checkbox編集を終えて

 

現在ノウフルの5月号に向けた執筆をしているが、主要な住宅企業11社の受注金額速報値(対前年同月比)が発表された。結果、マイナス企業数がプラス企業数を上回った。子育て世帯の住宅取得を支援する、こどもみらい住宅支援事業の訴求に力を入れるものの、受注環境の好転までには至っていない。

 

実際にノウフル経由で経営のご相談を毎月20社以上いただき、状況などをお伺いしているが、ほとんどの建築会社が昨年の10月あたりから集客が激減し、回復していない。このような状況下で各建築会社がどのような戦略を設定すべきなのか。今回、編集の結びとして残された紙面で適切な戦略構築にお役立ちできる考察を提唱し、本号の締めくくりとしたい。

 

なお、私は延べ15年ほど建築業界に携わり、コンサルタントとして100社以上を支援し、3000人以上の経営者と対峙をしてきた経験と見解があるものの、考察に関してはあくまで個人の意見であることは事前にご了承いただきたい。

 

checkboxZEH化への取り組み状況

 

今回は、「住宅業界の注目テーマZEHについて考察する」と題して、ZEH化への取り組み状況について見ていきたい。

 

ZEH(ゼッチ)については、現在多くのハウスメーカーや工務店で導入を進めているが、ZEH化率の詳細は図1の通りである。

 

 

新築戸建てに関しては、ハウスメーカーが56・3%となっており、工務店が追随する形で9・5%となっている。平均してみれば、全体の24%、つまり、4件に1件程度にとどまっている状況である。また、建売戸建ては2%、集合住宅は1・2%と、住宅形態によって大きな差が見られる状況である。

 

また、下の図をご覧いただきたい。この図は、新築注文戸建てのZEH化率の推移を示したものであるが、2030年に向けてZEH化率100%を目指すとなると、ご覧の通り、高い水準でのZEH化への取り組みが必要になってくる。

 

 

また、下の図は、建売戸建てのZEH化率を表しているが、前述した通り、導入率は非常に少ない。理由としては、コストアップ要因が建売住宅の戦略に合わないことが挙げられるが、一方で、多くの大手ビルダーが、2025年までに50%という目標を設定している。コストアップが要因で導入が進まない中、早期導入を急いでいるというのが建売戸建てのZEH化の現状である。

 

 

次に、集合住宅について見ていきたい。集合住宅については、高層化に伴い、創エネの導入によって集合住宅全体のエネルギー消費量をまかなうことが難しくなっていくことを考慮した定義づけを行っており、住棟全体で100%以上省エネであるものを、「ZEH-M」と定義している。

 

 

また、住棟全体で50%以上省エネであるものを「ZEH-M Ready」としている。他にも、住棟全体で20%以上省エネの「ZEH-M Oriented」、住棟全体で75%以上省エネの「Nearly ZEH-M」といったものも存在する。このように、細かく分類することによってZEH化を推進している状況であるが、集合住宅におけるZEH浸透に向けた施策としては大きく二つある。

 

 

一つ目は、ZEHデベロッパーの認定・登録によるブランド力・認知度の拡大である。同時に、ZEHの設計ガイドラインを作成・公表し、ノウハウ浸透の強化も進めている。住宅形態によってばらつきがあるZEH化に向けた取り組みであるが、遅くとも2030年までには、高い水準で全棟ZEH化が進むと予想される。

 

checkbox最後に

 

以上、今回は「住宅業界注目テーマ ZEHについて考察する」という内容で見てきた。

 

ZEHについては、多くのハウスメーカーや工務店が導入を進めており、早期導入に向けた取り組みが必要となってくる。このような状況において茹でガエルにならないためには、常に危機感を持ち、ヒト・モノ・カネに次ぐ「情報」についてアンテナを張ることが重要であり、一人でも多くの建築従事者の方々にとってノウフルが貴重な情報源になればそれ以上のことはない。

 

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