多くの住宅会社において、集客環境の変化への対応は重要な経営課題となっている。従来のチラシを中心とした販促だけでは成果が出にくくなる中、デジタルマーケティングへの転換や、イベント企画・商品戦略を含めた一貫したマーケティングが求められている。阿佐建築工務株式会社は、創業60年以上の歴史を持つ住宅会社として、販促・販路・商品の3つの視点からマーケティング改革を推進し、集客力の向上を実現している。今回は、同社が取り組んだマーケティング戦略についてお伺いした。

 

―まず、御社の概要をお伺いさせてください。

 

はい。弊社は、創業62年を迎える阿佐建築工務株式会社という会社です。住宅ブランドとして「り’あさの家」というブランドを展開し、注文住宅事業を行っています。

 

―ありがとうございます。今回、「シン・マーケティング」というテーマでインタビューをできればと考えています。テーマは、販促・販路・商品の3つです。まず販促についてですが、御社のエリアは比較的まだチラシによる効果が根強い地域だと思います。オフラインからオンラインへの切り替えは、どのように行ったのでしょうか。

 

 

●販促強化に向けた取り組み

 

弊社は主にチラシでの集客を行っていました。しかしながら、コロナ禍以降はチラシを配布しても集客効率が上がらず、1件も来場がない状況が続いていました。イベントに関しても同様でした。

 

しかし、10回実施すると1回の企画で10組ほど来場されることもあったため、チラシ神話から抜け出せずにいました。ただ、統計的に見れば勝つときもあれば負けるときもあり、結果としては負けるほうが多かったのです。まさにギャンブルのような悪循環に陥っていました。

 

そんな中で、インスタグラム広告を始めました。最初はなかなか安定した成果が出ませんでしたが、2〜3か月ほど経つと、チラシよりもMeta広告のほうが圧倒的に効率が良いという結果になりました。

 

 

―素晴らしいですね。では、販路についてお伺いしたいと思います。販路は見学会や相談会、勉強会などイベントの領域ですが、この販路についてはいかがでしょうか。

 

販路については、「フックの重要性」を教わりました。ただ単にモデルハウス見学会や邸宅見学会を行うだけではなく、お客様の印象に残るフックが大事という考え方です。

 

つまり、普通の商品相談会では来場は期待できませんが、平屋相談会やガレージ相談会にすると来場につながりやすくなります。この平屋やガレージがフックになるのですが、これを意識的に考えて企画を行い、それを年間計画に落とし込むことを習慣化したことで、安定した来場を維持できるようになりました。社内でもフックを考える習慣が定着し、代表も含めて社内一丸となって企画を考えることで、来場が増えました。

 

実際に、今年の1月には36組、2月には21組の来場があり、半信半疑だったものが確信へと変わりました。まずは、素直に言われたことをやってみることが大事なのだと感じました。

 

―ありがとうございます。フックについては非常に大事な考え方ですね。次に、商品戦略についてはいかがでしょうか。

 

 

商品については、USPが重要であるという考え方を学びました。実際にUSPを構築したのですが、それがまさに弊社の強みである「気流の設計」です。

 

これをデザイン、性能、コスパという側面に落とし込み、お客様とのタッチポイントにそれらを発信していく取り組みを行うようになりました。これにより、単に来場獲得だけを意識していた状態から、認知という視点も持てるようになり、集客の量だけでなく質も意識できるようになりました。

 

タッチポイントは、モノだけでなく人もタッチポイントになります。そのため、まず営業フローを構築し、最初に USPを訴求する動画を見ていただき、その後にモデルハウスをご案内する流れを整えました。ホームページの内容と営業トークに一貫性を持たせることも、しっかり構築できたように思います。

 

今後は、さらに一貫性が重要という考え方に基づき、「デザイン、性能、コストパフォーマンス」をしっかり訴求していきたいと考えています。そして、来場数だけでなく契約率や契約棟数も増やしていきたいです。

 

 

ー素晴らしい取り組みですね。本日はありがとうございました。

 

阿佐建築工務株式会社

60年以上にわたり、大阪府高槻市を中心に住まいづくりを手がけてきた総合建設会社。高性能注文住宅ブランド「DUTTO100年の家」を展開し、健康・快適・省エネルギーを追求した住まいを提供している。また、住宅事業に加え、リフォーム、不動産、医療・福祉施設や公共建築など幅広い建築事業を展開し、地域に寄り添った総合的なサービスを実現している。

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