多くの住宅関連企業(工務店)で営業力を上げたいと思っている営業マンは多いのではないでしょうか。

 

こちらはある経営者の悩みです。

 

最近マーケティングオートメーション(MA)という言葉をよく聞くな・・・。

企業を買収する事?それはMAか・・・。

どうやらメールを活用してマーケティングを自動化するシステムの事のようだ。。。

そもそも集客を自動化なんて出来るのか?

そして「リード」や「インサイドセールス」という言葉もよく聞くな。

しかし横文字ばかりでさっぱりだ。

若手に聞いても容量を得ていなくてよう分からん・・・。

 

今回は熱の低い資料請求客がバンバン来場するインサイドセールスについてお伝えします。

 

では本日の目次をお示しいたします。

 

 

インサイドセールスとは

 

まず、住宅業界における反響の定義から始めましょう。住宅業界では顧客リストのことを反響と呼びますが、この反響は大きく二つに分けられます。いわゆる、資料請求や会員登録などに代表される非対面反響と言われるもの、そして実際にモデルハウスや見学会などで来場して対面する対面反響と言われるものです。

 

 

従来は対面反響が主流でしたが、近年は非対面反響が増加傾向にあります。コロナ禍による対面への制限などもきっかけの一つではありますが、大きな要因は「営業のペースに振り回されず自分のペースで考えたい」という根本的な顧客ニーズによるものが大きいです。

 

下の図は小売店での接客におけるアンケート結果です。多くの人が自分のペースで商品を選びたいと回答していますが、同様の考えを持つ人は多いのではないでしょうか。住宅選びにおいても当然ながら「営業を受けたい!」と思う人は一部であり、多くの人はできるだけ自分のペースで住宅会社を探したいと考えます。

 

 

そのような前提のもとでは、対面反響と言われる来店予約や店舗来場などより、非対面反響と言われる資料請求や会員登録で情報収集する傾向が高まるのは至極当然のことです。とはいえ、この非対面反響は黙っていれば客が来場するわけではありません。何かしらのアプローチを行うことで対面反響に転換することが重要です。

 

この非対面反響に対してさまざまなアプローチで対面反響に転換する、つまり来場につなげることを「インサイドセールス」と言います。従来の営業がフィールドセールス、つまり会社の外で行うセールスであるのに対し、インサイドセールスは会社の中で行うセールスであることからこのように呼ばれます。

 

ではまず、非対面反響を来場につなげる施策には何があるでしょうか。結論から言えば、下の図のように、メールやLINE・ショートメール・電話などがあります。

 

 

しかしながら、それらの効果性にばらつきがある点に注意しなければなりません。例えば、メールに関しては開封率が20%を切っています。つまり、5人に1人しかメールを開かないという状況にあり、そこから対面につなげるのは非常に困難と言えます。

 

次にLINEですが、LINEは友達として承認をしてもらわなければアプローチをすることができません。この友達化する上でのハードルが高く、アプローチ自体が困難です。

 

一方、効果性が高い飛び道具はSMSと電話でSMSは別称でショートメールと呼ばれます。開封率が98%と非常に高い水準を誇っています。また、電話に関してはアポ率が30%を超える成功事例も多くあり、非常に有効な施策と言えます。ですから、このショートメールと電話を活用した来場アプローチが非常に重要になります。しかし、注意しなければならないのが、注文住宅あるいは一部の建売住宅の営業メンバーに、このような来場を促すアプローチの体制がついていないことです。

 

下の図は、集客における二つのモデルを図示したものです。インバウンドモデルとは、顧客にチラシなどで接点を持ち、モデルハウスや見学会に来場してもらう考え方です。対してアウトバウンドモデルは、飛び込みや前述したインサイドセールス体制などでこちらから呼び込む集客構造を指します。

 

 

もとより注文住宅の営業では、飛び込みなどを行う文化が主流でしたが、ショールームやモデルハウスなどの販売ルートが増えたことにより、「待ち」の営業スタイルに大きく変貌を遂げました。そうすると、営業メンバーには自分からアプローチを行うアウトバウンドに対する耐性がほぼなく、電話をしても断られることが嫌ですぐに電話をしなくなってしまいます。

