀な営業マンのヒアリングはこの2つの要素が不可欠です。

 

 

実際のトーク事例を見てみましょう。下図は優秀なトップセールスのトーク事例です。一つ目の事例は「娘と一緒に料理がしたい」という未来の生活についてヒアリングが出来ています。それだけでなくその上で課題になりえる要素について中立的にアドバイスをしていることが分かります。

 

二つ目ににつては現状の生活についてヒアリングしたところ、「和室は不要」と顧客が言ったものの、将来必要になると「未来の生活」から逆算して提案をしていることが分かります。まさにモノではなくコトを提案しています。

 

 

3つ目については既存OBに対するリフォーム提案のケースです。現状の設備に対して未来の生活から逆算して、顧客が認識していない課題についての提案が出来ています。このような先回り提案を行うことが新築だけでなくリフォームの受注においても重要なのです。

 

 

このヒアリングについては下記3つのポイントをおさえることが重要になります。

 

中立的アドバイス

営業マンとしての立場ではなく、中立的な立場でアドバイスをすることで、相談相手としてのポジションを確保することができます。事例は「どういう構造が良いかというのは一般論としては別に決まっていないんですよ。山間に住むならシロアリに気をつけなければならないし、海岸沿いならさびのことについて考える必要があります。」などです。

 

過去の実績開示

個人として、過去に契約したお客様の事例を話すことで、個人としての経験値に対しての信頼感が高まります。
事例は「私が以前お手伝いさせていただいたお客様でも同じように悩まれている方がいらっしゃいまして、その方の場合は、・・・」などです。

 

将来の問題指摘

お客様が気づいていない問題点を指摘することで、相談する価値が高まります。事例は「その間取りだと、将来・・・といった時に困るんですよね。」などです。

 

このような要素を踏まえてヒアリングを行うことが非常に重要になります。

 

課題解決型営業に求められるフレーミング

 

次にフレーミングについて見てまいります。お伝えしたヒアリングによって顧客の課題を解決することが課題解決営業なのですが、単に課題解決するだけではボランティアになってしまいます。必ず自社のサービスと解決方法を連結させることが重要です。

 

どのようにして顧客の課題を解決するべきなのでしょうか。結論から言うと、フレーミングが重要になります。フレーミングとは自社の強みでありながら顧客の課題を解決する要素を指します。

 

 

 

下の図をご覧ください。こちらは、構造に強みを持っている会社の事例です。当然ながら、構造がフレーミングであり構造によって課題が解決するといった解決シナリオを組むことが重要です。具体的には建物は内装よりも構造にお金がかかっているので構造を真剣に考えることが重要であるといったシナリオを組んでいます。

 

 

また、下の図は設計力をフレーミングとしている会社のトーク事例になります。設計力が強みですから、当然顧客の課題を設計力で解決出来る、と自社の強みに誘導する必要があります。実際にトークの流れを見てもいかに暮らし方の工夫を設計で出来るか重要であるといったシナリオを組んでいます。

 

 

下の図は、ローンの取り扱いをフレーミングとしている会社です。こちらの会社も住宅ローンの取扱数を強みとしている為、ローン取扱い数が課題解決に最も重要であると訴求する必要があります。実際に一番高い買い物はローンであり、正しいローン選びが重要であるといったシナリオを組んでいます。

 

 

このような課題解決型営業の考え方を図にしたものが下になります。まず、顧客が求める理想の生活と現状に対し、ヒアリングを丁寧に行い、不満や不安を洗い出します。それらの不満や不安にフレーミングを提示し、解決シナリオ組むといった流れです。

 

以上が課題解決営業の概要になります。なお、具体的な営業トークの作り方については下記記事をご参照ください。

 

 

本日のまとめ

 

改めて、本日のまとめをお示しいたします。

checkbox住宅業界には課題解決型営業が求められている

checkbox課題解決型営業は信用・課題解決・差別化の流れで進める

checkbox課題解決においては自社のUSPを明確にすることが重要である

checkboxまた、USPを進める解決シナリオが重要である

checkbox課題解決型営業はポイントを押さえて正しく進めることが重要である

 

以上、今回は課題解決型営業について触れてきました。このように、自社の優位性と顧客の潜在ニーズを意識した営業は今後さらに重要になりますので是非今のうちに身に着けましょう。

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