 

 

また、このような営業メンバーの中にアウトバウンドに対する耐性があるメンバーがいたとしても、メインの営業活動に時間が割かれるあまり、非対面反響に対するアポ取りなどがどうしても二の次になってしまい、瞬時のアプローチが難しくなっています。

 

下の図は反響後の電話アプローチにおける時間差での効果を測ったデータですが、5分以内に折り返すのと10分以内に折り返すことで4倍以上アポ率が違うという統計が出ています。このような中で、単に営業メンバーにメインの営業活動の片手間に電話をさせる体制を作ることが有益な策ではないことがわかります。

 

 

非対面反響の体制構築

 

では、どのような形で非対面反響の体制を構築すればいいのでしょうか。今回は、三つの体制について見ていきます。

 

従来型の引き上げ体制

まず一つ目が、次の図に示した従来型の引き上げ体制です。非対面反響に対して営業メンバーが1ヵ月電話をかけ、それでもアポにつながらなかったリストに対しては、マーケティング部門がメールやDM送付などのアプローチを行う体制です。この手法は最も一般的ですが、前述した対応へのばらつきや営業がやりたがらないなどの深刻な問題をはらんでいます。

 

 

インサイドセールス部隊による引き上げ体制

二つ目は、下の図にあるように、非対面反響に対してインサイドセールス部隊が電話やショートメールでのアプローチを行い、1ヵ月経過したものに対してマーケティング部門がメールやDMを送りアプローチを行う体制です。この手法でアプローチのばらつきなどの問題は解決されますが、専門人員の確保や体制切り替えのリスクを踏まえて慎重に進める必要があります。

 

 

 

 

なお、規模が小さい会社の場合はインサイドセールスとマーケティングを分けるほどの人員がいないため、下の図のようにインサイドセールス部隊がマーケティング業務も行うといったハイブリッド型の体制をとるケースも多く見られます。

 

 

外注による引き上げ体制

そして三つ目は、下の図にあるように、このショートメールや電話を使った誘致活動自体を外注してしまうやり方です。この取り組みは体制変更や教育などの手間がかからないメリットがありますが、コストがかかる点も考慮する必要があるため、ある程度ノウハウが積み上がったタイミングで前述の①や②に切り替えるのが賢明です。

 

 

インサイドセールス部隊による成功事例

 

多くの住宅会社では、前述の②の体制で飛躍的な成果を出しています。ここでは、ある住宅会社の成功事例をご紹介します。まず、インサイドセールスの専任部隊が電話やショートメールの対応を行います。「対応は10秒以内」で「毎日連絡」をモットーに取り組みを行い、月200〜300件ある反響に対して架電やショートメール送付などのアプローチを行っています。

 

なお、もともとフィールドセールスが合わなかったメンバーがインサイドセールスにキャリアチェンジするケースが多いため、思いの外、電話に対するモチベーションコントロールは必要ありません。この会社では、反響を1軍、2軍、3軍に分けて1軍をメインにアプローチするというやり方でメンバーのやる気コントロールをしています。

 

成果実績で言えば、月200〜300件ある反響に対して50〜60件のアポ率で、30%超えの転換率になります。前述の①の体制であれば5〜10%の転換率にしかならないため、圧倒的な成果と言えます。さらには契約率が15%と高い水準を維持している点も特徴的です。これはこの会社のホームページ反響からの契約率の2倍の水準であり、効率的な営業活動ができていると言えます。

 

 

本日のまとめ

 

改めて、本日のまとめをお示しいたします。

checkbox近年は、対面反響よりも資料請求や会員登録などの非対面反響が上回っている

checkbox非対面反響を来場に繋げる施策が重要である

checkboxショートメールと電話を活用した来場アプローチは効果的である

checkboxその上でインサイドセールスの体制構築を行うことが必要である

 

今回は、インサイドセールスの取り組みについてお伝えしましたが、非対面反響は今後さらに増加していくと思われます。このような中で、有効的な施策を作ることが非常に重要ですので、しっかりと体制作りを行っていきましょう。

 

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